二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夢の中の俺はモンスターハンター 19話更新 ( No.36 )
日時: 2010/07/08 15:58
名前: アビス (ID: 4K4kypxE)

20話
   旅は道連れ




「で、その子誰なの?竜人」

あれから3時間後。集会場に来た暮羽を待っていたのは竜人ともう一人。

「あ・・ああ。実は・・・・」

—————3時間前—————

「何で着いてくるんだよ?」

あれから一応別れた竜人だったが、何故か女の子は竜人の後を着いてきていた。
竜人が振り返ると女の子は笑顔を返してくる。そんなやり取りを何回か続けた後竜人が尋ねた。

「何でって、置いてかれるのが嫌だから」

女の子は寂しげに言う。そういえば、さっきも男二人組が離れていくときに、
置いてかれるのは嫌だとか言っていた。

「昔に誰かに置いてかれたのか?」

「・・・ママに。朝起きたらいなかった。それっからずっとママいない」

女の子の目に涙が溜まっていく。竜人が困ったといった感じで頭を掻く。

「俺は別にお前の母さんを探してやってもいいんだが、暮羽がな〜〜」

そう一人で呟くが答えてくれるものは一人もいない。本人に聞いて
見るのが一番早いと思った竜人は女の子の頭に手を置くと

「確証は出来ないがお前の母さん探し、手伝ってやってもいいぞ」

「・・・本当?」

「絶対!・・・とは言い切れないけどな」

そういうと女の子は竜人に抱きついた。

「ありがとう!」

——————————

「・・・て、ことなんだが」

竜人の一覧の流れを聞いた暮羽が困ったようにため息をつく。正直、竜人もつきたいところだった。

「お母さんの事以外、何も覚えてないなんて」

「だけど、嘘を付いてるようには全然みえないんだよな」

うん、と暮羽も同意する。女の子はというと、珍しそうに周りの人や目の前の料理を観察している。

「私も別にいいよ。このままこの子をほっとく事も出来ないし。旅をしてる内にお母さん会えるかもしれないし」

「・・・!!本当か!!?」

女の子が叫ぶ。それに暮羽は笑顔で

「うん、本当」

と、いう。女の子はぴょんぴょん跳ねながら嬉しさを表現する。

「だったらまず、名前を付けてあげないとね」

「名前か・・・なあ、何がいい?」

「何でも良い!!二人の付けたのなら、なんでも嬉しい!」

そう言われても名前はその人の存在を表すようなものだから、適当には選べない。

「・・・スイってのはどうだ?」

「お〜〜〜〜」

竜人が出した名前に女の子は口を大きく開けて言う。

「いいんじゃない?可愛らしくて。ね、スイ」

「スイ、その名前気に入った〜〜」

とりあえずこの女の子の名前はスイと決まった。後はスイの母親の事だが本人も
母親の事は覚えていても、顔は全然覚えていないらしい。
けど、近くに母親がいれば絶対に気づくらしいので、とりあえずそこはパス。

「じゃあ、本題入るか。こっちはいろいろ会ったから情報はなし」

「こっちは少しあったよ。龍使いのハンターじゃないけど、龍を操る事が出来る
部族がいるらしいの。ゲヘナの奥地にね」

龍を操る事が出来る部族。普通なら信じられないところだが、
ガントの存在を知っている二人には夢幻には聞えなかった。

「確かめるにはゲヘナの奥地に行くしかなさそうだけど、あそこはやばそうだしな。
出来れば行かずに龍使いに会いたいんだがな」

「龍に乗ったハンターなら、スイ知ってるよ」

「!!!!」

スイの突然の言葉に二人は驚愕した。

「本当か!?スイ」

「うん、とっても大きい龍に乗ったハンターに会ったことあるよ」

「それどこでだ」

「ん〜〜〜〜、あっちのほう。結構最近会ったよ」

スイの指さす方はゲヘナの奥地から北西の方角だった。地図で見るとそっちの方角には
『龍骨の峡谷』と呼ばれる、ゲヘナの奥地ほどではないにしろ、危険地のため立ち入り禁止のエリアだった。

そこよりさらに進むともうそこは海であり、陸地はまったくない。
そう考えると、龍骨の峡谷に何らかの痕跡はありそうだった。

「じゃあ、まずはゲヘナの奥地にすぐ傍の村によってもっと情報を集めて、
そこから龍骨の峡谷を目指すってことでいいか?」

「うん」

「出発するの?」

スイが体をそわそわさせがら言った。今すぐにでも出発したいのだろうか。

「ま、今日はゆっくりこの村で休んでそれからだな、出発するのは」