二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂-白百合の旋律- 『日向篇』 ( No.101 )
日時: 2010/01/24 15:51
名前: 椿薔薇 (ID: p4jphIw6)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode=view&no=15421

第参話「叶、願、想」

「ガキがぞろぞろ…」
銀時は溜息をつきながら新八に合図をした

「どうしたの?」
新八は子供に近づき問う

「おねがい!お姉ちゃんの…お姉ちゃんを助けて!願いを…」
子供は新八の手を揺さぶりながら大きな声で言った…

「おーい、ガキんちょ?なんでも屋さんってもな、タダでなんでもやるわけじゃねーぞ?」
銀時はピっと人差し指を前に突き出しながら言った

「お金、持ってきたの!全部…少しだけど…全部!」
すると胸元のところから封筒を取り出す

そして床に出すと、そこからは小銭がいっぱい。札が何枚か出てきた…
多いとはいえないが子供にしては大金だった。

それをみると銀時は
「…一応聞いとく、無理なのは引き受けられないからな。なんだァ?依頼は」

「お姉ちゃんに!お姉ちゃんに青空を見せて…太陽の光をもう一度浴びせてあげたいんだ!」
目をつむって子供は言う。

その依頼に万事屋は固まる…

「…は?」
銀時は今までにないその依頼に唖然

「どういうことアル・・・」
神楽もまた茫然

「日向…日向ねぇちゃんのお友達になって!ねぇちゃんの…僕、ねぇちゃんに一回でもいい。もう一度青空を、太陽に合わせてあげたいの」

その日向という言葉に白刻は
「日向って…ねぇちゃん、どこにいるの?」

「病院!お願い!お願いします!」
すると泣きだして子供はお願い…と繰り返した。

そんな姿に万事屋は顔を見合わせ、何もよくわからないままとりあえず会いに行こう。
ということで病院に向かうことにした…

これが、太陽のような日向という女との出会いだった…
彼女は光ることができない、照らすことができない…いや、照らされることのないそんな日陰にいた。

病室からカーテンを見つめてる彼女は雲に隠れた太陽のような…そして月のようにも見える。。。
彼女の目に映る世界は一人、暗い世界で生の灯でさえも消えそうな…そんな儚いものだった。