二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN】新たな大空 ( No.6 )
日時: 2010/01/24 07:05
名前: 銀翼 (ID: lwFCsR23)

     標的8

裏山へと案内したのは綱吉だった。

ヴァリアー戦での修業で裏山の全てを知り尽くしてたつもりだったからだ。

「ボス・・・」

沈黙の進行の中、クロームがつぶやいた。

「ボス、道に迷ってない・・・?」

「えっ!?」

綱吉はあたりを見回した。

そんなはずはない。同じところをぐるぐる回ってもない。

きっとクロームは初めてきたから混乱してるんだ。

「大丈夫だよ、クローム!ほら、行こう?」

綱吉が言うと、クロームは小さくうなずいた。

集合はあの崖の上。

あそこは山奥だから距離もある。

大丈夫、迷ってなんかいない。

「沢田!あれじゃないか!?」

了平は大声で言い、奥の方を指さした。

「うん!あの崖の上だよ!」

やっと崖の下にたどりついた。あの体力をつけるのに使った崖に。

守護者たちは、崖を登り始めた。

ランボは山本が背負っていた。

「クローム、どうしたの?」

綱吉が登り始めた時、クロームの異変に気付いた。

彼女は登ろうとしないのだ。

登れないのか?そう思った。

スカートとかの問題で一番最後に登ると思ったけど、まず登れないっていう問題なのか?

「十代目〜!大丈夫ですか!?」

すでに頂上に登り終えた獄寺が聞いた。

「クローム、登れないの?なら手伝おうか?」

綱吉はそう言って、クロームに手を差し出した。

「違う。」

「え?」

「おかしいよ、ココ。」

「おかしいって?道には迷ってないよ?」

綱吉はクロームが理解できなかった。

一体何が変なのか?

「あっ!!」

クロームが声をあげた瞬間、崖は滝へと一瞬で変わった。

「うわっ!!」

崖を上っていた獄寺、了平、山本、ランボは滝底へと落ちていく。

「皆、大丈夫!?いったい何があったんだ・・・!?」

「やっぱり・・・・。」

クロームがつぶやいた。

おかしいというのはこのことのようだ。

「すげーな。ツナ、今までのは全部幻覚だ。」

リボーンが腕を組みながら言った。

「幻覚!?森に入ってからのは全部かよ!?」

「あぁ。こんな長時間、大規模な範囲にリアルな幻覚となれば、相当な術者だ。俺もかかっちまってたしな。」

リボーンは感心しながら言った。


「さすがだね、アルコバレーノ。」


滝の上から、落ち着いていて凛とした声が聞こえた。

そこには、天パのような金髪、黄色の綺麗な瞳、羽毛パーカーがついている長いコートを着ている若い男が拍手をしながら立っていた。

「ただ、肝心のボスが見抜けなかったっていうのには残念だな。」

男が行った。そしてなんと、滝から飛び降りた。

「あぁ!危ない!」

綱吉が言った途端、

男は黒くて長い槍を取り出した。

「飛べ。」

男が言った瞬間、槍の持ち手に大きい純白の羽が生えた。

そうして、男は華麗に着地した。

すると、槍の羽は槍の中へと戻って行った。

クロームが持っている三叉槍と同じような槍なのに、どうして羽が生えたんだ?

クロームも疑問でいっぱいだった。

「あぁ、これね、僕の武器。君が持っているのと同じ性質だよ、多分。ただ僕のは一叉槍だけどね。」

男は微笑みながら言った。

「紹介が遅れたね。僕は野上渚。シエロファミリー6代目霧の守護者。さっきはイタズラしてすまなかったね。」

渚は言った。

あんなすごい幻術をイタズラで済ませたのだ。


   続く