二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 刹那の時間【月】 コメ求むです!!!   ( No.4 )
日時: 2010/02/23 10:30
名前: 秋空 (ID: afDkyVXv)
参照:  

BLEACH 刹那の時間【月】 第十三話「地獄のラプソディー Part3」
(砕蜂視点)

私が穿開門の前に立った頃には既に数人の勇士達が集まっていた。
恐らくは時間的に考えて私で最後だろう。
ふと,視界を泳がせるとボサボサの黒髪の
袖なしの死覇装を来た端正な面立ちの男の姿が私の目に飛び込んでくる。
それは九番隊副隊長檜佐木修兵だった。
噂によれば最近,院生一回生で一組のお嬢さんとお熱らしい。
今回襲われているのは一回生の一組との事だ。当然,そいつも危険に晒されているだろう。
面持ちは硬く祈る様な表情だった。私は後ろから忍び寄り辛気臭いそいつの肩を叩いてやった。

トン...修兵「うっうおおおおおお!!」
見掛けに似合わず気の弱い檜佐木は少し叩いただけなのに
馬鹿みたいに驚いて辺りをキョロキョロさせた。

砕蜂「何処を見ている?こっちだ___」
修兵「———————砕蜂隊長?」

砕蜂「小さくて見えなかったとか言ったら殺す!」

明らかに私を視界に入れないように上を見回していた
馬鹿男に警告するように武器を見せて脅してやった。
檜佐木の奴は驚き戦慄き,汗を流しながら頷いた。

修兵「そんな失礼な事を___」

砕蜂「ふん,相変らずのへたれだな」
修兵「……申し訳有りません」

砕蜂「_____生きていると良いな,お前の愛した女」

カァ〜修兵「!!!なっ,何言うんですか砕蜂隊長!!おっ…俺はそんな!!」

檜佐木の奴の分り安すぎる反応に私は呆れていた。
こんなへたれが女を護るなんて理由で戦いに出るとは片腹痛いとな……
然し,そんな事を思っていた時だ。コイツが言ってくれたのは___
矢張り副官だなと思わせることを。

砕蜂「分りやすい!」
ドスッ…修兵「ガハァッ———」

砕蜂「………」
修兵「はぁはぁはぁはぁ……俺は,あいつが生きていると信じてる。
あいつは生に対する執着心が強いから!!だから,俺は助けられると信じてる!!」

砕蜂「死んでたらどうする」
修兵「その時はその時です!」


心配は無駄だと悟った。
強い瞳だった。信念と意思で満ちた強い瞳......
もしかしたらそいつのその思いが届いたのかも知れないな。
実際___私達が到着した頃には多くの院生達が死んでいて......な。


__________________

(雨宮雪菜視点)

虚との戦いが始まって数分が過ぎた。
今の所分った事は彼が霊圧の割には鈍足で此方の攻撃を待つ癖が有ると言うこと。
詰り,一撃目で相手を拘束し強力な攻撃を仕掛ければ私達がほぼ勝てると言う事だ。
それに気付き私達はある策に出る。
瞬歩の得意な佐伯さんに鬼道の得意な私がおんぶし佐伯さんの瞬歩で相手を撹乱しながら,
時間を稼ぎあたしが縛道を放つ。
そして,留めに攻撃力の高く更に始解を有する夏樹さんの攻撃,恐らく是で倒せるだろう。

佐伯「早く!」
雨宮「ちょっと恥かしいんですけど」

佐伯「私だって恥かしいですわよ!!兎に角チャチャッと済ませましょう!」
雨宮「うん」

ガシッ…佐伯「行きますわよ!」
夏樹「………シュールね」
佐伯「お黙りなさい!!」

夏樹さんの軽口に軽く答えて佐伯さんは私をおぶりながら軽快に瞬歩する。
でも,幾ら佐伯さんが瞬歩が得意とは言え女性であたしと同じ院生,
限界が来るのはそう長くない。短い間に私は集中し言霊を詠唱し撃たなければならない。
瞬歩のせいで風が痛い。そして,揺れる。舌を噛みそうだ。



                              でも,それでもやるしかない___


カッ___雨宮「縛道の九十九『緊』!!」
虚「ぎゅううぅぅ!?」

死神の使える最強の鬼道が九十九番だ。
本当はあたしの霊圧何かじゃ体に負担が掛かるんだけど命には変えられない。
意地で使ってやった。あいつは締め付けられる苦しみに喘ぎながらのた打ち回った。

雨宮「そんな簡単に外れる物ですか!」


ギュルルルルル___佐伯「今ですわ夏樹さん!」
ザッ…夏樹「分ってるって!行くわよ___裂迅牙」

ダン___虚「!!!」


ザクン___夏樹「あっさりだったわね」


サァ…雨宮「消えた___何だったんだろう」
ズンズーン…夏樹「行こう。あたし達だけが襲われてる訳じゃないみたいよ。
もう,何人かの霊圧が消えてる!犠牲を出さないためにも___」

佐伯「そうですわね」

ふぅ〜と意気を継ぎ周りの霊圧に機を研ぎ澄ませて見る。
夏樹さんの言うとおり多くの仲間たちが傷付き倒れ消えているのが分る。
胸が痛くて押し付けられるような感覚が私を襲った。
勿論仲間達の援護に行くのは私も同意だ!早く行こうと息を整えて___




                                 ___<その瞬間>


突然,何人かの連携により虚を倒した方の組の人達の中から霊圧が突然,黒くなるのを感じた。

夏樹「このベタベタした汚らしい霊圧は!?」
佐伯「まさか.........死神が虚になろうとしているとでも言いますの!?」

夏樹「嘘___ガハァ」
佐伯・雨宮「夏樹さん!?」


夏樹「離れて____」



              ___カッ



                          『サァ,オマツリノ始マリダ』


胸に聞こえる誰かの言葉を合図にするように霊圧たちが爆ぜ虚の黒々しい霊圧へと変わる。
その割合凡そ3人に1人だった。その中に夏樹さんも入っていた。

ドッドッドッドッドッドッドッドッドッ___夏樹「そんな……嘘,私虚に?」


ドン!!!


其処には虚に姿を変えた夏樹さんの姿が有った。
仮面が唇から下を多いお腹の当たりに心の穴が___何が原因か知らないけど彼女は…
心無い魔物に変わってしまった。


——————————————————————

(夏樹レオン視点)

鼓動の音が聞こえない。
世界が黒い色に見える。
体の中が渇いてたまらない。
歌が好きだった事を忘れそうだ___


悲しみを癒しましょう〜♪こ〜の〜歌声で〜♪
ひ〜かりあるみちの〜りを〜♪貴方に———見せたい♪
夢の道を〜♪そして,私も一緒に歩みた〜い—————
届く事の無い願いと知って♪それでも足掻くんだ———♪
貴方思い出し〜♪


思い出せない…小学一年生の時に始めて作った拙い歌。
でも,一番胸に残っていた歌なのに___思い出せない。


空は黒く,大地は赤く,魂の渇きだけが私を襲う。
でも,私は世界を優しい世界に変えたいと願っていた事は覚えている。
人の魂を食み血を滴らせ愉悦に微笑む事を望んでいない。


雨宮「レオン___夏樹レオンさんなの?」

涙ながらに話しかけてくる声。
懐かしい___親友だ。肉親の次に…肉親並に大事な…白いプリプリしたお肉…
美味しそう_____



違う___違う違う違う違う違う___違う違う_____違う


違う違う違う違う違う違う違う


違う______違う____違う_____!!!


夏樹「そうだよ___汚くなっちゃったけどレオンだよ?2人とも。」
佐伯「夏樹さん……」ギリッ


辛そうな顔をする綺麗な顔立ちの佐伯さん___
愛している。時間と関係の密度は違うんだって言い切れるほどの愛してるのに!!
それなのに憎くて殺したくて食いちぎりたいこの衝動は何?
止まらない?



ゾクン…雨宮「!?」

ザッ…夏樹「雪菜…愛してる…愛してるから___心臓食べさせて?」



                                     ___ドクン!!!


雪菜の心臓がドクンと早鐘を打ったのが分る。
そして,彼女の表情が自分の命を護ろうと青褪めた事…私が落ちた事を理解した事____


アハハハハハハハハハハハハハ…壊れるってこんななんだ。
何もかもが違うんだ?壊れたくなかった___だから,責めて抑制できる間に壊して…


___アァ,壊したくて壊したくないんだ。
私は貴方達を!


フッ___夏樹「心臓___」
佐伯「!!!」ガァン___


ザザァ……夏樹「嫌だ………私は貴方達の」

葛藤が続く。
理性と本能が争い合う。
巨大な本能の波に小さな理性の防波堤が易々と飲み込まれる。
そんな様が何度も私の脳内で繰り広げられる。

防波堤は幾つある!?
波の速さは___後,何分で私の防波堤を全て壊す!?

いやだ___いやだいやだいやだいやだ___


いやだいやだいやだいやだ____いやだ___いやだ___


いやだ———————!!!

やっと,手にした本当の友___自分の手で殺して失うのなんて


嫌だ___
だからお願い———


夏樹「あたし———可笑しいよ。どうしても理性が利かないの___お願い」
雨宮「何———?」


夏樹「私を殺して___」


2人は衝撃で青褪めていて「出来ないよ」って口を付いて言っていて___
でも,お願いなんだ。幾ら理性で抑えても本能に飲まれて私は貴方たちを殺してしまう。
それを感じてる___直す術なんて無いだろう———

私の我侭だ___私は貴方達を殺したくないから


だから,私を殺して楽にして———



                                        END


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