PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 一話 羽を持つ者たち ( No.15 )
- 日時: 2010/01/22 20:52
- 名前: 迷鎖 ◆eVKFdGz9q2 (ID: xYJBB/ey)
- 参照: 記憶と羽と十字架がぶつかりあって、今、火花が散る。
「襲わなかった……?」
リナリーは、ユトラスを見上げた後、不思議そうに、不安そうに言った。
ノアならば、敵のエクソシストを殺そうとするはず。彼女には殺気も何も無かった。外見は、ただの人間の少女だ。
「……リナリー、さっきのあれ、人間なのに羽だしてた?」
しばらく黙っていたディオスが、言った。ディオスは、殺気の無いユトラスを人間、ととったのだ。
「! でも彼女は……」
「そう。ノアでは無かった。特別な“人間”なのかもよ」
「特別な……?」
「そ、特別な。それがなんなのかはわたしにも分からないけど」
ディオスはそう言いながら、人差し指を立てて、リナリーにウインクして笑った。
「さて、どっか行こうか?」
「え?」
「だって、このままじゃ何があったか分からないじゃん」
ディオスの一言に、リナリーも賛成したようで、「ソウネ」と微笑みながら言った。
その瞬間。ディオスの胸に真っ黒な槍の先端のような物が刺さった。
その胸からは、赤い液体が流れる。
「ふははっ、やぁっとおでましだね? ……お前は誰だ。リナリーの体をなぜ使っている」
ディオスは笑いながら言った後に、外見はリナリーの、誰かを見つめた。いや、正確には睨んだの方が正解なのかもしれない。
「げっ、クロネの奴、バレバレじゃないか……」
リナリーの周辺に、煙がたった。煙が消えると、リナリーが消えて、紫色のローブを着た、水晶玉を持っている子供がリナリーの代わりに立っていた。
「……リナリーは?」
ディオスは、辺りを見渡した後、子供を睨みながら言った。その子供は、ディオスの質問に笑いながら答えた。
「嗚呼。君ノ友達ニ“人質”ニナッテモラッタヨ」
PR