二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夢の中の俺はモンスターハンター ( No.8 )
日時: 2010/02/08 20:26
名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)

7話
  変わり者の子の親はやっぱり変わり者





「んん、ふぁ〜あ」

竜人がベットから起き上がる。今は夢の世界。
竜人はもう一つのベットの方を見た。

(そっか、今俺こっちでは暮羽と同居してるんだった)

だがそのベットに暮羽の姿はない。変わりに奥のほうから
香ばしい匂いが漂ってきている。

竜人はベットから降りると、匂いのするほうに赴いた。

「あ、竜人。おはよう」

暮羽がエプロン姿で言った。台所には美味しそうな料理が作られている。

「もうちょっと待ってて。すぐ出来るから」

それから、十分後。テーブルに料理が並べられた。

「「いただきます」」

手を合わせ言う。竜人は料理の内の一つを手に取り食べる。

「どう?」

暮羽は少し不安そうに言った。竜人はうなずくと

「うん。うまいうまい」

「よかった〜」

笑顔でそう言うと自分も料理を食べていく。

「料理上手いな。いつも作ってるのか?」

「うん。私、お母さんがいないから。家事は得意だよ」

と普通に話すが、お母さんがいないってことはどういう理由があっても
悲しいことだ。それを何でもないかのように話す。

「へ〜。俺と同じだな。俺は父さんがいない」

そういうと暮羽は箸を止めて

「そうなんだ。じゃあお母さんは大変だね。仕事と家事を両立させなきゃならないから」

その言葉に竜人は言葉を詰まらせる感じで

「いや〜・・・仕事はやってないんだよ」

「え?」

暮羽はきょとんとした顔で言った。当然である。仕事をしていなければ
当然お金は入らない。それなのにどうやって自分と子を養っているのか。

それにはちゃんとした理由がある。だが、それを人に話したことはない。
決して、危ない事をしているわけではないが、気が引ける。
一生懸命働いている皆さんに大変失礼な気もする。

だが、話そう。竜人の親の名は霧崎綾(キリザキ アヤ)。年齢は33、
つまり16の時に竜人を生んだことになる。だが、見た目は二十歳前後に見えるので、
竜人と一緒に出かけると姉弟と思われる。

それで、彼女が働かない理由は実に簡単、働く必要がないから。
彼女にはモンハンで言えばあるスキルがある。その名も『神の愛娘』
竜人が昔読んだ本と、彼女のスキルが一致したためそう呼んでいる。

効果は非常にシンプル。運が強い。だが、シンプルゆえに最強と言うのか、
竜人が生まれてから宝くじで億相当の金額をすでに4回中4回当てている。

それだけではない。応募した商品は1名だろうと必ず当てる。
賭け事では負けなし、とまあ言い出したらきりがないのでここからでやめておこう。

そんなこんなで、働かなくても十分に資金源はあるんで働いていないというわけです。
ちなみに、父とは離婚ではなく竜人が生まれる直前に事故死。


それを暮羽に話したわけだが、さすがに少し引いている。

「す・・すごいね。竜人のお母さん」

そうは言うが実際は凄過ぎて何が凄いのかもわからない。
そんな風に楽しく喋りながら美味しい料理を食べていく。


「ごちそうさま」

「はい、お粗末様でした」

2人は後片付けを済ませた後、家を出て村長の所にクエストをもらいに行った。

「おお、お二人さん。昨夜はぐっすり眠れましたかな」

と、村長が意地悪そうに笑う。この人が主犯か・・・

「残念ながら、村長が望んでいるような事は何も起きていないぞ」

「そりゃあ、残念」

自分の差し金じゃないと隠す気はないようだな、この人。

「ところで、クエストを請けたいんですけど」

暮羽が本題に入る。だが

「ん〜。本当の事を話してくれたら請けさせてやってもよいぞ」

村長はまだからかった口調でその話題を引き伸ばす。

「はぁ〜」

竜人がいい加減にしてほしいと言わんばかりにため息をつく。

「冗談じゃ。今日は何のクエストを請けたいんじゃ?」

やっと本題に入ってくれた。

「ランボス討伐なんてどう?」

暮羽が一枚の紙を見ていう。竜人もうなずき

「決定だな」