二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN】 大空の覚悟 ( No.12 )
日時: 2010/02/05 06:54
名前: 銀翼 (ID: lwFCsR23)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

    標的14

「おっす、ツナ!」

翌日の土曜日の朝、綱吉は山本に呼ばれ、山本の家の寿司屋へ足を運んだ。

「山本、何か用があるんじゃないの?」

「あぁ。俺、キョーヘーさんだっけ?と手合わせしたくてな。ツナ、頼んでくんねぇかな?」

山本が手を合わせて綱吉に言った。

「恭平さんと!?昨日の見たでしょ!?すっげー強いんだよ!?」

「だからだよ。強い奴と戦え。スクアーロもそんなこと言ってたからな。」

山本は何かを決心したような眼差しで綱吉を見つめた。

そんな山本の気力に綱吉は何も言えなかった。

———すごいな、山本・・・・・。

その時だった。

綱吉は何かを感じた。

とても、気味の悪い何かを————。

「ツナ!?」

綱吉はその気配がする方へ走って行った。

山本も綱吉を追う。


たどりついた先は何と、綱吉の家の前だった。

家の前には、紫のオーラにまとわれた銀髪の青年だった。

「おい。あんた何してんだ?」

山本が綱吉の前に出て、銀髪の青年に聞いた。

「さすがブラッドオブボンゴレ、“超直感”だな。ま、少し気配を出しすぎた俺が言うのも何だけど。」

銀髪の青年は山本達に見向きもせず、綱吉の家を見上げながら言った。

その時、綱吉の超直感がまた何かを告げた。

———こいつは、ヤバい———

綱吉は死ぬ気丸を即座に飲んだ。

そして、オレンジ色の炎を額とイクスグローブに燈した。

「誰だ、お前。」

綱吉が聞いた。しかし銀髪の青年は家を見ているだけだった。

「答えろ。お前は誰だ。その家に入ってみろ。お前の安全は保証しないぞ。」

綱吉はさらに続けた。すると、銀髪の青年はエメラルド色をした瞳で一瞬だけ綱吉達を見た。

そして、家の門へ足を前に出した。

その瞬間、綱吉は猛スピードで銀髪の青年に向かっていき、炎を燈す拳を振り上げた。

だが、銀髪の青年はそれ以上の速さで綱吉の腕を掴み、綱吉を地面へ落とした。

「ツナ!!」

山本が時雨金時を取り出すと、銀髪の青年は綱吉の腕から手を離した。

「やめろ。俺は暴れたくない。」

青年は呟いた。

綱吉は即座に1メートルほど青年から離れた。

「お前、何者だ?」

綱吉が聞くと、青年はうつむいていた顔をあげ、綱吉の方を見た。

「逢賀行正。」

行正は言った。

「アイガ・・・ユキマサ・・・?」

「あぁ。シエロファミリー6代目雲の守護者、逢賀行正。」

行正は悲しげな顔をして答えた。

「あ、あなたが・・・っ!!」

綱吉はその瞬間、額の炎を消した。

「ユキ!」

その時、蒼羅が駆けつけてきた。

「蒼羅。久しぶりだな。」

「大丈夫なの?」

「ちょっと疲れちまったけどな。」

行正は蒼羅を見て、微笑んだ。

「あの、蒼羅さん・・・。」

「蒼羅でいいですよ。彼はウチの雲の守護者です。」

蒼羅は綱吉の方へ笑顔で言った。

「そうなのか?だったら俺ら悪いことしたのな。」

山本は申し訳なさそうな顔で言った。

「別に。お前らの方をちゃんと見なかった俺も悪いしよ。」

行正は急に元気を取り戻したのか、明るい笑顔で答えた。

「良かった、大丈夫そうだね。」

「だからそう言ってるだろーが。」

蒼羅も笑って言った。

「あの、昨日恭平さんが行正さんはそんなに時間がないって言ったたんですけど、時間大丈夫なんですか?」

「時間?」

「あ、正確には色々あってあまり長い時間同行できないとか・・・。」

綱吉がそう言うと、蒼羅は戸惑った。

まるで、何かを言うべきか否か迷っているようだ。

そんな蒼羅を見て、行正はため息をついた。

「いんじゃねーの?我らがボンゴレ同盟のボスさんだぜ?」

「そうですね。じゃあ話しましょうか。」

蒼羅は一度深呼吸をした。

「ユキ・・・この逢賀行正は有幻覚です。」

「え・・・・!?」

「ユキは雲と霧の波動が流れているから幻覚を作ることも可能なんです。」

「でも何で有幻覚なんか・・・・。」

そう言った途端、何か金属が地面に落ちた音がした。

クロームだ。

「有・・・幻覚・・・・?」

クロームはおびえた顔でつぶやいた。

「あぁ。クローム髑髏。お前が考えてる事は合ってるぜ。」

行正が言った瞬間、クロームはビクッと反応した。




「俺は、復讐者の牢獄の囚人だ。」




行正が明らかにした瞬間、あたりは静まりかえった。

「じゃ、じゃあ・・・逢賀さんの体は・・・。」

「あぁ六道骸みてーに光も音も届かない最下層の水槽にぶち込まれてるよ。だからあんまり力を使いたくねぇんだ。」

「骸様は!?骸様は無事なの・・・!?」

クロームは行正に駆け寄り、泣きそうな目で聞いた。

「知らん。ただでさえ目をふさがれてるのに他の囚人の事なんて知るかよ。」

「・・・・・骸様・・・・。」

「これ聞くのは悪いと思うんだけどよ、どうして復讐者の牢獄に入れられたんだ?」

「禁術に手を出したんだ。それも一生かけても償えない術にな。」



     続く