二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 9話更新 ( No.11 )
日時: 2010/02/13 16:54
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

10話
   言いだしっぺがよく負ける今日この頃






〜????〜

「これは・・・一体・・」

計測器のようなものを覗く男が目を見開いて言う。
そこに、多くの者が集まっていく。
皆が驚愕の目を浮かべる中、一人だけ納得した顔で

「やはり、間違いない。その数値が一番でかい地域はどこだ?」

「は・・はい。ここです」

地図を広げて指を指す。男はそれを見ると白衣を脱ぎ捨てる。

「ちょ・・ちょっと!」

「今から俺が直接現地に向かって調べてくる。
機器は後でそっちから送っといてくれ」

男はそういうと、つかつかと部屋を出て行ってしまった。



〜学校〜

「はぁ〜。終わったー」

和也はそういうと、竜人と洸矢を呼んで。

「おい、今からカラオケにいかねえか?」

やけににやにやした顔でいった。

「ああ、いいぜ」

「まぁ、暇だしな」

「じゃあ竜人。暮羽ちゃんも誘おうぜ」

和也は竜人の肩に手を置き、笑顔でいう。

(そうか、それが目的か)

それを見ていた洸矢が思った。


〜カラオケボックス〜

というわけで集まったのはあの男子3人に女子二人。
一人は暮羽でもう一人は友達の亜美(あみ)。
人懐っこく、元気のある女子だ。

「なんだか合コンみたい」

亜美が言う。すると、和也もそれに乗って

「お、いいねその設定。なかなかやるな、亜美」

「へへ。どうも〜」

と、嬉しそうに言う亜美。そんな会話を聞いていた洸矢が竜人に

「和也のあの性格をあんな笑顔で直に受け止められるのは、
世界広しといえど亜美ぐらいだろうな」

その言葉に苦笑しながら

「あいつと付き合っていると飽きなくて好きだが、
あそこまではあいつの調子には合わせられないからな」

「よ〜し、みんな。この中で歌って一番低かった奴は
一番高かった奴のいう事をひとつ聞くな」

和也が言い出したこれが、
結果自分で自分の首を絞めることになるのは、言うまでもないだろう。



「じゃあ、まず俺からな」

一番手は和也だ。威張ってただけあって中々うまい。点数は92点。

「はっは〜。どうだ」

と、自信満々にいう。もう勝った気でいる。

「じゃあ、次俺」

二番手は洸矢。クールな彼が意外と渋い歌を歌った。点数は93点。

「こんなもんか」

と、ちょっと得意げに言う。

「は〜い。じゃあ次はあたしね」

3番手は亜美。見た目通りの元気一杯の歌を歌う。点数は95点。

「へっへ〜。ごめんね、和也」

と笑顔でいう。和也は険しい笑顔でうんうんと頷いた。

「私が歌うね」

4番手は暮羽。見事なエンジェルボイスが響く。点数は98点。

「やったね」

ピースをする暮羽。さて、今のところ暫定ビリの和也の顔から汗がでる。

「最後は俺か」

と、マイクを取る竜人。和也が外せと念を送ってくるが無視する。
そして、マイクを握り締め

「君の顔は曇っていて 今にも雨が降りそうだよ
僕は君の雨傘 さあいつでも準備はいいさ
僕は濡れても構わないだって 君が僕の太陽
それがあれば僕の心はずっと青空さ

一人帰った雨の日 僕は鞄を頭に乗せて走ると
いつの間にか君は僕の横にいて 雨が急に止みだす
二人で帰った雨の日 僕は君と肩を寄せ合い
傘をそっとにぎる 暖かな温もりと一緒に

君は照れながら笑いながら 火照ったその太陽のような顔近づける
火傷寸前の僕の右 だけど離れない離したくない
例えこの身が朽ちて灰になっても 僕は君と永遠に愛する

君の顔は晴れていって 今にも太陽出てきそうだよ
僕は君の隣 さあどこにでも出かけようよ
僕はどこにだって構わないだって 君が僕を愛してる
それがあれば僕の心は永遠にしあわせさ」

全員が押し黙ったまんま喋らない。みんな竜人の歌に聞き惚れていたのだ。
そんなムードをぶっ壊すのが約一名。

「よっしゃあーー!!」

和也が大きくガッツポーズを取る。点数を見るとなんと・・・00点。

「ええ!0点ってそんな事ないでしょ。機械の故障じゃない」

暮羽が言う。だが和也は有頂天な状態で

「さっきまでちゃんとした評価になってたぞ。急に壊れるなんてそんなこと・・・」

するとガチャと音がして、洸矢が

「今係りの人に聞いたんだけど、この機械って3桁目の数字が表示されないやつみたいだよ。
ちなみに、0点なら0は一個しか付かないらしいよ」

「え・・それって」

「そ、つまり竜人は100点満点。まぁあの歌なら分からなくはないけどね」

「うそだーー!!」

和也が怒鳴る。だが、洸矢は落ち着いた口調で

「急に機械が壊れるなんてそんなことはない・・だろ」

「・・・・」

自分の言葉のあげあしをとられ、言い返せなくなってしまった。

「じゃあ、俺が和也にひとつ命令出来るんだったな。
ん〜、それじゃあ和也にはこのカラオケ代を払って貰おうかな」

「「賛成!」」

「うう、もうどうにでもなれだ」