二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BLEACH 刹那の時間【月】 コメ求むです!!!   ( No.5 )
日時: 2010/05/09 09:38
名前: 秋空 (ID: bbfUlH82)
参照:  

BLEACH 刹那の時間【月】 第十四話「地獄のラプソディー Part4.魂1つ」

(ザエルアポロ視点)

クハハハハハ♪最高だ___
本来正義であり虚を悪と忌み嫌う死神共!
それが今一斉に僕の研究成果によりあっさりと虚と化している。
先の僕の用意した虚を倒して生延びた多くの学生達の内3人に1人は甘美な闇の甘さに引かれ,
闇の落ち虚と化した!!
僕の造った狂人薬…あの見掛け倒しの虚達を倒すと発動するようになって居た♪
人の感情の奥底にある狂気,悪意を擽り道徳を怖し人を快楽の極致に開放する…
見事,3人に1人と言う高い割合で悪意に満ちていた訳だ。
何と言う……な・ん・と・い・う!えも知れぬ快感★


最高だ。

ザエルアポロ「サァ,踊れ。愚かなる者達よ…踊り貪り友と唄った者達を喰らえ!!
死神も虚も大差ないではないか?死神と虚の境界は何処にある!?正義・悪!?
違う………唯単なる感情の差でしかないと言うのに………愚かしい★」


_________
(佐伯マリア視点)

何時も真面目で面倒見が良くて公平だった___
それが私から見た夏樹レオン彼女の姿…
少し潔癖で計算能力が高くて頼りになる姿…

私の耳に焼き付いてはなれない言葉の数々。
年上として女性として頼りになり目標だった………その彼女が今,異形を無し私たちを睥睨する。

佐伯「夏樹さん…」



                 ————殺して!!!————

言葉ではそう言いながら苦しそうに勝手に動く体を制そうとしながら彼女は向かって来た。

雨宮「縛道の六『斥』」ガッ


ハァハァ…雨宮「戻ることは出来ないの?もう,戻す事は出来ないの?」

涙ながらに雪菜が言った。
戻す事が出来るなら戻してやりたい。
戻す術が有るのなら命を賭けてでも戻したい。
私も同じ気持ちだった。

夏樹「どうにも出来ない。戻りたいと思っても戻れない」

その言葉を聞いて心臓がドクンと爆ぜるのを感じた。
その瞬間私の耳元で囁く色気のあるネチネチした声…瞬間的に察した。
ことの首謀者なのだと…


ザエルアポロ「無理さ……一度堕ちたら戻れない。僕の狂人薬は感染した人を不覚闇へ引き摺り…
虚と化し戻れなくする。虚と化すのなら或いは君達の斬魄刀で切れば直せるのかも知れないね?
でも,それは甘い…やめておいた方が良い。彼女たちに君達の刃で洗い流せる罪は無い。」

雨宮「貴様!?貴様がレオンを!!」
ザエルアポロ「エサクタ…然し,そんな事気にしている場合かい?お友達が苦しそうだぞ?」

ネチネチとした言葉で見慣れない服装の優男は私たちを言葉攻めした。
コイツが首謀者なのは間違いない。そして,院生である私達程度よりはるかに強い事も。
だが,その男は私たちに危害を加える気は無いらしく私達と夏樹さんの,
骨肉の争いを楽しんでいるようだった。意地でも彼女を取り戻してコイツを殺す…

そう誓った時だった。


夏樹「もっ,駄目♪気持ち良い……最高に最悪だ!」
ガガァン…佐伯「動きが___」

夏樹さんのぎこちない私達を殺めたくなくて手を抜いているような動きが変わった。
本気の殺意が刃の様な爪に宿る。虚と化してなお,斬魄刀の力を奮う。

ゴシャァ!!!

雨宮「っ……はぁはぁ」
夏樹「逃したか…雪菜,体を動かすのが旨くなったね。」

雨宮「くっ」

夏樹「大嫌いだよ…同じ最下層出身の癖に僕より人気のあるお前が」

夏樹さんは全然,雪菜のそんな所を気にするような人ではないと思っていた。
何者も押し殺してでも自分の目的を遂行しようとする強い意思の有る人だと…
そんな人でも心の闇を開放させれると言うのか……


狂気に歪んだ顔で彼女は向かってくる。


_________

(雨宮雪菜視点)
あたしとレオンと佐伯は何回か接触した。
私も佐伯さんもボロボロ…レオンは全くの余裕だった。
本気で向かっていっても敵わない。


夏樹「ふふふ,徐々に白い肌が綺麗な赤に染まってきたわね薔薇の様よ…」
佐伯「……貴方は夏樹さんの姿をした化物ですわね…夏樹の口でそんな事を言うな!!」

夏樹「あたしは夏樹レオン…夏樹レオンだ」

ダンダンダンダン…佐伯「くっ…足が縺れて」

夏樹さんは心の底から彼女を憎んでいるような瞳で睥睨し突進するように向かって来た。
私は疲れで足を縺れさせて動けない佐伯さんを護るため割って入った。
下手をすれば死ぬのがあたしに代わるだけだった。


でも___違った。


夏樹「貴族ってだけでペコペコされやがって!貴族が居る限り流魂街は…」ズン


                              ドクン



                                 ドクン___ドクン___


ボタボタボタボタ___



                            ___<ははは,やりやがった>


雨宮「嘘」


氷堂君を殺した時にも響いたキンと高い男の声が響く。
何かを刺した様な感触が手を伝い…何かの温もりがあたしの手を温める。
現実を直視すると……目の前には血塗れの夏樹さん…そして,刺さった自らの剣…


夏樹「悪い…こうするしか無かった」
ドサッ…佐伯「………嘘」

雨宮「ゴメン…救えなくてゴメン夏樹さん!!」
夏樹「何言ってるのよ?あたしにあんた達を殺させなかっただけで貴方達は最高の友だ」

雨宮「そんな…救えなかった!!」
夏樹「貴方は……私の1つの魂を………意思を救ってくれた」


                               〜〜ありがとう〜〜


そう言い残して夏樹さんはあたしの肩の上で消えていった。
安らかな顔で温もりを残してキラキラと輝きながら私の悲しみなんてお構い無しに…




逝った______


_____________
(夏樹レオン視点)

思い出した___拙い無い歌。
拙い思い___絵空事の誓い___何もかも叶えられそうにないけれど…
それを…私の意志を引き継いでくれそうな仲間に会った。

あいつ等には深い苦しみを与えるだろう。
でも,私はこの狂気を納める術を他に知らない。

自らの手で自らの人生に終焉を与えるこの方法しか____



『ゴメンな…不甲斐ない女で……ゴメンね!最後まで一緒に居られなくて』


あいつは大粒の涙を流していた。
あぁ…仲間ってのは付き合いの長い短いじゃないんだな……
付き合いの濃度なんだな…辛くても悲しくてもあたしの事を覚えているであろう友に___




       

                                     ___乾杯


_________________
(雨宮雪菜視点)

絶望と悲哀に私は震えながら許せぬ首謀者を睨んだ。
首謀者の男は不敵に笑い楽しい見世物でも見せてもらったという感じだ。

ザエルアポロ「おやおや?綺麗な顔が台無しだ…怖い顔」
雨宮「黙れ…お前は許さない!」

ザエルアポロ「許さなければどうなる?僕を倒せるのか?」


あたしなど相手でもないという風情の態度___最高に今は腹が立つ。
その時,あいつの声がまた聞こえる。何度か名前を聞いてるけど名前だけが聞き取れない…
あいつの言葉___



                   ___俺の名を教えてやる!


教えろ___



                                       王天君!!!


ドッ…雨宮「聞こえた…至れ……王天君!!」



アイツの名前を聞くと同時に始解を顕現する。
それは分っていた。
詰り私は自らの斬魄刀を手に入れたのだ。男の顔が少し歪む。
極限状態で始めて始解の真の力を解放するとき卍解クラスの霊圧が放出される事が有る。
正に私の解放時それが起こった……

アイツは飛び退った。あたしは解放の疲れで倒れこんだ。

其処に____


ザエルアポロ「所詮死神風情か」

ズバァ…砕蜂「その死神風情に貴様は殺される」


佐伯「砕蜂隊長?」

目が霞む中,見えたのは隊長格の勇姿…あの男を一方的に斬り傷をつけていく。


ボタボタ…ザエルアポロ『この紋章は?』
ザッ…砕蜂「全身アート状態だな正に…」

ザエルアポロ「好みじゃないな」ダン

砕蜂「さよならだ」

砕蜂隊長の斬魄刀の能力を知るあたしも佐伯も名も知れぬあいつの死期を感じた。
しかし,あの優男の仲間が止めに入った。

ガシィ…スターク「悪いね。こんな奴でも組織にゃ必要なんだ」

砕蜂『こやつ…突然現れ私の腕を掴むだと?』

砕蜂隊長自ら自負する高速の拳を容易く止める新たなる男。
中々渋きめで好みの男だが今ではそいつもあの男の仲間なら死んで欲しい。

然しその願いはか叶わない…………


バァン…砕蜂「何者だ___名乗れ」
スターク「コヨーテ・スターク……コイツは虚圏有数の科学者ザエルアポロだ。」

そう言ってスタークと名乗った男はザエルアポロを連れてガルガンタを開き帰る素振りを見せる。

砕蜂「逃さん!」
スターク「セロ」カッ


ドォン___


然し,増援の砕蜂隊長は彼のセロを喰らい吹飛びスターク達を逃した。

事の首謀者は逃し___友を失い私たちの世界は闇一色になった気がした。

ポツンポツン___佐伯「雨___?」
砕蜂「涙雨か……鎮魂の雨か?悲しくなるだけなのに!」


あたしの近くに落ちてきた彼女の言葉が聞こえあたしはまた,止め処なく涙を流す。


雨宮「うっ…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん…ひっく,うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」

唯,速き雨脚にすら飲まれずその涙が響いた気がした。



                                        END

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