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Re: BLEACH 刹那の時間【月】 十八話更新! ( No.26 )
日時: 2010/11/28 12:08
名前: 風 (ID: eCrj8qey)

ひな様へ
着て下さり有難う御座いました^^
長くて申し訳有りません!!

BLEACH 刹那の時間【月】 第十九話「隊舎巡り Part1」
(檜佐木修兵視点)

雪菜の奴が俺達の隊に入隊して早6ヶ月。
何度かの虚との戦闘や演習なども経験して…随分と此処での生活にも慣れてきた様に見える。
あいつもそろそろ他の隊舎を巡って視野を延ばしても良いんじゃねぇかと考える。
護廷隊新人隊士は普通,二年から三年位は他隊との行き来を頻繁に行わない。
だから,一年目で通過儀礼として全部隊を1日位で回りどんな感覚なのか肌で感じるという物がある。
本当は,其れをやらせるには遅い位で……隊長や三席の熊田なんかには甘やかし過ぎだって言われた。


「そんなの知ってるっての……」
「どうかしたんですか?檜佐木副隊長?」

ジ〜…

「どっどうもしてねぇ!!いや,えっと…そろそろ雪菜の奴にも隊舎巡りをってな」
「………遅すぎ!!副隊長ってばあの子に甘くし過ぎです!彼女は甘やかさなくても大丈夫なのに〜…」

「分ってるんだが……まぁ,良いだろう!やる気になったんだから!!」
「まぁ,そうですね___しっかし,雪菜ちゃんはどの隊が気に入るかな?」

「___九番隊ラブで有って欲しいがな」
「それは当然ですね★」

突然話しかけてきた声の主,無論知ってる。
雪菜と同じで今年俺達の隊に入隊し女隊士……楢崎陵って女だ。
雪菜とは同じクラス…詰りコイツもエリートって事だ。
だからかアイツの事は控え目ながらも良く見ていたらしくて……
陵の言う事には一々其の通りだと深々と嘆息する。
そんな陵との会話を終えて俺はアイツの私室へと向かう。
今日はアイツは非番で…今は昼休みだ。

ガラガラ…

「居るかぁ雪菜?」
「いっいな〜ぃ(汗」


「丸分りだ…」

何しに来たんですかと御飯粒を口に付けながら飯食いながら雪菜は問う。
俺は事のあらましを告げあいつに明日も連休で有ると言う事の受諾をする。
奴は,「はぁ…」と1つ息を吐いて去って行く俺を見詰めていた。


==============

(雨宮雪菜視点)

今更になって隊舎巡りかぁ…
多分,何も言って無かったって事は檜佐木さんが他隊の人等にアポとってあるんだよね?
兎に角,一番隊から順に回ってみようか…
うん,一番の親友の佐伯さんと純星の隊は最後のデザートに…って純星の隊元々最後か…


ムクッ____
「朝十時……良い時間♪」



護廷は意外と広い敷地です。
各隊事に温泉施設や遊戯施設なども設けていて…あたし達新人なんては道を覚えるだけで一苦労。
だから隊舎巡りってのは他隊の様子を知るだけじゃなくて道を少しでも覚えるという意味もある。

「うわぁ,地図見ながらでも迷いそ」


そんな事を思いながら歩いている。
地図の通りに一番隊の隊長室を目指す。

「でっかい扉…」

ギギィ…
「来る頃じゃと思っていたぞ…お主が雨宮雪菜じゃな?」
「あ……はっはい!」
「何じゃ?もっとハキハキと返事をせい!」


扉が開き其処には1人の老獪なる人物。
護廷十三隊の個性豊かな隊長格を纏める豪胆な人物だ。
あたしは彼の巨大な霊圧に少々気圧されて苦笑いしながら返事をした。
其れが少し目に映ったのか…私は早速説教を受けた…
幸先悪いなとか思いながら言われるままに隊首室に入る。

「ふむ,ワシの淹れた茶はどうかの?」
「美味しいです♪湯加減も良くて味も適度で…流石は文化人としても名高い山本総隊長ですね」
「嬉しい言葉じゃのう……して,一番隊はどうかの?」


「_____少しあたし如きには…」
「そうか————じゃが主とて護廷に入隊したエリートじゃよ…そう,卑下するでない」
「有難う御座います」


意外なほどに好々爺然としていて泰然自若とした彼の精神を理解する。
だが,あたしには一番隊は少し無理そうだという本音……
総隊長のお言葉は嬉しかったが矢張り…
一番隊の様に何事も客観的に見て迅速にこなすと言うのは鈍感で鈍いあたしには難しいだろう。
そんな事を思いながら彼の淹れるお茶を後二杯ほど飲んであたしは一番隊を後にした。


_______

二番隊詰所前___

あたしは二番隊の隊長職務室へと向かっていた。
隊士の立ち話から察するに副隊長の大前田さんは有給を取り
自分の経営する宝石店の切盛りをしているらしい。


「君は____」

ビクゥ

後から突然声が聞こえ驚く。
低めの抑揚に掛ける女性の声だ……


「悪いな驚かせてしまって…今日隊舎巡りする事になった子だな。」
「はい,砕蜂隊長…」


務めて冷静にあたしは砕蜂隊長の名を呼んだ。
砕蜂隊長には一回生の頃,命を救われたことがある。
あの忌々しいザエルアポロと言う男……そして,悲しみの雨…夏樹さん____
彼女も覚えているのだろうか?其の疑問は直ぐに解消した…

「辛かったな雨宮雪菜……友の命を斬る,意図せずしてお前は斬った」
「覚えていてくださったのですか?」
「忘れられないさ………忘れられる筈が無い。だが,二番隊はそんな仕事ばかりだ。
だから……二番隊は来るな…」

「助言有難う御座います」
「____三番隊,行って良いぞ。積もる話も少しはしたいが……な」


フッ


彼女は覚えていてくれたのだ。
そして,あたしが斬りたくて斬った訳でも意図して斬った訳でもない事も見通してた。
敵わない…東仙隊長と言い彼女と言い総隊長と言い本当に隊長達は独立独歩に見えて聡明だ。
最後の助言が重くて————
慮りの言葉が優しくて…


________

三番隊隊舎___

あたしは影崎君に隊舎に行くなり直ぐに遭遇して隊長職務室へと案内された。
狐の様な何時も笑みを絶やさない隊長,銀髪の面長かつシャープな顔が中々にイケメンorz

「うひゃぁ,話には聞いとったけど美人さんやなぁ♪」
「でしょでしょ?」

「兄弟みたいですね」
「よう,言われるわぁ…僕影崎君みたぁに黒くないのに」


「誰がその口を言いますか?」
「僕や?」
「アンタの黒さは護廷一でしょう?」

「護廷一は吉良やって♪」
「あぁ〜,吉良副隊長は暗いですもんねぇ♪」


『滅茶苦茶吉良先輩貶されてるし…』


それにしても霊術院に居た時に良く影崎は市丸隊長Jrだねとか言ってたけど…
マジでジュニアって感じがする絵面で笑いが漏れる。
そんな中吉良先輩がモロ馬鹿にされていて笑いが噴出しそうになる。
ヤバイ……幸薄そうだもん吉良副隊長(笑

そんな中,影崎君が私を見る。


「所で雪菜は何か言う事無いの?」
「あたしが喋れないほどマシンガントークしてたの影崎じゃん!?」
「そうだけど…」

「う〜ン,僕も吉良副隊長虐めやりたい♪」


「えぇ,趣味してる君,気に入ったで♪」


あたしの中のドS心が影崎君と市丸隊長とリンクして思わず口に出てしまった言葉。
それに対して隊長ってば……ヤバイ,この人のプレイは危険な香がする____
私この人の前ではマゾになりそorz


楽しく談笑して三番隊は入っても良いかなとか思い隊長職務室を出る。
其処にはガタガタと震える吉良副隊長が居た。


「あっ……あっ,雨宮君」
「あっ,吉良副隊長今日も素敵なお顔ですね?」


「____そんな」


石化した様に吉良副隊長は硬直してしまいました……
あぁ,楽しいナァ隊舎巡り____
そんな風情であたしは四番隊へと歩を進めるのだった。



___________

四番隊隊舎___

医薬品の匂いが発ち込める職場を想像していたけど意外と清潔感のある印象でビックリ!
ひっきりなしに廊下を怪我人を搬送する人達が走っていて
改めて護廷の任務の危険度を理解する。


「あぁ,あれは助からないだろうなぁ流石に___」

十一番隊の隊士らしい…その人は胴体から下を切断されていた。
多分,虚か何かの鋭い爪などでやられたのだろう。
そう言う凄惨な傷を見て冷静にそんな事を考えれる自分に染まってきたのだなと感じる。
其処に___

「それはどうか分らんよ……死神とは案外死ねない物だ」
「伊江村三席……」
「君が,雨宮君だね?写真で見た通りの美人だ……」

「はぁ,ご多忙な所すみません」
「何,卯の花隊長は何時もご多忙なお方だよ」

後から現れた伊江村三席…彼の言葉は気楽そうだがその内情と彼の心労を表していた。
あたしもそれなりに治癒霊力は使えるし実際四番隊は志望の二番目だった。
そんな今となっては過去の事を思い出しながら伊江村さんの先導の下を着いていく。


「此処が卯の花隊長の居だよ」
「はぁ,清楚な部屋ですね?」


「では,卯の花隊長を呼んでくるから少し待っていてくれ」


清楚で綺麗な人となりの表れた部屋…あたしはそんな部屋のソファに座らせてもらった。
先導してくれた伊江村三席は卯の花隊長を呼びに瞬歩で去っていった。
その時____


「あっ,お茶淹れました…飲んで下さい」
「あっ,はい…えっと虎徹副隊長有難う御座います」


「いえいえ,山本総隊長のお茶と比べると不味いかもですけど…どうか不満とかは…」

ゴクッ___
「玉露………大好きです♪」
「あっ……あぁぁぁぁぁぁぁ!!!ヤバイ……」

「?」

「勇音—————」


ドドドドドドドド

「え?」


勇音副隊長があたしに律儀にもお茶を淹れてくださった。
搬送されてくる死神の数を見るに彼女にも仕事が回ってきそうな物なのに…
律儀で真面目な隊風を感じ取れた。
玉露___甘くて美味しいあたしの大好きなお茶の味,思わず名前を口にすると…
勇音さんの表情が汗まみれに変わる。
何,何なの!?少し焦りを感じた後後から巨大な霊圧が……

「私の玉露を…」


あぁ,四番隊隊長古株…卯の花烈………影の帝王と呼ばれる所以を私は見た気がする。


「怖い……」

勇音さんへの言葉での体罰が恐ろしすぎて私はタジタジだった………
トラウマ確定(涙




                             ∞END∞


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