二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.50 )
日時: 2010/04/29 17:31
名前: song (ID: vQ7cfuks)

「……ううん。これは私の個人的なオンナの勘ってやつかな。団にはあんまり関係ないかな」
 その言葉がS○S団室内で響きわたったのを俺はそのドア越しに耳にした。
 ……どういう状況なのか、俺にはわからんが、ひよりの紹介は早いところ済ませた方がいいだろう。
 俺は安易にそう思い、ドアをノックする。
「はーい」
 容器なハルヒの声がしっかり聞こえた。
 俺はドアをおそるおそる開き、部屋に入る。
「あら! 来たわね! 」
 すぐさま満面の笑みのハルヒ。
「早速だが、紹介から……」
 あてがうハルヒの気を悪くする前に俺はひよりの紹介を速めた。
「……島尾日和です。突然ですが、今日からお世話になります。よろしくお願いします」
 億劫なひよりをよそに、俺はこう思った。
 ここ数日でひよりの自己紹介を何回聞いただろうか?
 そんなくだらないことを考えつつ、俺はひよりを室内に引き入れた。
「待ってたわ! ひよりん!」
 すると、ハルヒは馴れ馴れしくひよりに肩車を背負わせ、いつしか出たあだ名で彼女を呼ぶ。
「ひ、ひよりん……?」
 動揺しきりのひより。まぁ当然だろう。
「それじゃあ、改めて! 私は涼宮ハルヒ! S〇S団の団長! そして——」
 ハルヒは腕を他の三人に向けた。
「僕は古泉一樹です。一応、副団長です」
 相変わらずの笑みを浮かべて古泉も名乗る。
「私は朝比奈みくるです。さっきは突然会話に参入してごめんなさいね」
 ふと、謝る朝比奈さん。そこまでの唐突な参入だったかと、一瞬俺は不思議に思ったが、今はどうでもよかった。そして——
「長門有希」
 コイツはこいつで簡潔にしか言葉を発しない。まぁ、いつもマイペースな長門のこと、一々ツッコミを入れていたら切りがない。
「んで、末席の雑用ことキョン!」
「おいッ! 今の前置き絶対いらんだろ!」
 ハルヒからの俺の紹介も相変わらずなモノだ。
 その様子にクスッとほほ笑むひよりに俺は少し救われた。
「これからは放課後、毎日ここに来なさい! S〇S団の活動の素晴らしさをイチから叩き込んであげる! 」
 何やら物騒な発言にも聞こえるが、明日からは『冬休み』だハルヒ。
「は、はい」
 やけに意気込むひよりもそうだが、俺の保身の変化は全く変わりそうにもない。
 そんなこんなで、ひよりをS〇S団に迎え入れたことで、俺達の冬休みは始まった。
 この時はまだ、あんなことになるとは、思ってもみなかった。だって、そうだろ? 
 こんなにも笑顔が輝いたひよりやハルヒの顔をみていられているのだから……