二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アトナシ(ポケモン小説) ② ( No.7 )
- 日時: 2010/01/07 17:15
- 名前: 丸やまん ◆waaRdEmYls (ID: GRPIh4JV)
- 参照: このサイトで男子を見た事がない……(泣)
三話
——せっかく旅立とうと思ったのに、いきなり絶望の淵に立たされた感じだ。
俺はベンチに座り、右手には先ほど撒かれたビラを、左手にはワニノコが入ったモンスターボールを持っている。
「……よし」
ボールのボタンを押した。出てきたワニノコは、相変わらず元気でいる。
もし俺の言う事聞いたら、どんな反応するかな……。
「ワニノコ」
「ワニャ?」
返事を確認すると、俺は口を開く。
「お前はこれから俺と一緒に旅するけど、来るか?」
一瞬'?,の顔をするが、当たり前のように頷いた。
「でもお前は死ぬかもしれない。ポケモンセンターはないし、傷薬だって、手に入るか分からない。常に死と隣り合わせの旅だ。それで着いてきてくれるか?」
「ワ〜ニャ! ワニワニワ〜!」
ニコニコしながらジャンプした。手足をばたつかせるのはお約束。ワニノコは、着いてきてくれるようだ。
でも……。
着いてきてくれるのはいいが、必ずしもワニノコの命の保障は出来ない。勿論全力で守るが、守れないかもしれない。そんな自分が、不安だった。
ワニノコをボールに戻すと、30番道路に向かった。
草むらには、コラッタやキャタピー等、野生のポケモンが沢山いる。
野生のポケモンたちも、怪我をしたらどうなるのだろう、治療してもらえずに、死んでしまうのだろうか。
昨日の事があってから、そんな事ばかり考えてる。
それに普通なら、ここらへんで仲間にするポケモンを捕まえようとするが、どうも無理だ。俺のために犠牲になるなんて可愛そうだ。
——でも、ワニノコ一匹じゃ、チャンピオンにはたどり着けない。
とその時、空から何か降ってきた。丸い体に、眼鏡のような両目、ホーホーだ。でも何かおかしい。
傷だらけだ……。見た感じ、突かれたような傷だ。
どうやらオニスズメの大群に追われてたらしい。再び突かれる。そして、俺の体が動いた。
(助けなきゃ!)
俺は無我夢中で大群に突っ込んでいった。そして、ホーホーを抱えて群れから脱出する。ホーホーの目はうつろうつろだった。走って逃げる俺とワニノコの後ろからは、獲物を狙うように追ってくる。
「ワニノコ、水鉄砲!」
俺は一時停止し、ワニノコに指示を出した。ワニノコも停まり、オニスズメ達に向けて勢いよく水を発射させる。水の勢いに負けたのか、4匹のオニスズメが墜落(?)した。
「もう一発だ! 水鉄砲!」
「ワニャ〜!!」
再び水鉄砲を発射。首を左右に振りながら広範囲に水を放出させ、全てのオニスズメをノックアウトさせた。良かった。ワニノコは無傷だ。
俺はホーホーを抱えたまま、近くの森に避難した。