二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.31 )
日時: 2010/01/07 01:51
名前: song (ID: p17IpJNR)

「気にすんな。ハルヒの言うこと一々聞いてたら切がないからな」
 キョンは呆れた風に走ってゆく涼宮さんを見つめながら言う。
「うん……ありがとう」
 その様子がいかにキョンと涼宮さんの親さを私に物語った。
「……まだ、心の整理とやらはつかねぇか? 」
「え? 」
 唐突な質問に私は戸惑う。
「俺はひよりのコトをほとんど知らないし、ひよりも俺のコトをほとんど知らない……だろ? 」
「そうだね……——分かった。聞かせて? キョンのコト……私もいっぱい話すから」
 嬉々と語ることの時を私は幸福な時間と捉えた。キョンはどう思っているんだろう。
「よし」
 と、キョンが意気込んだその時……——

「あれ? キョン君、こんなところでどうしたんですか? 」

 小柄な女の子がキョンに話しかけた。しかも、けっこう可愛い。
「あぁ、朝比奈さん」
 一瞬、キョンの顔が緩んだように見えたのが気に障って、私は思わず言葉を挟んだ。
「キョン……この人は? 」
 と、私がかいつまんだのが聞こえたのか……
「二年の朝比奈みくるです」
 愛想よく挨拶をしてくる。
「い、一年の島尾日和です……どうも」
 一応、私も名乗るのは名乗ったが、変な空気えお漂わせてしまった。
「同じクラスに転校してきたんですけど、途端にハルヒに目をつけられて……」
 弁解するようにキョンは朝比奈先輩に説明する。
「涼宮さんらしいですねぇ」
「朝比奈さんこそ、どうしたんですか? 」
 キョンは先輩に聞き返した。
「えぇ、鶴屋さんが補修で居残りになちゃったので、付き合っていたら遅くなっちゃいました」
 変に愛くるしい面持ちで先輩は答えてるけど、特に悪い感じのする人じゃない。
「鶴屋さんって、結構成績……」
「はい。去年もダブりかけてましたね」
 
 こういう具合に、悠々と可愛らしい女の子らと言葉を交わすキョンの姿にどうも私は釈然としない。それでも、少しずつキョンのことが分かり始めた気がしている。
 意識するつもりはないのに、私は涼宮さんや朝比奈先輩に何となくヤキモチを妬いている……のだろうか?