二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ†君と一緒に†番外編UP ( No.444 )
日時: 2010/03/13 23:17
名前: 月音 ◆MoYaKs53do (ID: ixDFu4/i)

番外編「この気持ち」
*悠→優→赤⇔黄という片想い

+ユウナSide+

知ってたよ。無理だって事くらい。でも、それでもさ、私は……貴方が好きなんだよ
でも、さ、貴方は私を「妹」くらいにしか想っていないんでしょ?
それが、辛い

「レッドー!!」
「よっ、ユウナ!!」

私が貴方に逢いに行くと、貴方は笑顔で私を撫でてくれる。それが一番、嬉しかった
でも、さ

「そういえば、今日はイエロー来れないんだよなー」

って、少しだけ寂しく笑った

「そうなんだー。イエロー来ないと、寂しい?」

この嘘つき。私は心の中で喜んでるくせに。でも、本音を言ったら絶対嫌われる。イエローの事好きだとかって言う前提に、貴方は友達想いだから

「うん……。やっぱり、“好きな人”が居ないとちょっとな………」

好きな人……か。やっぱり、私じゃ役不足だよね、そうに決まってるよね……だって貴方は私の事「可愛い妹」くらいにしか想っていない

「やっぱり、レッド、イエローの事好きだったんだね」

そういったら、貴方は顔を紅くして

「え、あ……うん。好き」

その「好き」が私に向けられていたらどんなに嬉しかっただろう
今の私にとって、貴方の「恋する笑顔」は胸を突き刺すくらい、痛い

「そういえば、ユウナはユウトの事好きなんだろ?」

………、どうしよう、なきそうになってきた
気持ちが伝わらないじれったさと私の勇気の無さに

「違うよ、私には他に好きな人、いるもん」
「え、誰!? ゴールドとかシルバーとか?」

違うよ。レッドだよ。そう答えれば良い?
無理だよ。そう言ったら貴方。無理して私の事好きになろうとする。そう言う人だもん

「かもしれないね」

こう言うしか、他にない

「かもしれないって……。本当、可愛いよなユウナは」

ハハ、と笑ってまた頭を撫でる。また「妹」扱い
それに痺れを切らしちゃって

「ッ……優しくしないでよ!!!」

ついに、言ってしまった。貴方は驚いて瞳を見開いている

「え、どうしたんだよ……」
「言ったとおりだよ!!! 私の事好きでもないのに…優しくしないでよ!!!」

優しくされた方が、傷つくよ。

「………俺、ユウナの事……」
「“好きだよ”なんていわないで!!! 私への貴方の“好き”は仲間としてでしょ!?」

その“好き”が欲しいんじゃないの。「恋愛」としての“好き”が欲しいの。なんて、言えない


「………帰る!!!」

         *

とぼとぼ、と俯いて歩いてたら、人にぶつかった

「すいませ……ブルーさん……」

ぶつかったのは、ブルーさんだった

「あら、ユウナ。……泣いてるの?」

ブルーさんは心配そうに私を見る

「何でも、ないです……」
「嘘ね。レッドとなんか遭った。ズバリでしょ」

あぁ、思い出した。この人に嘘はつけないんだった

「ココで話すのもなんだし、アタシの家でゆっくりきいてあげるわ」
「………シルバーは」
「今日は居ないわ。大丈夫よ」

          *

ブルーさんの家にあがると、ブルーさんが温かい紅茶を持ってきてくれた、そして向かい合わせで座った

「さて、どうしたの?」

「あの、ね—————」

さっき会ったことを話すと、ブルーさんは


「あの鈍感が………人が傷ついてるのも知らないで……」

他人事なのに、本気で怒ってくれる、そういう人

「ちょっと一発レッド殴ってくるわ」
「い、いい、いいです!! そこまでしなくても!!」

でも本気になりすぎるところが玉に瑕

「でも……良いの? ユウナはそれで」
「………本当は、片想いなんて、嫌です。でも、」
「でも?」
「私は、レッドが進むほうへ向かったほうがいいと想うんです」
「ユウナ………。判ったわ、でもねユウナ」

ブルーさんは私の瞳を見て言った

「“伝えるか”、“伝えないか”って言ったら、レッドが困ってでも伝えるべきよ。そうでもしないとアイツ、一生気付かないから」

それに、どう返答していいのか迷ったから

「………はい」

と答えた

          *

シンオウに帰る途中、また貴方に出くわした
でも、嬉しさのカケラもなかった。だって、だって…

「ユウナ………」
「ユウナさん…」

イエローと居たから

「あ、はは。仲良しだねお二人さん!!! じゃぁ私は帰るから。じゃぁね!!」

精一杯の笑みで別れる。レッドが何か言おうとしてたけど、気付かないフリしてチルタリスの背中に乗って帰った

「ッ………。ねぇミチル……私、どうすればいいの……?」
『……』

レッドに逢いたい。カントーに行きたい。でも、でも……2人が一緒に幸せそうに歩いてるとこなんて、見たくないよ……

気付いたら、泣いてた。その時、ポケギアの電話が鳴った

「もしもし…」
《……ユウナ、泣いてるの?》

電話の相手は、私の幼馴染…ユウトだ

「泣いてなんか…」
《嘘。ユウナ絶対泣いてる。レッドとなんか逢ったでしょ》

どうして、私はこの人にも判ってしまうんだろう

《早く帰ってきて。温かいの作って待ってる》

そう言って、ユウトは電話を切った

「ミチル、速度、あげて」
『判ったわ』


         *

家に帰ったら、本当に暖かいココアと、きっと手作りのクッキーがおいてあった

「お帰り、ユウナ」
「……ただいま」
「寒かったでしょ? 手洗ってココア飲もう?」

笑って、何も訊かずにユウトは言う
その笑顔に少しだけ胸が軽くなった

「………ありがとう」

続く

続きます。はい(