二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ†君と一緒に†番外編UP ( No.445 )
日時: 2010/03/14 00:17
名前: 月音 ◆MoYaKs53do (ID: ixDFu4/i)

番外編「叶わないはずなのに」
+ユウトSide+

きっと、初めて出逢った時、あの笑顔を見たときから
ずっと、ずっと俺は君を想っていた
でも君は俺じゃない人を好きになった
その人にも、好きな人が居た
でも君は諦めなかった

でも、今日……君はその人のせいで泣いていた

シンオウからカントーは遠い。遅く帰ってくるのは当たり前
でも今日は何故か電話をかけた。胸のどこかがざわついたから

2〜3回のコールの後、鼻声の君の声が聞こえた
泣いてる。直感で思った

「………ユウナ、泣いてるの?」
《泣いてなんか…》

嘘、強がってる。それが君だから。
つらい事があっても自分だけで背負ってる。そんなのずっと続けてたら、壊れちゃうよ

「嘘。ユウナ絶対泣いてる。レッドとなんか逢ったでしょ」

無言。きっと図星なんだろうね

「早く帰ってきて。温かいの作って待ってる」

そう言って、一方的に通話を終わらせた

「……はぁ、」

ユウナの事、一番判ってるのは俺なのに
どうして君はレッドを好きになってしまったんだろうね………

まぁ、ココアと…クッキーあげよっか

           *

丁度テーブルにココアとクッキーを置いたときに、君は帰ってきた
空の上でも泣いてたんだ。だから瞳がはれてる

「お帰り、ユウナ」

せめて、笑顔で迎える。君は消えそうな声で返した

「寒かったでしょ? 手洗ってココア飲もう?」

そう言ったら、君は「ありがとう」って言った


        *

ココアを飲んだ後、君は真っ直ぐ部屋に行った
「一人にして」と背中から伝わる
それくらい長い歳月を過ごしている

「あーぁ……、どうして、伝わらないんだろう……」

きっと、部屋に居る君と同じ考え
似たもの同士、過去も、想いも、何もかも
違うのは、お互いの想いだけ

「ユウナは鈍感だもんな……。気付くわけないか…」

きっとまた、同じ考え。君とレッドは似ている。色恋沙汰にとことん鈍いところが
それに、自分に対して。自分の気持ちには直ぐ気付くくせに。人の気持ちなんて全然わかんないんだ

「……レッドと、出会わなければよかったのかな……」

つまりそれは、俺達が「図鑑所有者」にならなければよかった。と言うのと同じこと

でも、もしそうだとしたら、俺達はきっとつぶれていた
俺達は、同じ気持ちを持っている先輩、同僚。支えてくれる仲間が居て、今がある

「……明日、カントーに行こう」

ユウナはきっと明日行けない。…行きたくないだろう

「………寝よ」

カントーにいくなら、早起きしないと、ね

たとえ 君のためなら 俺は悪役になっても 構わないよ

続く

つづきまh(