二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 涼宮ハルヒの嫉妬 ( No.56 )
日時: 2010/05/19 20:53
名前: song (ID: vQ7cfuks)

「この封筒をこの部屋のドアに張り付けたのは、島尾日和。その人」
 長門の冷静な言葉に俺は一瞬、会話を躊躇した。
「……何を言って」
 そう言いながらも、俺には長門の言葉の意味はちゃんと理解できている。
「あなたにも何か心当たりがあるはず」
 動揺する俺に長門は追言した。
 今思えば、ひよりには不可解なことが多い。
 封筒に関しては、俺(と谷口)が初めてひよりを見かけたあの日、封筒はS〇S団のドアに張り付けられた。
 そして、まるで何かの悪戯であるかのように、俺とハルヒは喧嘩し、そして今まで以上の関係を築いた。
 ここまではまぁ偶然で通る。しかし——
「俺が初めてひよりを見たのは、封筒がドアに張り付けられていた日だ。直接話したのは、次の日の朝……危うく自転車をぶつけそうになったな」
 俺はコトの顛末を振り返ってメンバーに簡略化して伝えた。
「それですね。おそらく、彼女はあなたと本当に事故を起こす気だったのでしょう」
 古泉は机の冷えたお茶をすすり言う。
「何だと……?自分から突っ込んだって言うのか?」
 俺は半ば憤慨して古泉に叫んだ。
「彼女の封筒の中身の言葉を忘れたんですか?」
 古泉はさらにお茶をすする。

『これから起こることに関して、あなたは一切傍観者の立場でいないで欲しい。これは警告』

 俺は再び封筒を開封して読んだ。
 今なら、この文章の意味が手に取るようにわかる。
「そうだな……」
 力なく俺はうつむき答えた。
「問題なのは、彼女の目的ですが……」
 古泉は言葉を濁す。
「……目的?」
 俺は古泉の様子を見ながら、繰り返す。
「はい。あなたの聞いている島尾さんの略歴を教えていただけませんか? 僕の予想が正しいなら、あなたは何らかの事情を聴いてるはず」
 まぁ、実際聞いてはいるが、今の今までの長門や古泉の会話から、ひよりの言っていたことが信憑性に欠ける感覚を俺は覚えた。
「……わかった。話そう」
 俺はしぶしぶ、ひよりが俺に話した家族惨殺の県から今にいたるまでを皆に聴かせた。

「…………」

 俺が話を終えたその瞬間は、なんとも言えない沈黙が漂う。