二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 孤独ナ天使 【D.Gray-man】 ( No.7 )
日時: 2009/12/27 20:03
名前: 白夜 (ID: 8PZUrHKn)

【第8夜 真っ暗で、嫌だよ】

「嫌だッ、嫌だ嫌だあッ!マオ、マオ!マオッ!!」

あんな遠くの空に、届くはずがないと分かっていても・・・
わたしはひたすら、手を伸ばした。真っ暗な空に。
───あ、この弓を使って千年伯爵を射止めたら・・・?
きっとマオは助かる!戻ってくる!

「神風、桜花ああああああッ!」

もう一度、黄金の矢を放つ。
真っ暗な空に、吸い込まれて終わりだった・・・。
マオ・・・・・・マオ・・・!

「マオを返してよおおおおおおおおおおおおッ!」

涙を流しながら、叫んだ。
いつの間にか、黄金の弓は元のネックレスに戻っていた。
今になっては、すごくどうでもいいこと。
今は・・・マオ・アベーユを返せ。

「貴方のお名前、訊いてもいいですか?」

優しい声が、響く。
見ると、白髪の少年が優しく笑いながら言っていた。

「・・・・・・テテオ・アベーユ」

「テテオ・・・いい名前ですね。僕はアレンです」

「アレン?」

「アレン・ウォーカー。エクソシストです」

きっとわたしの顔は、涙でぐちゃぐちゃだろう。
このアレンっていう人は、すごく優しい笑顔をする。
その笑顔を見るとね・・・もっと涙が出てくる。

「こっちは、神田っていうんですよ」

「・・・・・・フン」

「ほら、神田。ちゃんと挨拶するんですよっ」

「うるせえ、モヤシ」

「モヤッ・・・?!アレンだって言ってるでしょ」

「───ふ、あはははははははは!」

わたしはその光景を見て、笑った。
自然と笑顔が溢れてきたから───。