二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 鋼の錬金術師-光影の少女‐ ( No.52 )
日時: 2010/03/20 19:43
名前: 椿薔薇 (ID: a5DdqbyH)

第二一話「朝」

静寂に包まれた夜から騒がしい朝が訪れ、フィラオ家でも声が聞こえ出す。
いつもはこの時間帯でも静かなフィラオ家なのだが今日は違った。
すでに早起きの村人たちは仕事へ向かったりバザールを開催したりとにぎわっているのだが寝るの遅かったアムール達は今、起きたばかりであった。

「エド!朝、朝だってば!眠いの分かるけどね、疲れてるの分かるけど朝!」
アムールは寝起きのぼさぼさ頭のままエドを起こしに部屋にむかった。

「…」
どんなに声をかけても起きる気配の無いエドにアムールはもう少し寝かせておいてあげたいなぁ…と思いながらも最終手段を使うことにした。
「アル直伝![兄さんの怒る反応といえば?]作戦実行!」

そう、アルに言われていたのである。
エドには言われたらどんなときでも反応する言葉があると。
アムールは殺されたらどうしよう…なんてことも薄ら思った。

「豆!チビ!起きろ!!」
気にせずに続ける、すると布団が宙に舞いお決まりの一言が飛び出した。

「誰が、豆粒ドチビかァァァァァ!!」

それにアムールは
「アル凄い!ホントに起きたよ!!エドおっはよー」
アルに心で拍手を送りながらエドの怒りを抑えて、もう一度言った。

「朝だよ!」
するとエドは

「アルは?」
と聞く。

それにアムールは
「お姉ちゃんのお手伝いしてる!もうご飯だから!エドも早く下りて来てねー!」
それだけ言って駆け足で部屋から出て行った。

エドは欠伸をしてから立ち上がり
「よし!」
と言って布団を片付けると髪を結び、着替える。

そのころ下へ降りたアムールは
「うわァァァァ!!!」
…と朝から大声を上げてド派手に転んでいた。
ガシャンというオートメイルの音とともに床に伸びたアムールは床に落ちた何かの部品を見てもう一度

「うわァァァァ!!!」
と叫んだ。