二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: リアル縛りプレイ (ポケモン小説) ② ( No.14 )
- 日時: 2010/01/08 15:20
- 名前: 丸やまん ◆waaRdEmYls (ID: arA4JUne)
- 参照: このサイトで男子を見た事がない……(泣)
四話
ここは森。と言っても、公式マップには載っていない所だ。俺は一本の木にもたれている。——それよりも、ホーホーが……。
「ホーホー、しっかりしろ!」
「ワニャ、ワニャ!」
目は焦点が合わず、意識が朦朧としている。体も少し冷たい……。
——そうだ、傷薬!
ポケットには傷薬があるんだ。あのおじさんが半分残してくれた、あの傷薬。半分だから、体力は10回復するはず。
スプレー式の傷薬、それを吹きかけようとした。
カッ。
カッ。
……あれ?
レバーにロックが掛かっている。何で? 何でだよ!? まだ残っているのに!
何回押してもダメだった。日の光に透かしてみれば、まだ治癒の液体が残っているのにもかかわらず……。
瀕死か?
一瞬頭に過ぎった瀕死の文字。その状態をほおって置くと、瀕死は死になる。
こんな事している場合じゃない! 早くこの森から抜けて、ポケモンセンターに行かないと!
俺は左肩だけかかったリュックを掛けなおして走り出した。ワニノコもまだ着いてきてくれる。相当体力があるのだろう。でも、ポケモンセンターが無いから回復は出来ない。走る持久力と体力に関係は無いのかもしれないけど、これ以上ワニノコに走らせるのも可哀想だし、俺はボールに戻した。
——ありがとうワニノコ。
そして俺はまた走り出す。しかしまた何かが頭の中を過ぎった。
ポケモンセンターは、ない。
そうなんだ。無我夢中で気がつかなかったその宣告。このまま走って最寄の街に行っても、あの場所が無ければどうにもならない。俺は立ちすくんだ。徐々にホーホーの体は冷たくなってく。
「ホーホー……、ほら、この木の実……食べてくれよ……」
俺はたまたま木の実がなる樹の下にいた。垂れ下がった枝についた青い実をホーホーの口にやる。だが、ホーホーの口は堅くと閉ざさったままで、口の中に入れてくれない。
「食えって……」
無理やり押し付けるように木の実を口に入れようとする。だが、手から滑って落ちてしまった。落ちた木の実を拾って、またあげようとホーホーの顔を見ると、その顔は痩せてげっそりした顔に。
「そんな……。ど……して……」
目から大粒の水がポタリ。ホーホーの顔に当たって流れた。そしてまた一粒。いや、これは雨だ。枝の隙間から落ちてきたのだ。空の雲も、俺と同じように涙を流してくれてるのだろうか。だんだん足の力が抜けていき、俺はその場に膝を落とした。
「なんで……なんでだよ〜!」
ホーホーを抱きかかえたまま、空を仰いで泣いた。悔しかった。守れなくて。こんなんじゃワニノコも守れない。誰も守れない。なんて無力な自分なんだ……。
そして、ホーホーは俺の腕の中で、死のカウントダウンを終えた。