二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ひぐらしのなく頃に 咲 ( No.2 )
日時: 2010/01/07 13:00
名前: もっこす (ID: .CNDwTgw)

【♯1】
  
 
暗い。
 
ココはどこだろう・・・
 

 
 
「梨花・・・、起きてくださいなのです。」
 
 
遠くから羽入の声がする。
 
 
「また・・・ 昭和58年6月を越えられませんでした・・・」
 
 
 
 
・・・またなのね。
 
もう、雛見沢症候群と鷹野の企みがある限り
越えられない壁なのかしら・・・
  
 

 
「いいえ そんな事はありませんです!
 きっと!きっと次の世界では——「梨花ぁ!」
  
 
 

 
 
「梨花ぁ、早く起きて下さいまし?
 お弁当のウインナー私の所に全部詰めてしまいます
 ですわよーっ」
 
  
 
「それはいやなのです。
 沙都子が太ってしまうのです、にぱー☆」
 
 
 
ああ、また昭和58年6月が始まってしまったのか・・・
 
 
「—羽入——?いるの?羽入—?」
 
 
『はいなのです。梨花。
 どうしましたですか??』
 
 
「今日は何日?祝日では無いようね」
 
 
突然、羽入の顔が暗くなる。
 
 
 
 
 
 
 
『 もう、お祭の一週間前なのです・・・』
 
 
 
 
は? もう、一週間前・・・?
嘘でしょ・・・?
 
何で・・・ 
 
 
『あぅあぅ・・・ ゴメンなさいなのです梨花・・・
 
 僕も長年無理をしてきてしまいました。
 だんだん死に戻り出来る時間が短くなってるのは
 分かっていました・・・でも、ここまでとは・・・』
 
 
 
その時、羽入の後ろの壁で目覚まし時計が叩き割れた。
 
どうやら梨花が投げたようだった。
 
 
 
 
「いい加減な事言わないでよ!!!
 
 あとッ・・・一週間で!この世界を乗り越える
 策が浮ぶとでも!?
  
 またこの世界、きっとすぐ終わって——」
 
 
へたりと布団の上に座りこむ。
 
 
『ぁぅぁぅ・・・梨花ぁ
 僕には実体が無いのですよ?
 
 投げても通るだけです・・・』
 
 
 
羽入も座り込む。
 
羽入の座っている下には壊れた目覚まし時計が
無残にもバラバラになっていた。
 
 
 
「どうしたんですの・・・ あっ!
 目覚まし時計が・・・」
 
 
「・・・ごめんなさいなのです。
 そこの棚から落としてしまって・・・」
 
  
 

 
「はぁ〜・・・ 
 
 最近梨花変ですわよ?
 さっきだって怒鳴ってたし・・・」
 
 
「ゴメンなさいなのです☆
 立ちながら寝ぼけていたのですよ。
 
 にぱ〜☆」
 
 
 
 
「もう!仕方ないですわねぇ・・・
 時計は帰りに買うとして、遅刻ですわよ!」
 
 
「みーっ」
 
 
 
 
私達が家を出てく時、羽入は黙って玄関で
立ち尽くしていた。
 
 
(何とか言いなさいよ・・・馬鹿羽入)
 
 
私と目が合うと、焦るように羽入は壁をすり抜けて
どこかへ行ってしまった。
 
 
(逃げたわね・・・)