二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.12 )
- 日時: 2010/01/07 00:13
- 名前: song (ID: p17IpJNR)
「はぁ、はぁ……」
自転車は無残なもんだ。チェーンは切れ、ギアはへし折れ、タイヤのフレームも曲がった。再起不能とはこのことだ。だがそんなことより……——
「大丈夫だった?」
俺は危うかった女の子を気遣い安否を確かめた。
「……はい。えっと、ごめんなさい……ッ! 」
その子はあまりの事の大きさに驚いていた。まぁ、こんだけ大破した自転車を見ればそうなるだろうな。
「あの……自転車、直りませんよね?」
「あぁ、もう二度と元には戻らないだろうな」
そっけなく俺は答えた。さて、どうしたものか……
「ほ、本当にすみませんでした! あの、北高の人ですよね? 」
「ん? あぁ」
よく見れば、女の子のコートに隠れた制服は同じ北高の物だった。
「もういいよ……やっちまったモンはしょうがない」
俺は涙眼なって何度も謝る女の子が返って可哀相に思えてならなかった。
その容姿は平均的な女子よりやや低めの身長、腰の辺りまである長い茶褐色のポニーテール、そして大きなどんぐり眼。なかなか整った可愛らしい顔立ちをしている。
……どこかで見たカンジだ。どこだったか——?
「お前、昨日学校の坂にいた……」
思い出した。ベンチの側で寒空に佇んでいた女の子だ。ところが——
「え?」
俺が変な質問の聞き方したもんだから、彼女は困惑してしまったみたいだ。
「あ、いや、なんでもない」
「?」
不用意な発言で不審者に見られても困る。
「ここに自転車置いとくわけにもいかんしな……しゃーない一旦引き返すか」
俺はもう原型を留めていない自転車を抱え、家まで戻ることにした。
「あの……私……」
戸惑いを隠さないな、この子は……
「一緒に来るか? 」
どうにもこうにも、何かしないといけない責務のようなものでも感じているのだろうか?
不注意は俺のほうだし、さしも気にしてはいないんだが。
「……あ、はい!」
まぁ、それでこの子の気分が晴れるなら……
——っていうか、こんなことしてるから変人好きとか思われるんだよな……俺は