二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: Crazy Night ( No.4 )
- 日時: 2009/12/28 15:27
- 名前: NOAH ◆p5CHNX570g (ID: QJ6Z1NnV)
EPISODE III
『言い伝え』
``数多ノ悪ヲ滅ボシ神
アル悪ノ導キニヨリ悪ノ神ニナッタ
皆ハソノ神ヲ「狂神」ト呼ブ
マタノ名ヲ 、、
`` クレイズィ 、、
1000年前——————
緑が生い茂り平穏な場所である小さな都市 ` クレスント 、
ある日、クレスントを恐怖に陥れる出来事が起きた。
それは………
[ 狂核 ]
クレスントで夜な夜な兇悪な切裂魔が現れ、人関係なく殺していった。
そして気が付くと切裂魔が殺した人たちでクレスントは血に染まっていく。
その異様な光景は大虐殺そのもの………。
…………切裂魔はとうとう全員殺してしまった。
————が、違った。
その時クレスントに住んでいた男1人が魔の手から逃れられたのだ。
そして男の家族、友人を殺した切裂魔の正体を探ろうと建物が炎に包まれているところ以外の陰に隠れ、現れるのを待った。
すると少ししてそれらしき人影が正面奥から姿を現した。
男の眼に映ったその人影の正体に思わずビックリしてしまった。
性別までは分からないが、15歳くらいの子なのだ。……多分少年であろう。
その姿は月光に照らされ、返り血で染まっている服や肌、虐殺に使われたと思われる刃が鈍く光る。
瞳の色は真蒼と言っていい程、美しかった。
やがて誰にでも分かる少年の特徴が月光のおかげであらわになった。
少年の特徴———
それは両頬にある紅い十字架————
少年はどこか遠くを見つめるように闇で閉ざされた空を見上げていた。
その表情はどこと無くとても哀しそうな感じだった。
男は目の前にしている異様な光景を[孤独] [恐怖]の感情が一気に込み上げてきた。
そんな異様な状態に耐え切れず後退りした。
ガラガラガラ……
男は後退りした方向にある煉瓦に当たってしまい、大きな音をたて崩れ落ちた。
切裂魔の少年は音に気がつき男の方向へ振り向いた。
男は隠れる暇もなく、少年と眼があってしまった。
殺されると思い逃げようとしたが少年の眼は全てを見透かしているかのように見え、眼を逸らす事が出来ない。
少年は口元を歪め、眼を細めて満足そうに笑みを浮かべ、口を開いた。
「僕は狂神。この現実(セカイ)に禍を齎す者。……僕の代わりにこの夜を必ず訪れさせる者が現れる。」
少年は今までにないような歪みきった笑みを見せ、嬉しさに満ち溢れるようにクスクスと笑いながら言った。
「……クレイズィは不死身なんだよぉ!」
そしてその笑みは風に吹かれ踊り狂う月蝶のように舞う炎の中へ幻の如く消えていった。
やがて、1000年の時を越え、今は言い伝えとして残っている。
少年が消え現在、ある双子の子供がこの世に生を受けた。
双子の子供は産まれてすぐに両親の手で孤児院に預けられた。
あれから9年の月日が流れ、そして現在——————