二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ†君と一緒に†33話UP ( No.470 )
日時: 2010/03/22 10:01
名前: 月音 ◆MoYaKs53do (ID: ixDFu4/i)
参照: 五章・始動——?←

#34  何、故 +ユウトSide+

それは、俺達がキッサキに向かっている途中に起こった事

吹雪の中、俺たちはグレイを進化させるための岩を探して歩き回った

「あーさささざさむいいい………」
「こ、この寒がり……寒い……」

俺は元々寒がりで寒いところは余り好きではない
しかもよりによって吹雪。最悪だ

と、その時
サンが何かを見つけたように走っていき、ルナもその後を着いていった

俺たちは顔を見合わせ、二匹の後を着いて行った



二匹が居たのは、探していた岩の前

「見つけた!!!! でかした!! サン!!!」
『当然です』

俺は凍える手でサンの頭を撫でると、サンは照れてそっぽを向いた

「ユウト、進化進化!」
「あ、うん!」

俺はモンスターボールからイーブイのグレイを出す
グレイも寒がりなのか、震えていた
早くしないと……

「グレイ、この岩に触れてみて」
「ブイ〜?」

見るからに冷たそうな岩に何故触れなければならない
と訴えるように茶色の瞳で見るグレイ

「………この岩に触れると、お前は強くなるんだ
どうだ? 強くなりたいか?」
「ブイッ!!」

今度は力強く頷き、岩の方へ歩いていった
暫くすると、身体が光り、グレイは茶色の身体から水色の体へと変化していた。そう、グレイシアに進化したのだ

「よしっ!!! 宿題終了!!!」
「やった! ……でもさ、帰るよりキッサキに行かない?」

戻るのいやだし。と付け加えてユウナは言った
確かに、キッサキまで目と鼻の先(だと思う)

「よし、じゃぁキッサキに行くか!!!」
「うん!!」


          *

キッサキのポケサンは、暖かくて天国のようだった
この時までは

「はい、ココア」

ソファに腰掛けていた俺に温かいココアを差し出してくれた

「ありがとう。……温かい」
「ね。……でも、」
「?」

ユウナのほうを見ると、胸を押さえて、瞳を閉じていた

「ユウトと居ても、私は“ココ”が暖かかったけどね」
「………それって、“好き”って意味?」
「んー………。確かに私はユウトの事好きだけど
それ以上に、“大事”……かな」

大事……。俺はユウナを、家族として“大事”で異性として“好き”………
でもユウナは、異性として“好き”なのはレッド……


そういえば、俺、まだ想い伝えてなかったような……


「あの、さ……ユウナ」
「ん? 何?」

いざ言おうとすると、緊張する
でも………!!

「俺、ユウナの事———」

言おうとした瞬間、悲劇が起こった

「キャァァァァアアアア!!!!」

室内中が叫ぶ。何事かと辺りを見回せば


………あの時の奴等………!!!!


「……あんた等、何の用? この前みたいに“過去”見せるわけ?」

いつの間にか、ルナとピルを出しているユウナはもう本気になっていた

黒尽くめの奴は、言った

「いや、今俺達に用があるのは……。お前だよ。“宝来優奈”」
「!? っ…何故……なんで私の本名を………!?」

そうだ……如何して、如何してお前等が……?


「どうでもいいだろ、来てもらおうか」
「ッ、嫌だ!!!! ピル! “電光せっ……
「いいのか? ココを崩しても」
「ッ………!!!」

何も出来ないユウナの元に男は歩み寄り
腕を掴んだ

「放して!!!」
「いやだね。これ以上逆らうってんなら……」

男は腰に付けたボールから、オレンジ色の……


「っぁ……カイリュー……?」

そう、カイリュー……。ユウナの唯一苦手なポケモン

『ユウト、何ボーッと突っ立ってるんですか!
助けますよ!!!』
「サン………。あぁ、判った。“ねんり……」

“念力”を繰り出そうとしたとき、俺の首筋に
緑色の刃のようなものが現れた


「あ、あぁあ………。は、もの………?」

「正解。刃ポケモン、エルレイドの刃だ」

こいつ等……俺達の弱点を知り尽くしてる………
ユウナのほうを見たら、既に気絶していた


「動くなよ。首が吹っ飛ぶからな」
「ッ………」

そして、俺はそのままユウナが連れ去られていくのを見るしか出来なかった………


「ッ……うあああああああああああッ!!!!」

俺は床に膝をつき、嘆いた


続く