二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 刹那の時間【月】 コメ求むです!!!   ( No.21 )
日時: 2010/09/09 12:45
名前: 風 (ID: y5qheDIH)

雷電様

此方こそお久しぶりです^^
応援して下さると言うのは嬉しい事ですよ!!


BLEACH 刹那の時間【月】 第十七話「新旧六番隊隊長格大激突 Part3」

(佐伯マリア視点)


夜____
私は不安に成って目を覚まし眠れないので散歩をしていた。
冷やりと頬を当る風達が気持ち良い。
私の部屋と父の部屋と母の部屋は基本的に離れ離れになっていて
母の部屋と父の部屋の傍の床を通り抜け道なりに進む粗屋敷を一巡できる。

そう設定したのは私の父の遥か先代でそれは恐らくは夜の巡査を簡単に出来るようにするためだろう。
そう,要人の部屋や倉庫など大切な場所を全て同じ廊下で看破できるようにしているのだ。
裏を返せば賊達にも狙われやすいが他にも我が屋敷は多くの他の豪邸にはない仕掛けがあり
未だに蛮族に何かを盗まれたなどと言う事は無い。


誇りだ___
穢れない貴族の歴史としての誇り…周りを見回せば眼福する…
ざわめく木々の涼しげな音,湖面に浮ぶ月の影…贅を尽くした風流じゃないが私は好きだ。


「父上…私はこの家が好きです」


父の部屋の近く…父の最も好きな風景が広がる場所…
夏は蛍が舞い上がりチカチカと命の焔を燃やす場所。
妙な事に父の気配がしない。
父上の気配が無いのだ。
何故だ?
まさか___?


まさか!?


                        マサか,死んデシマっタノカ!?—————


私の脳内に悪い予感が横切り私は一瞬逡巡するも覚悟を決めて勢い良く襖を開く。
すると父上の姿が見当たらない。トイレに行ったとかなら行き会うはずだ。
行き会わないとしても霊圧の残滓を感じれる程度の時間しか離れないだろう。
然し,どういう事だ…全く霊圧を感じない!!
私は茫然自失とした…本当に本当に死んでしまったのか……

「いやっ…やっ!」

ガバァ!

「いけませんぞ…姫君,声を立てては…」

悲鳴を上げようとした瞬間突然後から口に手を当てられ私は声を出せなかった。
手を組まれ動く事も出来ない私。私が悲鳴を上げようとしたことを止めた存在を私は知っている。
だから,私は抵抗をやめた。

「ふむ,賢い判断です」

「宮武…」

私は家臣であり父の病状を最も理解する医者でも有る目の前の老獪に意を決して聞くのだった。

「何ですかな?」
「聞きたい事は分ってるわよね?」
「えぇ,ですが貴女が口に出して言うまでは言う気は有りません」



       ソう,なら言うワ………


                           父上ハ死ンデしまったノ?


                              其れとモ生きて居ルのなラ……



私は目の前の男の存在感・威圧感に押されながらも小さな声で言葉を振り絞って言うのだった。
老人宮武は私の懇願に滅入ったのか頭を抱え言う。

「死んではいません…ただし安心なされよ等と気軽な言葉は言えません」
「どう言う事…父は何処に?」

死んでいないと聞きホッと胸を撫で下ろしたのも束の間,彼は父が死地に向かっている様な物だと教えた。
私は居ても立っても居られなくなり得意の瞬歩で走った。
宮武が本気になれば無論止められたのだろうが宮武自身私に止めて欲しいのだろう…
止めようとはしなかった。

私は走った。
全力疾走した。肺が押し潰れても構わないほどに気持ち良いと思った風が痛い。
壁の様だ。
でも,父が若しかしたら死んでしまうかも知れない…死に目すら見れないかもしれない…
そう思うと苦しさも苦ではなかった………


ザッ…
ガァン!!

「イタッ!!」

全力疾走していた私は突然何かに衝突した。
前方不注意などと言う下らない理由ではない。
目の前に明らかに不可視の壁があるのだ。霊圧すら遮断する結界の様な物。
戦っている舞台はその先だとやうやう理解させる。

恐らくはこの結界を破壊した先で父達は戦っている筈だ。私は思い切り霊圧を爆発させる。
限界ギリギリ魂が擦り切れる直前までの霊圧…一時的にその総量は隊長格と同等になった。



ピシィ…

『もう少しだ』


バキバキ…………

「頼む…持って!私の体!!」



                              ————バリィン!!!


快音を撒き散らして硝子の様に目の前の結界は砕け散った。
時間はそれ程要して居ないが限界直前の力を発したからか私の体は暫く動けそうに無かった。
予想通りだがこんな所でもたついてたくなかった。

ドゴォン
ズドドドォン…


「あの焔は父上の龍迅?」


急がないといけないと思った。
激痛で弛緩する体を無理矢理動かし壁に凭れながら進んだ。
休んでなんてられない…少しでも!
少しでも進むんだ…


======================

(佐伯竜二郎視点)

劫火の中,白哉の奴は平然と立っていた。
目立った外傷はねぇ…変った事といえば貴族様の証が破壊されて無くなってさっぱりしただけだ。
まぁ,幾らなんでも始解の出会い頭の一撃で其処まで喰らうなんて期待はしちゃいないがな…


ドドドドドドドドドドドドド


「散れ千本桜」


カッ…

「そんな玩具が俺に効くかよぉ!!!」


ボッボッボッ…


「焔蓮爆破」


ドドドドドッ!

千本桜は確かに全方位包囲の出来る厄介な攻撃手段では有る。
だが,完璧じゃねぇ…数による霧散による攻撃範囲って事は
それ詰り一つ一つに篭められた霊圧は小せぇって証明!
俺の力の敵じゃねぇ

当然の如く奴の花弁は俺の力の放流に飲み込まれ紙屑の様に消え去った。
だが,当り一面は砂煙が舞う。この期に応じて俺の死角を取る積りだろうが…
1つ言って置いてやる。相手の霊圧を読んで攻撃の起点を見切れない奴なんざ隊長格にいねぇ…
幾らがブランクが有るからと言って其処まで平和ボケしてねぇんだよ!!


スッ!
ガギィン…


「ヨォ…こんばんは」
ボゴォ!!

「ガハァッ!」

俺は奴の姿を霊圧を感じるまでも無く煙に映る薄い影で気付き一撃を止め腹部に回し蹴りを入れる。
白哉の奴は派手に咳込みながら十数m吹飛び近くに有った家々を吹き飛ばす。
霊圧ははっきり有る。恐らく無傷だろう。俺は龍迅の焔を遠慮なく叩きつける。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ズガシャァン!!!


「______縛道の八十三『破涯双璧』」


ドッドッドッドッドッドッドッドッドッド


「ホォ,何時の間にかそんな鬼道まで詠唱破棄できるようになったか」



                          _____《卍解》———————

その焔を咄嗟に白哉の野郎は縛道の上位防御術「破涯双璧」で防ぎ卍解する。
燃え上がる焔の中奴の卍解千本桜風厳が姿を現す。刃の葬列…そう呼ばれる力だ。
濛々と湧き上がる砂煙の中僅かに白哉の所作が見える。
どうらら最初から手動で操作するようだ。手動での千本桜の速度は通常の二倍。少々避け辛い。
だが,避ける気も避ける必要も皆無。

「散れ…舞え!」

グワッ!
ブワアァァァァァ…


「紅蓮大瀑布…」


ズゴアァァァァァァァァァ!

「!!!」

ジュアァ…
ドッ


『くっ!全力で防御せねば』

ズドォン!!


奴は全ての力を一点に億の刃と自負する千本桜を突撃させる。
俺は易々と業火の放流で全てを焼き払い更に攻撃に転じる。
それに対し奴は完全に全ての力を防御に移さねばならない様だった。
その動作は完全なる隙,攻撃の波動が収まるまでは奴は防御に徹さなけりゃならねぇ…
俺は瞬歩で白哉の後へと移動し「双連蒼火墜』をお見舞いする。


                          ——————双連蒼火墜!!!



ドガァン!


「カハァッ!」

ギュアッ!


「グッ!」


ドッツ!!

「くっ…予想外だぜ……吹っ飛びながらも攻撃するとは前のお前からは考えられねぇ」
「何年経ったと思っている……私が隊長になって!」

ギラッ…

「何時の間にか生きた目をするようになったじゃねぇか」

心底思った。
強い意思を持った目をするようになった物だと……
否,前から気は強ぇし誇りも高かったが何かと余裕ぶっていてその慢心が少ない隙に繋がっていた。
それが今のアイツには無くなった気がした。何でだろう…隊長として充実してきた証拠に感じた。
少しだけ俺はコイツに隊長を任せて良かったと思ったし……
もう,コイツの為とか言うのは野暮だとも思った。その隙が付け込まれ俺は連続で攻撃を受ける。



ガァン…

「腹ががら空きだ!」

ズン!

「かハッ!」
「白雷!!」


ズバァ…


『肩が………」
「もう一発!」

カッ…

パアァァン!

『グッ…脇腹を掠った…」

グラァ…

白雷が二つもヒットし流石に病に冒されていた俺の体はグラついた。
血がポタポタと地面に落ちるのが分るが結婚は夜の暗さで目立たない。
ダメージを受けて揺らぐ俺に一編の迷い無く戦士としての振る舞いを見せる白哉。
正直……死の恐怖とか痛みとかより俺に本気で相対してくれている奴の気概に感謝した。


ズバァ…
「ッ…………アアァァァァアあぁぁぁぁぁぁァァァ!!!!」


                                ____飛焔!!!

ボゴォ!!


「グッ!!」

「へっへへへへっ……容赦なし!遣るようになったじゃねぇか。是なら任せられる」



        ————嬉しいゼ



                          だガ,マダ負けル訳にハ行かネぇヨ————



ギラリ



「その体で!?」
「黙れ…最初から無理してんだ……最後の闘いなら!!」



                   ———卍解—————




                             _______龍迅紅鳳凰!!!!



ドッドッドッドッドッドッドッドッドッド


俺は繊景千本桜景厳詰りは通常の柔な花弁を凝縮させ強力な剣とさせた
白哉の卍解第二形態の一撃を肩を袈裟懸けにくらいながらも其れを最後の攻撃だと
意思証明し奴を俺の焔で吹き飛ばす。そして,俺はアイツに賞賛の念を篭めながら最後の意地を魅せる。


焔が燃え上がり鳳凰の姿を作り霊圧が高く高く付き上がって行く。
空が焦げ白哉が熱で一瞬たじろくと同時に焔の全てが俺へと舞い降り熱が消える。
瞬間,俺から焔の翼が生え上がり卍解が姿を現す。
白哉やマリアにゃ俺の卍解はそんな感じに見えるらしい。
焔の翼からもれる熱気が恐ろしく熱い。俺は持主だから平気だが白哉は相当参っているだろう。

「ヨォ……終わりにしようや」

ゴォ…


                          ____大爆塵!!!



当り一面を龍の姿をした紅蓮の爆裂が飲み込む。
白哉の奴は全力で空へと逃れ全ての繊景を俺へと向けて解き放つ。
俺は其れを笑いながら見つめ次の技に映る。焔の翼を羽ばたかせ焔の羽毛を飛ばす。


ドドドドドドドド…

「砕破塵」


カッ…

全ての繊景を燃やし尽くしてもまだ俺の焔が手数を勝り白哉を捉える。
然し,白哉は全力の霊圧を焔に叩きつけ無傷のようだ。
まぁ,体力は相当消耗したようだが…そして,俺は焔の羽で自由に空を飛びまわり白哉の死角を突く。
白哉は咄嗟に反応できず俺は其れを確認すると炎の奔流を竜巻へと変え叩きつける。
白哉の野郎は其れを何とか回避して落下しながら白雷を放つ。


「炎龍奔塵を回避したか」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「白雷」

カッ!

シュカッ!!


俺はその攻撃を回避しようともせず真正面から突進して行く。
白哉は瞠目し硬直する。その瞬間俺と奴の刃が交わりあう。
俺の炎の衝撃音でその音はかき消されるが俺達は着地するまで空中で切り結び…
そして,地面に落ちて尚,斬り合う。俺は炎の小さな渦を爪から流しながら…

白哉の方は余裕なく凌ぐのが限界だった。奴と俺の間には速度・パワーで確実に差がある。
幾ら俺が疲弊しようが病にかかろうがまだまだ埋まらない差だ。
確かに奴は最高の血統書だが……俺とて戦いに秀でた大貴族の出自だしな。



ガァンギァン!

「くっ,このままでは兄に有利な戦場に…」
「もう,なるさ」

ドゴォ!!

「がはぁ」



                         ___大炎戒竜塵乱舞————



       カッ!


                        ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ———

幾本の炎の渦が空を覆う。

俺は俺の卍解の奥義の一つ大炎戒が来る事を察していたのかあせっていた。
まぁ,分るぜ…だがよ,お前の軽い剣を相手にしながらならとうに準備も終ってるのさ。
悪いな…そう,勝利したと安堵した瞬間だった。



グラァ…
『何故だ…何故此処で!?戦いが激しすぎたか?ならとっくに…そうか,大炎戒がいけなかったか!!』



「病が襲ってきたか竜二郎?」
「だったらどうする?」

「手加減はしない…超えさせて貰う。」


スッ!

                                   _____白帝剣!!


全ての白哉の霊圧が一点へと集中していく。
攻撃範囲を手数を捨てて全ての力を一箇所に凝縮した…一対一専用の大技…
俺はそれを迎え撃とうとよろける体を抑えて白哉を見据えるが…その頃には既に奴は懐に居た。


「なっ………」
「是が宿命…戦いとは白黒はっきりせねばならんものだろう…」



ドスゥ…


「そうだな…だったら」


ニタァ___



                   勝つノァ俺様ダロウがあァァァァァ!!!


ズガァン…


奴の言葉は戦士として戦場に立つ者として俺を葬ろうという意思が感じられた。
だったら俺は精根尽きるまで戦うのみ…戦士として…もう,父親をしてられる時間は無いから…
俺の体は白帝剣の一撃を右肩から袈裟懸けに斬られ巨大な傷を負い多大な損傷を受けている。
だが……戦う気力はある。

「鬼神……やはり侮れん」
「侮ってのか餓鬼が!」

ドッドッドッドッドッドッドッド



                            ____鳳凰塵招来!!



「炎の鳥…見た事も無い」
「当然だろ?お前と組む任務じゃ見せる必要も無かった」


白哉にも見せたのことの無い力だ。
今,此処で始めて見せる。俺の事を引退しても今まで補佐してくれた男への最後の徒花だ。
否応無く力は炎の霊圧に吸上げられ俺はその力を発動すれば体が砕けるだろうと悟った。
その時だった…


ドスッ…




                                        刃?




                 誰ノ?


                             あァ,娘よ,何故ダ?



俺は崩れ落ちた。
突然だった…全く気づけなかった事を娘が戦士として才能有きと喜ぶべきか……
悲しむべきか……


刺された瞬間に俺の意思に逆らい卍解は砕け散った。



                                    ∞END∞


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