二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 11話更新 ( No.17 )
- 日時: 2010/05/11 18:59
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=10906
12話
吹雪の中に見えるいろいろなもの
『お前たちにやってもらいたい事は3つ。
まず一つ目。そっちの世界の影響だ。なるべく俺たちの世界と関係ある
事柄のほうが良い。わずかな事でもいい、わかったら俺に知らせてくれ』
『・・・ほかの二つは?』
『それは後々教える。今はそれに集中しろ』
〜夢世界〜
刹那に言われたこっちの世界での衝突による影響の調べ。
だが、とりわけ何か変わったところはない。この村だけでは情報不足だ。
二人は村長に話してみることにした。
「なに?最近変わったことはないかじゃと?」
村長は顔を上げる。
「ああ、なんか今までに比べておかしいなってことはないか?」
村長はしばらく考えた後
「わしは知らんがギルドのほうなら何か知っておるかもな。
しかし、なぜそんなことをいきなり?」
村長の問いに二人はどう答えたらいいか迷った。真実を言っても信じてもらえるか分からない。
正直自分たちも半信半疑だ。その時村長は閃いた顔で
「そういえば、この前男が一人妙なことを言っておったな。
雪山で幻を見たって」
「幻って、どんな?」
竜人が問い詰める。村長は落ち着いた口調で
「本人によれば大きな建物だったそうじゃよ。でもその後すぐにそれも消えたっていっとったの。
そのあたりの事を詳しく知りたければテンマの奴に頼むとよかろう」
「テンマさんに?」
「あやつは今は教官をやっておるがあれでも昔はギルドにも顔が効く男じゃった。
奴に頼めばもしかしたら・・・と思っただけじゃよ」
とりあえずテンマに会ってみることにした二人。事情を話すとテンマはうなずき
「ふむ。最近起きている変わったことを調べたいか。確かにギルド本部なら
世界中の事件を総なめにしているだろうな。二人の知りたいこともわかるだろう。
しかし、なぜ私に?」
「テンマは昔ギルドでも顔が効く人物だったって村長がいってたからな」
テンマはしかめっ面で
「ったく村長。嫌なことを思い出させてくれる。
・・・分かったしばらく時間がかかるかもしれんが待っていてくれ」
「ありがとうございます。テンマさん」
テンマはそのままギルドに向かって歩いていった。
「どうする。結構時間かかるみたいだったけど」
暮羽の問いに竜人はん〜と考えた後
「とりあえず雪山で見たっていう幻を見に行ってみるか」
「でも、あるかな?見た人も一瞬だったって話し出し、それにこの時期は
山は吹雪で困難だって前に村長が言ってたよ」
「だからってこのまま何にもしないで待ってるってのもやだしな。
刹那が言ってたことも本当かどうか知らなきゃなんねえしな」
「・・・うん。そうだね。そんじゃあ雪山いってみようか」
〜雪山〜
雪山は村長の言うとおり吹雪で凄かった。荒れ狂う雪で前もほとんど見えない。
「お〜い、暮羽!大丈夫か」
「結構きついかも」
暮羽は息も絶え絶えに後を着いてくる。だがそれもここまで、倒れこんでしまう。
竜人がそれを抱きかかえる。
「おい、大丈夫か!?」
「はぁ、はぁ。ふ・・吹雪ってこわいね」
強がって笑顔ではいるが体力がなくなって衰弱してるのは目に見えていた。
竜人は暮羽を雪のない洞窟のなかに連れて行く。
「ここまで酷いとは思っても見なかったな」
暮羽を座らせ竜人も壁に倒れこむように座る。
「その割には竜人平気そうだけど」
「鍛えてるからな。丈夫なんだ」
ホットドリンクを取り出し暮羽に渡す。それを受け取り飲んだ暮羽が
「そういえば何で竜人はそんなに鍛えてるの?」
竜人の顔をみていった問いに竜人は前を見ながら
「ハンターみたいに強い体を身につけようと思ってな」
竜人の真剣な顔で言った言葉に暮羽がぼかんと口を開ける。そして
「あはははははは!!」
爆笑。竜人は少し照れた感じで
「なに笑ってんだよ。俺は真面目だぜ」
「うん。ごめんね。別におかしかったわけじゃないの。ふふふ」
「可笑しいって思ってるから笑ってんだろ。まったく」
そう言って自分の分のホットドリンクを飲み干す。
「怒んないでよ竜人。ごめん。でも本当に強いよね」
「まぁ、体質柄やけに不良に絡まれることも多いしな。そんなときは役に立つ」
「確かにこの前もあっという間に二人倒しちゃったからね」
「お前はどうなんだ暮羽」
「え?」
竜人は暮羽の顔みていった。暮羽も見る。
「お前も絡まれやすい性質だろ。この前だってお前が始めだったしな」
「ん〜。絡まれることは多かったけど少し話すとすぐに退いてくれたから。
あんな無理やりに引っ張られたのはあの時が初めてだったかも。
あ、そうだ。じゃあさ竜人」
暮羽はその時閃いた顔で
「今度からその強さ、私のためにも使ってよ。この間みたいに」
竜人はあきれた顔で
「いつでもお前が絡まれてるときに俺が側に入れてる保障なんてねえぞ」
「でも最近登下校も一緒に行ってるでしょ。学校に行く道の途中に
竜人家があるしね」
「あれはマジでびびったけどな。まぁべつにいいぜ。俺が側にいる間なら・・・!!」
不意に竜人が吹雪の方に向く。先ほどよりも吹雪も納まっている。
そしてその向こうにぼんやりと何かが見える。
「あれってもしかして」
「いってくる!」
暮羽が言い終わる前に竜人は吹雪の中、走り出す。