二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ†君と一緒に†37話UP ( No.504 )
日時: 2010/03/27 09:34
名前: 月音 ◆MoYaKs53do (ID: ixDFu4/i)

#38  闇の牢獄

「……ん………。ここは………? って、えっ!?」


ユウナは目を覚ますと、自分の手首は枷で動けない
「アレ」を隠せる唯一のカーディガンもない
そして、閉じ込められている場所

窓も無い。……つまり、牢だ


「はぁ………。っていうか、何でこんな事に……」

ユウナは起きたばかりの頭を何とか回転させ
記憶を遡った


「………そうだ、私連れ去られたんだった……
………よく人質にとられることはあったけど、連れ去られるのは初めてね………」

自分でも呆れるほどの平常心で居られるな、とため息をつくユウナ

……でも、それでもユウナの顔は何時もより強張っていた

「………ルナたちが……居ない……」

恐らく、カーディガンと一緒に何処かへ行ったのだろう
まぁ、そちらの方は心配ない。フィアの除く5匹は修羅場馴れしている
逃げ出して敵に遭遇しても何とかなるだろう

問題は………自分
縄なら兎も角、これは枷。それに鉄格子に閉じ込められている状態。抜け出すのは無理だろう

「………、何か、おかしい………
なんで………“ココ”が懐かしい…っていうか、“来た事”がある。って思ってるの……?」


ユウナは目が覚めてからこの場所に違和感を覚えていた
来た事も、見た事もない。それなのに、記憶の片隅で“居た”と、思っている


「………まさか、私が生まれて、5歳まで居た……
つまり、私の……本当の家?」

「その通り。流石僕の娘だね」

「!! 誰!?」

牢の向こう側から声がし、ユウナは振り向く
声の主は……自分とは少し違う明るい茶色の髪
蒼い瞳………

初対面だが、本能が悟っているこの人は……


「…………お父さん………?」

「そうだよ、覚えて……無いよね。ユウナのことだ
“もしかして”程度だろう」

「…………本当にお父さんだね?」

ユウナは少し涙ぐんだ声で言った
お父さん。否ユウリは優しく頷き、真剣な瞳になった

「あぁ。………なぁユウナ
………5歳以前の事……受け入れる覚悟はあるか?」

そう問いかけられ、一瞬戸惑ったが
ユウナの答えは………

「あるよ。そう訊くんだったらきっと辛い過去。って事でしょ。……でも、きっと大丈夫」

「そうか、なら……ゲンガー、“催眠術”」

ユウリはボールからゲンガーをだし、ユウナを眠らせた
依然、ユウトを眠らせた“過去を見せる催眠術”だ


「………大丈夫さ。ユウトも目が覚めたんだ
ユウナだって………」
『大丈夫ッスよ。10年前、俺は娘さんを傷つけた
でも、娘さんは屈しなかったのだから』
「そうか、………その説明で納得するのはちょっとアレだが、おまえがそう言うなら、信じよう」


そう言い、ユウリはゲンガーの頭を撫でた
そして、ゲンガーをボールに戻し
壁にもたれかかって呟いた

「………3大神が暴走するとき、世界が終わる……
……いや、きっとその悲劇は起こらないだろう」

続く