二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN】 大空の覚悟 【未来編】 ( No.67 )
- 日時: 2010/02/21 08:38
- 名前: 銀翼 (ID: lwFCsR23)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
標的30
「う、ん〜〜。」
何かが肌にふれ、かゆくなったので、綱吉は目を覚ました。
森だ。
自分の棺桶があったあの森。でも今、自分がいるのは森のど真ん中だろう。少なくとも棺桶の中では無かった。
でも10年後の自分と入れ替わったのだろうか?
ただ未来に来ただけかもしれない。
もしかしたら、未来の自分に会えるかもしれない。
綱吉はその思いを巡らせて、森を探索した。
守護者たちとは離れ離れになったしまった。
あの時は獄寺がいたから気を落ち着かせられたのだろうが、今は誰も傍にいない。
辺りは暗くなり、綱吉の心臓はバクバクし始めた。
すると、ガサッと何かが通った音がして、とっさに木の陰に隠れた。
「それで隠れてるつもり?物音立てすぎなんだけど。」
声がした。日本人だ。
「その怯えた吐息は沢田綱吉かな?」
その言葉に、綱吉はドキッとした。
「どうやらそうみたいだね。」
声の持ち主は、綱吉に向かって歩き始めた。
草木のガサッガサッという音がするたびに綱吉の心臓はバクバクする。
ある青年の顔が見えた瞬間、綱吉は
「ど、どうか命だけはっ!!!」
とその場に座り込んでしまった。
最高のヘタレッぷりだった。
「静かにしてほしいなあ…耳が痛くなる」
青年はそう言い、綱吉に手を差し伸べた。
「え?」
「僕は梔子彩人。シエロファミリーの一員だから安心していいよ。」
「シエロの・・・!?」
綱吉は彩人の手を取り、立ちあがった。
「10年前の沢田綱吉だよね。この時代に何か用?」
「お、俺、恭平さんに、えと、復讐者の伝言で、全てが、あ、虹の光で、未来に・・・っ!」
「説明はもっと簡潔にしてほしいね。虹の光ってアルコバレーノの共鳴の事?」
「いえ。ボンゴレリングから出た炎が虹色の子供みたいな形になって・・・。」
「へぇ。僕も見たかったな。本では読んだことあるんだけど・・・。期待してたとは思うけどこの時代の君達はきっと、その虹の子供とお茶会でもしてるよ。」
「お茶会?」
「簡単に言えば、入れ替わったって事。」
彩人が言った途端、綱吉は肩の力が抜けた。
10年後の自分に会えるとどこか、心の奥で期待していたからだ。
「夜の森は危険だからさっさと出よう。」
「さっさとって・・・。どのぐらいかかるんですか?」
「10歩程度。君、勘違いしてるだろうから言っとくけど、ココは森の入口付近だよ?」
「えぇ!?」
彩人はそう言って、歩き出した。
10歩程度歩くと、本当に森を出られた。
どこかの街外れだった。
「誰かそこに居るのでしょう?出て来たらどうです?」
また声がして綱吉はビクッとした。
でも今度は優しい感じの声だった。
声は上からして、見上げると小屋の屋根で読書をしてる青年がいた。
「ボンゴレ10代目だよ。君、自分のボスも分からないのかい?」
彩人が言った。
すると青年は本を閉じ、クルリとしなやかに回転して、地面に降り立った。
「初めまして、僕は錆螺唄と言います。」
「ど、どうも。」
「すみません。僕が知ってるボンゴレボスはもっと立派な方なんで。」
その言葉に綱吉はグサッときた。
「失礼だね、君。」
「あなたこそどうなんですか?その上着からして、シエロの人間なんでしょうけど無礼にもほどがあります。」
「あ、いや、喧嘩はやめてくださいって。」
綱吉が言うと、唄はため息をついた。
すると、彩人が
「ウチのボスに会いたいんだろう、要するに。だったら僕についておいで。」
そう言い、歩き始めた。
綱吉はその時、ドキッとした。
10年後の恭平は何をしているのだろう。
続く
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やっと唄が出せましたっ。
藍さん、遅れてすみません><
dear夜琉→キセはもうちょっと待ってて下さい。