二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アトナシ(ポケモン小説) ② ( No.3 )
日時: 2010/01/06 11:00
名前: 丸やまん ◆waaRdEmYls (ID: WwoM88bd)
参照: このサイトで男子を見た事がない……(泣)

二話

頭の整理がつかないまま、ヨシノシティへ向かった。
何のために、ポケモンセンターは封鎖してるんだ? ポケモンにとって必要不可欠なあの場所が無くなったら、ポケモンたちはどうするんだ? バトルに負けたら、'死,を待つだけなのか?

(どうすればいいんだ……。これから……)

後を着いてきているワニノコは、まだ何も知らないようだ。道端に落ちていた木の実を食べながら歩いてる。

(この笑顔も、見れなくなっちゃうのかな……)



複雑な心境のまま、俺達はヨシノシティに着いた。向かうのは勿論、ポケモンセンター。町に入ってすぐの場所にある。——本当に入れないのだろうか。

やっぱりだ。
赤い屋根の病院。ポケモンセンターの前には、およそ四、五十人の人たちがブーイングを起こしている。

「入れさせろ〜!」
「これからどうするんだ!」
「私のプリンちゃん助けてあげて!」

その時、自動ドアが開き、ポケモンナース、ジョーイさんが出てきた。いつもの天使のような微笑は無く、真剣な眼差しだ。少しの沈黙が続いた後、ゆっくりとジョーイさんは口を開いた。

「今回の件について、お話いたします」

皆彼女の話に耳を傾けた。

「知っている方もおられるでしょうが、ここ最近、チートという犯罪が、トレーナーの間で増えております。これは、違法な道具増殖、ジムバッチを持っていないにもかかわらず、チャンピオンになったり、そして、想定外の強さのポケモンの所持などです」

この事は俺も知ってる。出発する前夜にニュースで見た。

「これらの行為は、協会をバカにしてるとしか思えません。それに、ポケモンたちも可愛そうです! こんな兵器のような強さを持つ事だって、望んでいないはずです。皆愛を持って接されたいのに、あなた達は戦いの道具とでしか思っていない」

相当の怒りなのか、最後の一文だけ敬語がなくなった。それに、何人か俯いている人たちもいた。チートをしてしまった人だろうか。

「そこで協会は考えたんです。全国のポケモンセンターを封鎖しようと。ポケモンを大事にしないあなた達に、ここを使用する権利は無い」

「じ、じゃぁ、ポケモンが瀕死になったらどうするんだ!」

一人の男の人が、勇気を持って訊ねた。

「そんなの知りませんよ。というよりも、愛を持って接して無いならば、ポケモン達が死んだってどうって事ないんでしょう?」

「そ、それとこれとでは……」

その人は言い返せなかった。この人も、ポケモンに感情を持たずに接したのだろうか。

「もしポケモンセンター復活を望むなら、バッチを八つ集めてポケモンリーグチャンピオンに勝ってください。因みに、チャンピオンはワタルではありません。あの人も、違法したも同然です」

チャンピオンがワタルさんじゃないだと? あの人もチートを……? 信じられない。

「その他の補足については、こちらの用紙をご覧ください」

そういうと、ジョーイさんは紙をばら撒いて、ポケモンセンターに戻ってしまった。