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「伯爵居るかしら？」
「あっ、ミルディスじゃぁん。何でそっから？」

　ミルディスが扉から出ると、そこには一人の黒のツンツンとした髪型の少女の姿があり、声を掛けると少女がミルディスの通った扉を見て、返事を返した。

「ロード！　お久しぶりね。扉の件は伯爵が通れと」
　
　ミルディスがロード、ロード・キャメロットとの再会を嬉しそうに思って言うと同時に、ロードを抱き締めた。
　その次に、ロードの質問に簡潔に答えを述べた。　
　
「へぇ？　ティッキーなら居るけど」
「そうなの？　なら伯爵が来るまで遊んでおくわ」

　ロードがニヤニヤしながらティキの居る方を指差しながら言うと、ミルディスがフフン、と小さく笑ってから言った。そしてティキの居る場所に移動。
　
「久しぶりよねぇ？　美青年君」

　ミルディスが黒い笑みを浮かべながらティキに言うと、その声に気付いたティキは、声のする方、ミルディスの方を振り向いた。ティキの顔は冷や汗を流していた。

「げっ、お前か……」

　ティキは冷や汗を流しながらもヒクッ、と苦笑いして言った。ティキは、ミルディスの赤い目を見た時、死を覚悟した。こんなに目を生き生きさせているミルディスを見るのは初めてだ。

——嗚呼、俺死んだな。
「俺を使うなぁぁぁぁっ!!」

　ティキの悲痛の叫びが部屋中に響いた。
その叫びを聞いたロードは笑っていた。

　　
(言えない絆で結ばれている)(羽と記憶が)