二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 夢の中の俺はモンスターハンター ( No.10 )
- 日時: 2010/02/08 20:26
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
9話
狂いだす歯車の悲鳴は聞こえるのか
「暮羽、いったぞ!!」
「わかってる!」
—ギャオォウ!—
雌火竜・リオレイアが暮羽に突進する。だが、暮羽は避ける様子もなく
ガンランスを構えている。
暮羽に突進が当たると思った瞬間、リオレイアの動きが止まる。
—ギャ・・ガ・ガ・・—
暮羽のまん前に仕掛けてあったシビレ罠に掛かったのだ。
そして、レイアの動きが完全に止まった瞬間に暮羽が竜撃砲を放つ。
竜撃砲とは、ガンランスが持つ最高威力の大技。
撃つまでに時間が掛かるぶん、当たりにくいし危険も多い技だ。
レイアは竜撃砲を顔面に受けるが、罠のせいで身動きが取れない。
そこに、後ろから竜人が尻尾に斬撃を加えて尻尾を切る。
—ギュワァアア!!—
レイアは尻尾が切れたと同時に罠から抜け出す。
そして逃げるためボロボロの翼で空に飛んだ。
だが、竜人はポーチをゴソゴソしてある物を取り出す。
「逃がさねえよ」
手に持った物を投げると、そこから強烈な光が放たれた。
閃光玉。相手の目を眩ますハンターの補助道具だ。
レイアは閃光玉をくらい、空中でよろけて地面に落下する。
そこに竜人が太刀使いの大技、気刃斬りを叩き込む。
レイアは僅かに声を上げたが、すぐに力をなくしてぐったりとする。
「レイアの狩猟クリアだな」
竜人が満足げに言う。暮羽も嬉しそうに
「うん。お疲れ様、竜人」
「これで素材が揃うか?」
竜人の問いに暮羽は頷き
「うん、これで二人とも一式揃ったね」
「ああ、えらく時間掛かったけどな」
そう言って、自分の武器を仕舞う。竜人の防具はレウスシリーズ。
武器は斬破刀。雷属性の武器だ。
暮羽の防具はこれで揃うが、レイアシリーズ。
今背負っているガンランスは近衛隊正式銃槍。
斬撃、砲撃ともに中々の武器である。
レイアから素材を剥ぎ取った二人は村に帰った。まず迎えたのはテンマだった。
「やぁ、お二人さん」
と軽く挨拶をした後、二人をじっくり見ると微笑した。
「ふふ、まさかこんな短期間でそれほどの防具を身に着けているはな。
畏れ入るな」
「そうかぁ?けっこう時間かかった気がするが」
竜人がそう言うと、テンマは大笑いして。
「ふははは。さすが言う事が違うな。これからも期待しているぞ」
そういうと、テンマはどこかに去っていった。
そのあと二人は、工房に素材を渡して暮羽の脚の装備を作ってもらった。
これで、暮羽は完全にレイアシリーズに身を包む事になった。
「へへっ、どうかな竜人」
暮羽くるっと回転して見せる。竜人は小さなため息をつき微笑しながら
「脚の装備を変えたって大して変化はないだろう。
まあ、でも似合ってるよ」
実際、防具のデザインは画面越しでみるよりも遥かによかった。
男の竜人の装備はまさにモンスターの鎧を被った感じがして格好よく、
女の暮羽の装備は強そうでありながら、洒落たデザインで格好よくもあり
可愛らしかった。
和也がこれを見たらどんな反応をするだろうな。
それを考えると、竜人は思わず吹いてしまった。
「どうしたの?竜人」
いきなり笑った竜人に暮羽が疑問を持つ。
「いや、大変だなぁって思ってな」
「??」
竜人のよくわからない回答に首をかしげる。
「なんでもない、こっちの話しだ」
その後いつもの様に家に帰り、ご飯を食べ、眠りにつく。
そして目覚めれば、また学校に行き、授業を受け、そして下校をし、
また眠りこちらに来る。
このサイクルがずっと続くと思っていた。
しかし、順調に回っていたこの歯車が崩れてきていることにまだ二人は気づいていない。
そして本当に夢のような光景を目にするのはこれからである。