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Re: BLEACH 刹那の時間【月】 コメ求むです!!!   ( No.23 )
日時: 2010/10/09 16:36
名前: 風 (ID: WDXckvnh)

なさへ
着てくれて有難う^^(無理矢理じゃん?
戦闘シーン結構力入れました^^
佐伯竜二郎…個人的に特別な思いいれの有るキャラですし(苦笑
定期的じゃなくて良いですよ♪
僕も定期的に更新なんて出来ないし(汗


BLEACH 刹那の時間【月】 第十八話「護廷十三隊へ」
(佐伯マリア視点)

息を切らせながら走っていた……
唯,生々しい轟音と霊圧の奔流で体が狂いそうになりながらも父に合いたい…
この戦いを止めて安静にして貰いたい一心で…走った。



                            ソノ先に  見た物ハ—————



既に血塗れで息絶え絶えながら白哉様に止めを刺そうという父上,
苦しそうに喘ぎながら父上は私の見たことも無い力を振う。
圧倒的な霊圧と温度が体中を取り巻く。あの体であの力を撃ったら父は砕ける!!
そう,直感して私は動いた……



          ドスッ




                           鈍イ音…感覚………


あぁ,人を刺すと言うのはこう言う感覚か…
初めてだ…あぁ,雪菜も是を感じたんだ…


「父上」

ズルリと刀から滑り落ち地面に平伏す体…
ハァハァと苦しそうな息…
沈黙する白哉様は…恐らく私と父上の会話の暇を待っているのだろう…


「ごめんなさい…」

ガシッ…
「ゴメンじゃねぇよ……有難な」
「何故…」


カラカラと朗らかに笑いながら父は私の頭を無造作にガシガシと撫でた。
子供の頃良くこうして貰った物だ。




     ___良いかマリア?



                お前の漢字ハ真ノ愛と理ダ………




                                理を知リ愛ヲ知ル為に生きロ


うんと健気に答えた。
理はまだ見えない。森羅万象全てを知り本当の愛を知るには遠い。
でも,私はあの時……桜吹雪が屋敷を多い鳥達が合唱するあの時父の愛を知った。

「お前が,俺の死期を悟り俺の暴走を諌めた…」
「私が」

「俺は……幸せだった,お前みたいに心優しい娘を育み…最後にコイツと全力でやりあえた」
「最後だなんて…」


「なぁ…マリア……もう,今直ぐ結婚しろなんて言わない。
真ノ理を見つけて本当の愛を知れ…」


「はい…」
「_____最後に,1つ願いを聞いて貰えるか?」
「なんでしょう?」


弱弱しい声…何時も闊達で豪放な父とは思えない囁く様な…
涙と嗚咽に濁って声がまともに出ない。その私の顔を見てか父は複雑な表情で言う。


「艶嬬には……迷惑ばかり掛けてすまないって言ってたって伝えてくれ…」
「はい」

「あぁ,後…………」



父の声が口篭る。傷みによる物だろうか…否,逡巡している。


              —————結婚指輪無くシタッテの嘘ダ




                            俺の部屋ノ机の中ニ隠シテアル…



「えっ!?」

私は驚愕する。
それは,数百年前子供の頃の私が投げ捨てた父と母の結婚指輪,
鳥に食べられて遠くに行って行方知らずになった物だ。
母も父も細かい事は気にしなくてなくなっても良いと嘯いていたが…
本当は探してた…愛の証だったから……



「探し回ったんだ…奔走して数ヶ月前見付けた。愛の証だったが…恥かしくてな」

「はい,渡します」
「有難う」


私は父の言葉の先を察し余り喋らせない為に応える。
父はそれに対して満面の笑みで応えるのだった。
そんな瞬間,白哉様が私のそばへと寄ってくる。



ガシッ…
「白哉?」

「白哉様…」
「____この女は…護る,誓う」

チュッ…
「あっ!?」

「このツンデレ野郎が…」



白哉様は突然私の細い体に腕を遣り唇を近付かせ耳元で守るという。
その声が意思に漲っていて私は少し安堵する。是から先のことを考えよう。
父は助からないのだから…何時までも涙の海に沈んでいては行けない。



父上………私は______________



=================

(佐伯竜二郎視点)


あぁ,視界が掠れて来た。
血を流し過ぎた。技の反動が卍解の反動が強すぎた。
体中が寒い。

だが,娘の声を聞くと体中の血が沸く様に熱い。
動け___
動いてアイツを抱き締めろ_____


そう奮い立たせては見る物の体は言う事を聞かない。
構造上不可能だからか———
それとも感情とは裏腹に心は冷めているのか?


畜生,白哉の野郎最後に乙な演出だ……
少し妬いちまうじゃねぇか!?
娘を抱かれるのに妬くか……やばいんじゃ無いかって?
俺は………いや,止そう。


まぁ,兎に角この世ともお別れみたいだ




                             サヨナラダ世界_____



俺の愛した家族達よ……出来るならもっと長く居たかった——————

======
(佐伯マリア視点)

骸と成った父上を白哉様は嫌がりもせず私の屋敷へと運んでくれた。
本当なら彼の手を患わせたくは無かったのだけど父ともっと触れて居たかったのだけど…
私には体格の良い父は重すぎて…だって,おんぶしてやっとだった雨宮雪菜の粗二倍ですよ?
私が持ったら落としてしまう……落したら父は父の体は痛むでしょう?
だから……


「有難う御座います白哉様…」
「礼など要らん…私は唯,運びたいから運ぶだけだ…」


「____私,決めました」
「何をだ?」
「貴方の隊に入る」

「歓迎する………」


彼は小さくそう言って沈黙した。
彼の本心は分らなかった。
だが,私にとって父の率いた隊に入隊すると言う大きな目標が出来た気がした。
早く入隊したいと思った……何故だか知らないが其処には父の魂が有る気がしたから


=============
(雨宮雪菜視点)


あの波乱の一年目から早いものであたし達は六回生まで漕ぎ着いていた。
あの後,大きな問題も無く…今でも一回生の頃の事が語り草だ。


「レオン……皆生延びたよ今迄…今迄レオンの事忘れた事無かった」

「なぁ…夏樹よ…我々は是から新たなる門出だ。祝福してくれ…そして,見守って出来るなら導いてくれ」
「何時までも忘れないで貴方の所には来るから」


夏樹の墓,毎月一回は純星達を集めて此処に集まってお祈りと現況報告する。
勿論,夏樹は霊子共に消え去ってこの世にはもう居ないけど………其処に居る気がして。
今は冬,3月…私達は全員護廷十三隊入りを確定させたわ。
中でも,主席の滝口君は最も早い受講日の8月中旬地点で八番隊入りを決定させていた。
八番隊といえば風流と伊達を好むお洒落で陽気だけどキメ細かい隊長格でも特に強い男京楽さんの隊だ。
私はといえば当然,九番隊…詰り滝口君とはお隣って事だね?
東仙隊長とは少し話したのだけど凄く見識が高くて平和の為に戦っている人…
それで居て優しくて当然仕事熱心で…頭も回るし悪い所の方が見付らなかった位だわ♪
そして,純星は十三番隊で影崎君は三番隊…影崎君の三番隊は凄く分る気がするけど…
ギン2世が来て副官の吉良さんは大変そう♪
マリアは六番隊一筋で三回も落とされたけど……何故かマリアに対しての評価だけが厳しかったらしい。
今月になってようやく合格した————


そう言う訳で詰り皆合格したから目出度い門出の日としてあたし達は此処に集った。
あぁ………父や母も此処に居るなら祝って欲しいなぁ,そんな事を思うとほろりと涙が毀れる。

「どうした?目にゴミでも入ったか?」


馬鹿が的外れな事を言ってくる。
そいつは気を利かせた積りで手にハンカチを持っていたがあたしは其れを払い飛ばしてやった。
その時のアイツの顔……本当,虐められた小動物みたいで面白かった…


「ちょっ!?お前…酷くねぇ…」
「純星はこんな扱いで良いのよ♪」

「僕もそう思う」
「私もですわ……滝口さんは?」
「私は…………それが純星だと思うな」




「お前等集団いじめか…」


なんとも情けない声で言う気の小さい巨漢に影崎君達は罵倒《?》を浴びせる。
純星は孤立無援の様相で涙を流す。結構,純で涙脆いコイツを虐めるのは私達の楽しみだ。
案外,コイツが居るから気楽だという面も有った…



           〜兎に角私達ハ此処迄来れタヨ…是からモ頑張ルから…〜


あたし達は新たなる道を歩み始めるという意思を刻み付ける為に一歩前へと進んだ。
其処に___


「よぉ,合格おめでとう」
「あっ!修兵!!」


「————お前等と仕事できるのが楽しみだぜ!」


其処に現れたのは檜佐木さんだった。
あたし達にたったそれだけの事を言う為に休憩時間隊舎を出て言いに来たらしい。
その様を見てマリアは「良い人ですわね」と1人ゴチていた。




============

(檜佐木修兵視点)


冬も終わり新しい季節が巡ってきた。
1年のボンボンドもと同時に新たなる隊士達が門戸を開いてくる。

「是から大変だな…」
「えぇ,檜佐木さん………彼等は辛い経験をしすぎてきましたから…護廷に入ったら幸有らん事を」


「そうだな……いや,有るさ絶対」


俺は吉良と一緒にその新人達を一望できる場所で黄昏ていた。
新たなる隊士となる奴等は皆,心に傷を負った連中だ…
そんな奴等にまた絶望の火の粉が降り立って欲しくないと俺は願った…
そして,強い言葉で希望が注ぎ降りて来る事を誓った。
俺が……希望になろうと………誓った。


タン…

あぁ,俺の隊の正門に新たなる隊士が……雪菜,お前と一緒に同じ職場で働ける事を……
心から感謝する。



「そろそろ,行かないとな…」
「そうですねぇ,新人さんに挨拶しないと…」


そう言葉をかわして二人は夫々の籍する隊へと戻るのだった。




                                ∞END∞


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