二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: †光の道†【学園アリス】 ( No.54 )
日時: 2010/08/21 13:13
名前: 卍樹愛 ◆z/nee8jSw. (ID: C4aj9LgA)

*9話—蜜柑side—*





どうしよう、どうしよう。

冷や汗が出てくる。

心臓の鼓動が高くなっている。
もしかしたら蛍にも聞こえているかもしれない。

もう、流石に誤魔化せない。
・・・今までも誤魔化せていなかったけど。


「・・・み、見間違いちゃう?ペルソナなんか来てへんで」


精一杯の嘘。声は完全に震えていた。


「お願い蜜柑、もう嘘はやめて。話して」
「・・・嘘なんかついてへんで・・」
「どうして?蜜柑」


蛍は、もう分かっているように
泣きそうで、悲しい目をした。


・・・・・違うよ蛍。
お願いだから、もう何も言わないで。
蛍を悲しませたくない。

うちの事をわかって・・・蛍 ———。



その時、


「おーい蜜柑、たった今・・・」


珠璃ちゃんが部屋に入ってきた。

珠璃ちゃんは一瞬で状況が
分かったみたいで、ため息をついた。


「・・・・蜜柑、鳴海がよんでたよ。早くいきな」
「え・・・」


珠璃ちゃんを見ると、口パクで「任務」と言った。


「あ、ごめん蛍。ウチ行かな・・・」


その場を逃げるようにして、ベッドから飛び起きた。
制服のままだったので着替える手間は省けた。


急いで蛍の横を通り過ぎようとした時、
蛍がうちの手を掴んだ。

その手は「行くな」と言っているようだった。
でも、うちは小さく「ごめん」と呟いて、
手を振り払って、部屋を出た。







珠璃ちゃんとうちは廊下を走って、
初校長室へ向かった。


「急に任務が入ってね、人手が足りないから
あたし達が行くことになったの」

「・・・珠璃ちゃん、さっきはありがとう」


目からポロポロと涙が溢れる。

腕には、まだ掴まれた感触が残っていた。
うちはその部分が掴みながら、
「ごめん」とさっきよりも少し大きな声で言った。






*9話end*

[2010/08.13]