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９話
　
【ジェネシス＊上】
　
　
　
　
姉さんにはヒロトって言う本当の弟がいたと言うのは
知っていたはずなのに。
　
　
　
　
　
　
「これがヒロトよ」
　
そう言って見せてくれたのは一枚の写真。
　
　
僕と良く似た、髪はワイン色に近い色。
楽しそうにサッカーをする、キラキラとした瞳。　
　
　
　
　
—僕みたいなのに、僕とは違う。
そう思った。
　
　

　　
それからだった。
　
サッカーを始めたのは。
　
　
　
　
　
「あー！もうヒロトそこ違う！
　パスはつま先でするな!!」
　
　
「・・・ヒロト。
　ボールの真ん中を狙うんだ・・・」
　・・・違う、そうじゃない
　
　違うと言っている・・・
　
　
　違うと言っているだろうが!!」
　
　
（クソッ　晴矢と風介の鬼コーチめ・・・）
　
　
　
その時、サッカーを始めてした時には晴矢＆風介の
コーチはもの凄くきつかった。
　
　
　
夜、湯船につかる時は傷が凄い沁みる。
それを我慢していつも練習してた。
　
　
　
いつまでも晴矢達よりは下位だと思ってた。
　
付いていくんだ、そう思ってたのに。
　
　
　
　
　
　
　
「今日からお前は"グラン〟だ。」
　
　
　
　
晴矢は"バーン〟風介は"ガゼル〟と言う、
新しい名前が付いた。
　
　
それと共に、僕達のチーム"ガイア〟は、
"ジェネシス〟へと上がった。
　
　
二人も"ジェネシス〟の座を狙っていたから
僕を恨んでいるのかもしれない。
　
でも、昔の皆はもう残っていない。
　
　
　
　
晴矢とすれ違っても、無視をされる事が多くなった。
　
風介は僕が部屋に入ったらすぐ出て行ってしまう。
　
　
　
　
　
　
「ヒロト、お前なら出来る。」
　
　
そんな僕の気とは知らずに期待をかける父さん。
　
　
　
　
僕は本当の"ヒロト〟じゃないのに—・・・