二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.21 )
日時: 2010/01/07 00:58
名前: song (ID: p17IpJNR)

 午後10時……キョン帰宅。

「ただいまー」
 誰がどう見ても、俺は疲れたのだと見えるだろう。実際疲れたのだから。
「おかえりなさい。テレビ観たわよ」
 すると、ひよりがひょいとリビングから現れて、にこやかに出迎えてくれた。
「テ、テレビって? 」
「うん。ハルヒさんでしょ? 一緒に大騒ぎしてたわね」
 またもひよりはクスッと笑う。
「あんまり他言しないでくれよ? 特に妹や母さんには……」
「残念……もうみんな知ってるわよ? 」
 何と言うことだ。俺達はあのテレビが生放送であったにも関らず、全国区・ゴールデンタイムの視聴率ボンボン番組に乱入していたのだ。明日は終業式だというのに、これではクラスメイトに顔向けが利かん。
「ご愁傷さま」
 他人事のようにひよりは茶化した。
「あら、おさえりなさい」
 と、今度は母さんも登場だ。
「寒かったでしょ? コーヒー飲む? 」
 優しい言葉だが、母さんの顔も半笑い状態でちっともありがたみが無かった。
「いいよ。疲れたから、もう寝る」
 俺はそう言うと、階段を上り始める。すると……——

「あーちょっと待って」
「何? 」
「ひよりちゃんの部屋なんだけどさ、まだ片付いてなくて……悪いんだけど、大掃除まで、同じ部屋で寝てくれるかい? 」
 ちょ、ちょっと待ってぇ! 何か? 今ハルヒと図らずもデート状態で帰ってきたにも関らず、同じ部屋で他の女の子と寝ろってか! 
「おいおい、母さん。俺の今の状況くらいわかるだろ」
「でもねぇ、他に寝れそうな床なんて無いしねぇ」
 そう言えばそうだが……ウチは外観ほど実は広くない。部屋は上下合わせて俺の部屋、父さんの書斎、両親・妹の寝室、洗濯場そして物置状態の開かずの間の五室。ひよりをリビングの冷たいソファーで寝かせるのも難だ。
「分かったよ……せいぜいハルヒにバレないようにしないとな。アイツは俺の説明なんか聞きゃしねぇし」
「ご、ごめんなさい」
 おっと、ひよりの前で言うことではなかったな。返って気を使わせてしまうところだ。
「いや、ひよりは謝る必要ないさ」
 そっと、俺はひよりの肩をたたき、階段を上っていった。

「はーっ、こんなに疲れたのは初めてだ……」
 俺は布団に入るや否やすぐに睡魔を受け入れる。ただ、今日のことを少しだけ振り返って……——