二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夢の中の俺はモンスターハンター ( No.6 )
日時: 2010/01/09 12:07
名前: アビス (ID: 7.60N42J)

5話〜本当の狩りはめっちゃ怖い〜




「何をそんなに驚いているんじゃ?」

村長がキョトンとした目で二人を見つめる。
二人はそれを笑って誤魔化した。

「??。まあよい。ほれ」

そういって二人に自分が持っていたカードを渡す。

「これは・・・ギルドカードですか」

暮羽がカードをじっくり見ながら言った。
ギルドカードとは簡単に言ってしまえば、ハンターの証明書・・・かな。

「これを知っているという事は、やはりハンターだったんじゃな」

村長は満足そうに頷くと今度は自分たちに3枚の紙を差し出した

「それでは早速、クエストに行ってもらうかの」

それを受け取る竜人。

「これ・・・全部か?」

「最近溜まってての。まあ、どれも難しいものじゃないからいけるじゃろう」

もう一度紙を見る。『雪山草5本納品』『ガウシカの角3本納品』『ポポノタン3個納品』
確かにどれも簡単だが、3つ一気にってどんだけだよ。
しかも、ポポノタンのはゲーム通りならティガレックスが出るクエストだろ。

「じゃ、頼んだよ」

そう言って、村長は先ほど自分がいた所に戻っていった。
それを、二人は呆然と見送った

「とりあえず・・・行かない?」

「・・・だな」

暮羽の言葉でとりあえず二人は雪山に向かうことにした。


〜雪山〜

「お・・あった。雪山草。ぴったり5本」

「角3本取れたよ〜」

遠くからの声に顔を向ける。そこには暮羽が走ってやってきた。

「草薙、ごくろうさん」

「・・・・・」

暮羽が急にむすっとした顔になる。

(俺なんか変なこといったかな?)

竜人が考えていると

「草薙って呼ぶのやめてくれない」

暮羽がそう言い出した。

「だけどさ、草薙」

「く・れ・は!」

暮羽が一文字ごとにずいずい顔を寄せてくる。

「く・・くれ・・・は」

それに気負いされ名前で呼ぶと、暮羽は満面の笑みを返してくれた。

「じゃあ、お前もこれからは俺のこと君付けなんてすんなよ」

「うん。わかった」

暮羽は竜人に名前で言ってもらったのが嬉しかったのか上機嫌だ。

「残るは、ポポノタンだけだな」

竜人は本題に戻した。すると暮羽も少しだけ笑顔が消え

「ああ、うん。多分いるよね、ティガレックス」

「ま・・おそらくな。けど大丈夫だろ」

「そうだね」

二人は軽い気持ちでそんな事をいったのをその直後に撤回することになる。
ポポノタンをとるために洞窟からでると、そこにはやはりいた。

轟竜・ティガレックス

2人はその姿を初めてリアルに見た。とても画面越しのとはわけが違う。
迫力、威圧感。それらが直に伝わってくる。

すると、ティガレックスは二人の姿に気づき。向きを変えて・・・

—ギャアオオオウウ!!—

バインドボイス。初めて直で聞いた二人は体の筋肉が収縮してしまい
動けなくなってしまった。絶対的な恐怖。死と生の瀬戸際。
これが、本当の狩り

二人は重く痛感した。だが、そんなことを味わっている間にも
ティガレックスは容赦なく迫ってきていた。

しかし二人は動けなかった。足がすくんで動けない。でも怖いとは感じなかった。
いや、怖いと感じすぎて逆に何も感じなくなってしまっているのだ。
間近まで迫ったそのとき

—カッ!!—

後ろからの激しい発光によってティガレックス後退る。

「もしやと思って来てみれば、案の定か・・・」

声の主はテンマだった。テンマは二人の腕を取ると洞窟の中に連れ込んだ。


「大丈夫か二人とも。まったく村長も無理を押し付ける」

二人はずっと激しい息遣いでいる。しばらくして落ち着いてきたのか

「テンマさん。ありがとうございます」

暮羽がお礼を言う。しかし竜人はずっと下を見たまま何も言わない。

「大丈夫か。リュウト」

「ハンターの仕事は本当はこんなにも怖いんだな」

竜人がつぶやいた。そのあと薄く笑って

「ティガレックスを目の前にした時は死ぬほど怖かったのに、
なんでかな、今は興奮して胸のドキドキがとまらない」

そういって、自分の胸に手をやる。鎧の上からでもはっきりとその鼓動を感じ取れた。

「今は無理かもしれないけど、いつか絶対ティガレックスを倒してやる。
だろ、暮羽」

その言葉に暮羽も笑顔で

「さすが竜人だね。そうこなくっちゃ。頑張ろう、二人で」