二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ◆D灰◆終焉ノ曲芸…無言マリオネット 1/8up! ( No.30 )
日時: 2010/01/25 18:17
名前: なさにえる (ID: 4uW3X7Ho)



 "とおりゃんせ……とおりゃんせ……




              ここはどこの細道じゃ………




       天神様の…細道じゃ…………"


   第15夜 ……堕落ト骸…


言いようのない空気に神田ユウは目をさました。

「なんだ……」
六幻をとると廊下に出た。
                    ウタ
  廊下に反響するように…聞こえるのは……謌
      近いようで遠く………
         高く…細く…
             危険な響きを伴って……



      "ちっと通してくだしゃんせ……

                 御用のないもの容赦せぬ………"


「誰だ……」
六幻を抜き祓うと神田は呟いた。


        "この子の七つの……お祝いに……"

じりじりと廊下を身長に一歩ずつ進むと曲がり角を一気に曲がった。


                   "お札を納めに参ります………"


反響する声を気にせず神田は気配と勘で廊下を歩いた。
  空気が重く神田にのしかかってくる…


       "行きはよいよい…帰りは怖い………"


神田は一つの扉の前で立ち止まった。
なんでもない部屋の扉……。
しかし、神田は何の迷いもなくその扉を開けた。その部屋の中の扉を更に開ける。


                       "怖いながらも…"

神田は用心しながら最後の扉に手をかけた。

 ………バンッ!!!!!!

勢いよく開いた部屋の中にいたのは…一人の少女……


            "とおりゃんせ……とおりゃんせ………"


そこまで謳っていた謌声がとまると少女が神田の方を向いた。
赤い蝶の模様の入った黒い着物、長い黒髪、紅い鞠をもった少女は神田を見ると微笑んだ。


             ______ゾクッ

その笑みを見て神田の背筋に寒気が走った
       しかも少女から発せられるのは………殺気……

「てめぇ、なにもんだ……」
少女はまたゾクッとするような笑みを浮かべると立ち上がった。
  鞠が煙にまぎれるように消えた____




                 _____フッ…


気配に気づいた神田が振り返ろうとした刹那_____神田の脇腹から血が吹き出した。

「な………!?」

不適な顔で神田を見下ろす人物は……
「て、てめぇら……」
   ドサッ______。
倒れた神田の前を黒い革靴が通り過ぎた。その後を二つの靴が追いかけた。



「セカンドって聞いてたのにあっけねぇもんだな」
 「準備運動にもならないね〜」
    「なめてるとどこかの誰かさんみたいに怪我しますよ__」




「喧嘩はいいわ………」

ぼやけるように少女の姿がみるみる成長していき……
               ………現れたのは美しい女性



                   「さぁ……始めましょうか」





   "とおりゃんせ………とおりゃんせ………

                 ここはどこの細道じゃ……













             鬼神サマの細道じゃ……"