二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ポケスペ†君と一緒に†記念話UP ( No.490 )
- 日時: 2010/03/26 20:10
- 名前: 月音 ◆MoYaKs53do (ID: ixDFu4/i)
#36 恐れ
ゴールドは、ユウトを二階へと連れて行き
今戻ってきたところだった
「………前にもこんなこと、あったよな。クリス」
「え、えぇ…。レッドさん達が石化してしまった時にね」
石化。それは一年前のナナシマ・カントーでの事件の時
幹部のサキから放たれた光線を唯一免れたのがユウトだったのだ
「俺達も、“アレ”を見た時は呆然したけど…
ユウトはもう放心状態だったからなぁ……」
ゴールドは頭をかきながらため息混じりに言う
「………確かに。もし俺がユウトの立場でも、きっと………」
ショックだったと思う。とレッドは言う
「………博士、ユウトは……何を“恐れ”ているんです?」
「ユウトは、大切な“何か”が自分から離れる…失う事を、恐れているんだ…」
ブルーの問いに、ナナカマドは静かに言う
大切な“何か”
それは、人・物……本人が大切にしているモノ
それを失う事をユウトは恐れているというわけだ
「そっか、それで…俺とユウトさんが始めて逢った時
落ち込んでたのは……。っていうか、何て言えば……」
エメラルドは一年前の出来事を思い出すかのように腕を組んだ
その時、階段を下がっていく音が聞こえた
その音にゴールドとシルバーが振り向く
そこには、覚束ない足取りのユウトが手すりを掴んで歩いていた
が、踏み外し、階段から落ちかけたのを、ゴールドとシルバーが支える
「ユウト!?」
「おい、大丈夫か!?」
「は……はは……大丈夫、ありがとな……」
傍から見ても「大丈夫じゃない」状態だが
それはあえて言わなかった
「……で、何で起きたんだよ」
「ん………。ユウナ………助けるためにだよ……」
「ちょ、今からいくつもり!? いくらなんで…・・・
「でも!!!! 行かなきゃ、ユウナが……!! 死んじゃう!!!」
その言葉に、シアンが反応し、ユウトの元へ行った
「何故、判ったんです?」
「………判らない。でも、“視えた”んだ
ユウナが、狭い牢に閉じ込められた景色が……」
「……“時視”……」
「と、とき…み? っていうか、誰?」
ユウトはきょとん、とした顔でシアンを見つめる
「私はシアン。海魅詩亜…。聞いた事はあるでしょう? 影と暗を司る一族の1人です」
「………ミオシティにある、あの豪邸だね」
「はい、そして、神崎悠斗。貴方は……時間を司る者です
時間の神、ディアルガの能力を受け継いだ子、それが貴方です」
「—————————は? お、俺が…? 本当? じっちゃん」
ユウトは困惑して、ナナカマド博士に話をふる
博士は、無言で頷いた
「………、シアン。君の話は信じる
ディアルガの力は“時間移動”その能力を受け継いで
俺は“時間を視る”ことが出来る。そうだろ?
ってことは、兄貴は“空間”って事?」
正確は推理で、シアンは目を丸くしたが、すぐに頷いた
「ってことは、さっき視たのはユウナの未来……
それも、ほぼ確定された………」
「はい……。ユウナは私達と同じ神の能力を受け継いだ子です
………意味、判りますよね?」
「あぁ。こう来れば、ユウナは……アルセウスとダークライの能力を受け継いで、アルセウスの能力を寄り多く継いでる……でしょ?」
「はい」
何故さっきの短い説明で全てが判ったのかは置いておき
レッドは言った
「シアン、君は……ユウナが連れ去られた場所、知ってるね?」
「………はい。ユウトの話で確定しました」
「それは………何処?」
一瞬の静寂
レイシン カムイ
「————麗神地方、神シティ…です」
歩いて、歩いて。2人でずっと歩いて
過去を背負って歩いてきて。
でもそれは、もう少しで、終わるから————
続く