二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: BLEACH 刹那の時間【時】 コメ求むです!!! ( No.13 )
- 日時: 2010/06/26 09:54
- 名前: 風 (ID: 3WEStcxt)
- 参照:
志筑へ
いや…それは君の思い込みだと思いますよ?
私だって私の作品は下手だと思ってますし…多分,自分には厳しい目を向けちゃうんですよ^^
惚れても良いですが(汗
BLEACH 刹那の時間【月】 第十五話「新旧六番隊隊長格大激突 Part1」
(滝口聖一郎視点)
血と悲しみの香り漂う現世の一角___私達は地獄を見てきた。
地獄だ……得る物は何も無く失った物ばかりが鮮明に浮ぶ。
滝口「俺は………」
影崎「兄貴?」
滝口「......何でも無い」
影崎「___そう」
悲しそうな顔をしていたのだろうなあからさまに…
気付いた影崎に心配され私は耐え忍ぶ様に言った。
影崎はもっと声を掛けたそうでは有ったが掛ける言葉が今の状況では見え当らないのだろう。
唯,心配そうに俺を見て去って行った。
数十分後,虚と化した同志達は皆排除され死んだ仲間達の死骸は消え去っていた。
それでも残された者の痛みは消える筈も無く多くの仲間達の苦しみの声と絶望が闊歩していた。
俺も…俺も苦しくて悲しくて胸が張り裂けそうだった…
滝口「レオン………何でだ?」
影崎「兄貴…」
ガシッ…霧崎「今,俺たちが何て言ったってアイツには届かねぇよ」
僅かに友立ちの声が聞こえた。
影崎は俺が心配で声を掛けようとするが純星の奴が止めてくれた。
今は弟と親しんだお前の声さえ嘆かわしく感じそうだ。
1人にさせてくれ……大切な女を失った___護ろうとする事もせずに失った惨めな男だ。
見るな…
見ないでくれと願っても人の目には入る。
まさか…俺が___
___俺が人の死で是ほど苦しむとは———
_______________________
(佐伯マリア視点)
レオンを失った日の夜,私は父の部屋に居た。
鬱々として苦しかった学校生活の思いの発露を父にぶつける気でいた…
父はゲホゲホと苦しそうに咳払いして私を見つめ言葉を選ぶように言った。
竜二郎「先刻の…演習,酷かったって聞いた。
体験者のお前からしたら酷かったなんて言葉も陳腐なんだろう……
だが,俺はお前が生きていた事を素直に喜んでいる。家族のように愛した親友が消えた事は……」
歯を食い縛りながら父は本当に悔しそうに途中で言葉を詰らせて言う。
竜二郎「悪い事ではなかった」
ガタン…マリア「何ですって!?友を…娘が友を失ったのに何で…」
私は若気の至りでカッとなり最後まで聞きもせずに父の胸元を掴み上げていた。
昔はこんな事は無かったのだけれど…あぁ,私は彼女たちと出会い変わったのだと思った。
竜二郎「仲間の為に全力で怒れる…仲間の為に全力で戦える…お前は成長したな」
父は嬉しそうに笑いながら言った。
私は何だか胸が痛くなった…父はワザと私を試す様に言ったのだ。
私の友への思いの深さ敵への恨みの強さを理解して…
竜二郎「仲間の無念を晴らす為に強くなれ……命の尊さを学べた事は本当に良かった」
ゴホゴホッ…佐伯「父上!?」
スッ…竜二郎「心配するな……はぁ,白哉はさ…例え結婚とかしてもお前を縛る事は無いから…
だから,俺はお前をアイツに結婚させたいん…だ。俺の我侭だけど……
結構,考えた末の我侭だぜ?だって,お前は活発で縛られる事を嫌うから…其れを抑えない奴って」
佐伯「父様……有難う御座います。慰めになりました」
その瞬間大粒の涙が私の頬を伝った気がした。
それは勘違いじゃなくて本当で仄かに冷たく長く線を引いて………
ザエルアポロ・グランツ,奴の姿を鏡のように写す。
レオン…貴方の仇ハ討ツ!!
そう,誓っタ___
父は最近,喋るのにも体力が要る様で私を元気付ける言葉を言うだけでも疲れる様だった…
だから,私は父を是以上喋らせたり疲れるような事はしてはいけないと…
部屋を後にした。
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(佐伯竜二郎視点)
長クテ1ヵ月デすな………
お抱えの医者に言われた期限だ___アイツは俺が選んだ優秀な医者だ。
死の時間宣告を違える筈もねぇ…一ヶ月の間にアイツの晴れ舞台を見たい。
プハァ…竜二郎「碌でもねぇ親父だ」
グビッ…竜二郎「死期が近付くと前までは下らねぇと割り切ってた物も鮮明になる物だな」
ふと過去を思い出す。
俺が六番隊隊長として勇名を轟かせていた頃の,朽木白哉を副官にして連れていた時の————
もう一度アイツと遣り合ったらどっちが勝つかな?なんて思いながら物思いに耽る。
晩酌と煙草を1人寂しく抱えながら———
————————回想へ________
______50年近く前の話ダ——————
俺の後番の白哉の野郎が俺の副官,詰り六番隊副隊長を遣っていて…
アイツが緋真って女と恋に落ち心身ともに充実していた頃だ。俺が六番隊の隊長をしてたのはよ…
副官のアイツは大真面目で冷静で何時も何時も爺かって位朝が早かったな。
緋真も良くあの身勝手な野郎に……いや,自重するか。白哉に聞かれてたら殺される。
ガラガラ…白哉「遅いぞ,もう九時ではないか?」
竜二郎「お前馬鹿か…まだ九時だろ?まだ九時!?」
心底鬱陶しそうな顔で何時もアイツの真面目気取った仏頂面を受け流していたっけ。
そんな俺だが正直,奴の真面目さと頑健な意思は憧れた。
俺なんかみたいな不真面目な夫を持つより緋真もずっと幸せだろうな…とか実は思った。
カチャカチャカチャカチャ…白哉「兄は少しは落ち着いて仕事はできないのか?」
「このカチャカチャって音良くね?」
「鬱陶しいだけだ」
「つまんねぇ奴」
溜息混じりに俺は言う。
俺は字書く時…僕液付ける時に筆を思い切り回して音を立てる癖が有る。
僕液入れと筆の奏でる音が何故か好きだった。周囲の連中は誰も分ってくれなかったがね。
そんなこんなで真面目な白哉と不真面目な俺様で結構旨く行っていた。
今の白哉と白銀の奴の関係を見ても結構六番隊のジンクスなんじゃねぇかと思うぜ?
そんな何時もの日常に時々何時もと違うスパイスを加えるんだ。
俺の上級貴族としての関係の深さと体調権限を使って直々,白哉の家にお暇するのさ。
白哉の野郎は無論,愛しの女房の緋真との付き合いが出来なくなると反対はしたがな。
緋真の奴は大喜びだった___俺の事を「叔父様」と呼んで慕ってくれた物だ。
決まって俺と白哉は夜桜の見える池に囲まれた小さな部屋で酒を飲み交わす。
緋真に俺に白哉…正直,3人で居るのに丁度良い広さの空間だった。
時々,トイレやお茶の用意に行く時に俺は有る話を持ちかける。
緋真「では,白哉様…私はお茶を汲みに」
白哉「あぁ」スッ
タンと小さく音を立てて襖が閉まる。
その瞬間だ。
竜二郎「お前,緋真ちゃんに過保護すぎないか?」
白哉「私は護ると言った」
ボリボリ…竜二郎「彼女は時間が無いんだろう……そして,お前と多くの世界を見ることを望んでた」
白哉「………」
俺は白哉との関係柄良く緋真ちゃんとも話したが不満が有るなら…
___不満ガアるナら
白哉様は優シすギて過保護ダ___と言った。
無論,そんな緋真の声は奴も知っていた。
不器用なアイツは死ぬ刻限が迫っているあいつの意思と昔の契りのどちらを優先するか迷ってた。
俺ならアイツに思う存分遣りたい事遣らせて嬉しそうに眠って貰いたい物だが…
白哉は結局緋真を過保護にして何処にも連れては行かず緋真の安泰と延命を望んだ。
<分っチャ居タさ>
<アイツは不器用ダ>_____
最初の言葉を優先するってな。
緋真の葬式の時,アイツに満足だったかと問うと何も言わずに去って行った………
深い悲しみと絶望に溢れた瞳で去り際に言ったんだ。
『モシ…モシも緋真の不治ノ病が治ったラ行きタカっタ場所があル』
アイツなりに愛した人の体を労わった結果の行動だった。
無理な事は無理と切り捨て1つを取る。綺麗で冷酷に見えるあいつの出来ない事だ。
何故って?あいつは本当は誰よりも情に厚くて優しい奴だって事さ。
白哉「緋真…緋真_____________!!!」ドッ
竜二郎「馬鹿野郎」
遺影を抱えて号泣する姿を今でも時々思い出す。
そんな1人の女を愛し今尚,その女との約束の為に妹のルキアを護り奔走する男。
そいつに俺は娘を託そうとしている。
無粋で人の心を考えない行為だとは分っている。
だが……俺がアイツに幸せを与えられる奴は奴だけしか居ないと思っている。
そして,悲しみの海に居るあいつを救える存在は傲慢ながら俺の娘しか居ないと思っている。
____ダカラ〜〜〜
ゴトン___お猪口が無造作に卸される音が響く。
過去を見遣り満月を見上げる夜も終わりだ。
俺は身勝手でいやな人間だ。そう呪詛を掛ける…身勝手で独り善がりで傲慢な最後の戦いだ。
其れが,明日広げられる____
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
此処は虚圏________
(藍染惣右介視点)
護廷十三隊の次代を牽引する霊術院の新たなる一回生たちの初の演習…
其れを「狂人薬」と言う恐ろしい研究による産物で阿鼻叫喚の地獄絵図と変えた人物が私の前に居る。
僕の部下,下エスパーダを張ったことも有る頭脳派にして実力派の男ザエルアポロだ。
彼は更なる実力者であるスタークに両手の手首を握られながら連行されていた。
まるで神に身を捧げる小娘の様な絶望感の漂う上々で僕を見上げる。
瞳孔が僅かに開き発汗が著しい。そうか___其れほどまでに恐怖しているか…仕方ない子だ。
藍染「今回の件,私は君を些かも咎めはしないよ」
ピクッ…スターク「咎めるべきでは?また何時暴走する屋も」
東仙「同意見です…我等にとって余り損の有る事でも有りませんでしたが…過ぎた行動は慎むべきと」
どうやら私の腹心である要は厳しい意見だ。
其れもそのはず,この男はそれなりに融通は利くが大真面目で事規則に付いてとなると頑固だ。
藍染「良いよ…要。彼も反省している様だし…彼にとっては私との対面自体が拷問のようだ」
東仙「………その様ですね」
ザエルアポロ「今回の出すぎた行為!!重々反省しております!!どうか,お許し下さい!!二度と…」
藍染「もう,良いよ…君と言う戦力が帰ってきてくれただけで私は嬉しい」
ザエルアポロ「藍染様!」
ニタァ…藍染「是からも我々のため実験頼むよ…自らの欲望のためにもね」
ザエルアポロ「はっ」
私は彼の事など全て見透かしている。
他人のため他人のためと言うのが仲間内での口癖であるこの男は本当は唯の独占欲の塊だ。
まぁ,私もそうだけどね?然し,正直な話彼は隠すのが下手だ。
彼はその本位を隠しきれず多くの仲間たちに疑念を与えている。
無論,私も出来すぎるが故の恨みや欲望を見透かせる賢い者達から反感を買っているが…
目の前の男はすべての仲間から敬遠されているからね…少し違う。
去り小さくなっていく桃色の頭髪の男を見送りながら私は考えていた。
_________
(ノイトラ・ジルガ視点)
ノイトラ「よぉ」
ザエルアポロ「やぁ…」
俺様はずっとピンク頭の野郎の到着を待っていた。
おれとこいつは同期の桜…一応そうだよな?って奴で良くつるんでた。
気に喰わない奴だが頭が良くて下衆で役に立つ奴だった。
だからちょいと利用しようと話をつける為に待ってた。
ザエルアポロを連行していたスタークの奴は俺を無視してどっかに行った。
ザエルアポロ「何の用だい?」
ノイトラ「ネリエル…奴が気にくわねぇ……俺と手を組んで虚夜宮から追い出すってのはどうだ?」
ザエルアポロ「見返りは?」
ノイトラ「今の俺の地位をくれてやる」
ニタァ…ザエルアポロ「了解だよ…今の地位では出来る事も出来ない♪」
そう,奴は言って快く受け容れた。
予想通りだ。奴は今,少しでも権力の有る立場に行きたいんだ。
理由は単純,権力を研究方面で使いたいと思っていたんだろう。
正直,十刃以下は奴隷に等しい。
力により統制された絶対な階級制度…それが俺たちを強くする根源____
奴も地位と言う力を取る事に躊躇いは無かった。
∞END∞
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