二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ◆D灰◆終焉ノ曲芸…無言マリオネット 1/25up! ( No.37 )
日時: 2010/03/04 20:00
名前: なさにえる (ID: vSAcFdge)

   第16夜 徘徊するノア

「でさぁ、一人呼び出したけど……この後どうするの?」
暗い廊下を歩きながらソカルがユウナに聞いた。

「ん〜考えてない」
「!?」
愕然とするノア一同。それをみて…

「ジゼル!」
ユウナの白い指がピシッとジゼルにのびた。
その微笑みをみてジゼルが身構えた。
 何かを感じ取ったソカルと黒夜はそっとジゼルから離れた。

ユウナの腕がジゼルの服の襟を掴んだ。
「ユウナ……なにかんが…えて……」
ぐわっ!!!
ジゼルの体が宙に舞うと廊下わきにあった洗面台に叩き付けられた。
  __パシャン!!!

衝撃をさけるために液体化したジゼルはじとっとユウナを睨んだ。
「何したい訳」
「水道管とおって探索してきなさい」
「はぁ!!??」
    、、、、
  「いいわね?」

「……」
無言でジゼルは水道管の中に姿を消した。




    ___あの野郎…いつか殺す!!!

狭い水道管をくぐりながら誰にも聞こえない声でジゼルは叫んだ。




「探索はあの子に任せて私たちは自由に遊んでましょ♪」
さっきの雰囲気は何処えやら。
「いいの!!??」
ソカルと違い黒夜の顔は冴えない。
「人殺し好きじゃないんだけど」
「良いわよ」
ユウナは優しく言った。

「じゃ、いきましょっか♪」
すっかり冷静なユウナが崩れて遊びモードになっている。





           「そんな勝手な事してほしくないですね____」

「!!??」
ノアは驚いて天井を見上げた。



     窓の縁に座っている二つの影……


「あら、残念……寝てたんじゃなかったのね」
「いいじゃん♪楽しくなりそうだよ」
「楽しそうね、ソカル」





二つの影は軽い音をたてて床におりた。

「ったく、なにが再戦だ。おかげでこんなことになってんじゃねぇか!」
「別に巻き込んだ覚えはないですけど。結構のりのりだったじゃないですか…」
「なにがノリノリだ!!!ほとんど脅迫だったダロォが!!!」
「そうでしたっけ???」
「……もういい」
「それはよかったです」

「なんなの!あんたら」
黒夜がかみついた。

「一介のエクソシスト。こんな夜中に騒ぐのはよくないぜ、みんな任務で気が立ってんだ」
   「黒の教団のエクソシストをなめない方が良いですよ」

テッサイアとクロウが不適に微笑んだ。

「じゃあ、殺っても言い訳?」
ソカルのフードからひょこっと黒い狼が顔をのぞかせた。

「いいぜ」

テッサイアのイノセンス''ギャオンハーツ''が発動した。

「ノア相手にしょっぱなから遠慮してる暇はネェな」


無数のダーツが宙に浮かぶとユウナをとらえた。

「トリプルアクセル!!!!!!!」

無差別無規則で飛び交うダーツが一斉にユウナに迫った。

ユウナはよけようともしない。不適に微笑むと……不意にユウナのたっていた床が崩れ始めた。
まるで劣化するように力を失うとノアたちをのせたまま落下した。
「!!??」
標的を見失ったダーツの動きが乱れた。
そして劣化した床に触れたとたんダーツまでもが風化するように砕けた。

「面倒な能力だな」

唇を噛んだ。
「じゃあ、私はこのへんで消えるわ♪」
「はっ?」
「今日は探し物があるから来たの、正直遊びね♪」
唖然とするクロウとテッサイアを残してユウナとこくや蓮潟を消した。
「待ちやがれっ!!!」
ギャオンハーツを投げようとしてその動きが止まった。

「僕の事も忘れてなぁい?」

ソカルの言葉と同時に黒い獅子が飛び出した。
電光石火の勢いでテッサイアに迫った。
「ライ、殺しちゃって良いよ」
巨大な牙がせまった。

「喰らえ…」

突如現れた大量の蓮。
その茎がライの体をとらえた。

「君も僕の事忘れてますね」
クロウが微笑んだ。

「邪魔するなクロウ!!!」
「別にチェスに負けた腹いせにストレス発散してる訳じゃありませんよ」
「聞いてねぇ!!!」


ザッ!!!
鈍い音がして蓮の檻が破られてライがソカルの足下に戻っていた。


「ったく、調子狂う」
いらいらと呟くと無造作に取り出したダーツを地面に突き刺した。

「パラノイドボム」
「ダーツがなに?玩具でしょ」
ソカルの合図でライが再び動いた。


「触れたら最後_________」

ライの足がダーツに触れた。


                  「消し飛べ」


ダガンっ!!!

鈍い音がして周囲の床がふきとんだ。
「ライッ!!??」
ソカルがあわててライに駆け寄った。

「ちょっと…教団壊す気ですか」
「大丈夫、コムイに払わせる」

そう言ったテッサイアの頬がさけた。
「!!??」

気がつけば二人の背後に巨大な狼がたっていた。
「それが正体か…」

「ホントはこの姿で戦うのすきじゃなんだけどね」
そういった側でソカルの姿が掻き消えた。

間一髪でその場所を離れたが巨大な爪痕がその床をえぐった。

「ヒュ〜♪破壊力抜群ってわけな」

  「じゃ、ボクはあのお姉さんがた探してきますよ。先に消えた男も気になりますし(戦うの面倒なんで)」
「こっちはまかせろ(邪魔するならお前から倒す)」
「頼みますよ(期待してませんけど)」

おたがい()の中を口には出さなかったがあまり友好的な別れ方とは言えなかった。