二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: バトテニ−サヨナラ、− [テニプリ] ( No.903 )
日時: 2010/09/05 19:42
名前: 亮 ◆A2rpxnFQ.g (ID: TtH9.zpr)
参照: 会いたかった、会いたかった、会いたかった。


 147 今すぐに




「久しぶりッス、香澄先輩」
「・・・・・・、変わらねぇな」
「香澄ちゃーん!!会いたかった!!」
「吃驚しただろ??」
「香澄!!久しぶりだな」
「・・・・・・、たるんどる」
「懐かしいものだな」
「俺様のコト、忘れたとは言わせねぇぜ??」

口々に、皆が言う。
それだけで、香澄の中にたくさんの記憶の波を押し寄せる。

「皆・・・・・・っ」

ずっと、ずっと、



言いたかった。







「ありがとう・・・・・・っ」







護ってくれて。
愛をくれて。
生き残らせてくれて。

私、色んなモノ、皆からもらったよ。



「んなの、全然構わねぇよ!!」



桃が、うしろから香澄に抱きつく。

「桃、」
「泣いてんのか?泣き虫」
「うるさいっ」

香澄は、皆の顔を見る。
すると、1つ1つ、思い出す。


「あ、」


香澄の声が、皆の視線を集めた。


「手塚部長!! 今すぐ、東京へ行ってください!!」


あの日のように、大きな声で。

「東京へ・・・・・・?」
「早く!!今なら、葵先輩の結婚、阻止出来ます、行ってください!! それから、リョーマは桜乃ちゃんのトコロ!!」
「竜崎・・・・・・?」

きょとん、とした表情を皆がしている中、香澄だけが高まる感情を抑えられない。




「早く・・・・・・、大切な人に、会ってきてください・・・・・・!!」





いっぱい、いるの。
皆のコト、忘れられない人達が。
いっぱい、いるの。
だから、早く。









帰ろう。





あの日へ。



——————



「「懐かし、」」

桃と香澄は、同時に声を出した。

「この隣同士に並んだ家・・・・・・、なんとも言えねぇなぁ」
「そうだね、私も、久しぶり」

新幹線の中で、全てを聞いた。
あの日、香澄を逃がした後、大規模な爆発が有ったそうだ。
その爆発は、“反BR組織”という者が仕掛けたモノらしく、BR幹部の目を欺き、島を脱出したらしい。
とはいえ、BRを抜けたことは犯罪に等しい。
桃たちは、組織での生活を余儀なくされた。


「・・・・・・悪かったな。お前をこっちにおいてきたコトが、余計にお前を苦しめたんだな」


桃は、家の前で切なげに言う。
香澄は一生懸命首を振った。

「そんなの、違うよ」
「でも、」
「違うの。私、何度感謝したことか」

香澄は、笑ってみせる。



「それから、何度、謝りたかったか」



桃は香澄の頭をポン、と撫でた。

「やっぱり、悪かったよ」
「良いって、言ってるのに」
「悪かった」
「バカぁ・・・・・・」

また、涙がこみ上げてくる。
一体どれだけ、苦労したんだろう。
桃はどれだけ、辛かったんだろう。


もう1つだけ、伝えても良いですか??




















「スキ」

















「かす、み」

香澄は桃の胸に飛び込んだ。
桃はそれを受け止め、抱きしめる。

「テニス、してるんだぜ?? 不二先輩との、約束だからよ」
「うん、私、会社のテニス部のマネージャーしてた」
「約束、だもんな」


仲間を失った、悲しみはまだ、胸に残るけど。




もう、振り返らずに、










前を向ける。










逢えなくても、声が聞けなくても、ココロにずっと。











皆はいる。





「香澄!!武くん?!」

家から、香澄の母が飛び出す。

「お母さんっ」

隣の家からは、桃の母が。
吃驚しすぎて腰を抜かしている。





此処から。















此処からまた、始められる。















キミと一緒に、人生を。
































































繋いだ手を、もう2度と離さない。