二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様 -いつでもキミのすぐ側に オリキャラ募集- ( No.8 )
日時: 2010/01/23 22:40
名前: ?? (ID: 2nrfRM.C)

 -第1話-


4月。 
新学年、新たな想いが始まる季節・・・かも?

「お疲れーっス 葵先輩!」(桃)
「お疲れー 頑張ったねェ」(英二)
「・・・」(葵)

桃と英二が、ニヤニヤして近づいてくる。
手には、“スーパー乾汁”という訳の分からないモノを持って。

「惜しかったなー あと1周・・・ 
 データで言わせてもらえばこうなることは明らかだったけどね」(乾)

む・か・つ・く

「はい。 スーパー乾汁」(乾)
「くっそー・・・」(葵)

手渡されたコップの中をおそるおそるのぞく葵。
そこには緑色の液体。

「なに? コレ」(葵)
「材料は企業秘密だ。 さっさと飲め」(乾)
「うぅ・・・」(葵)


「・・・てコトがさっきあったの」(葵)
「そうですかァ・・・災難でしたねェ」
「不味かった。 今まで食べたものの中で1番」(葵)

“スーパー乾汁”を飲んだ後、手塚に連れられ校門前で朝のあいさつ。
レギュラー陣と話していたら、また少しだけ遅れそうだったから、手塚に腕を引っ張られた。
それが珍しくて嬉しくて、苦くて不味かったのも忘れてしまいそう。
困り顔も次第にゆるみ、にやけてしまいそうだ。

「イイコトありました?」
「え。 うん。 ま、ちょっとね」(葵)

葵の表情を見れば、何かあったことくらいすぐに分かる。
それが青学バスケ部2年、生徒会の頼れる副会長、川崎蜜柑だ。

「鋭いねェ・・・ 蜜柑は」(葵)
「そーですか? ・・・フワァァ」(蜜柑)

そうかと思えば大あくび。
そして一気に寝てしまう。
髪型を見れば、寝るつもりかそうでないかくらい一目瞭然。
ストレートに赤いリボンは、寝るつもり。

「立ったまま寝ないでよねッ」(葵)

葵は、無意識に肩に寄っかかってくる蜜柑の頬を突きながら言う。

「こんな姿見られたら、手塚に怒られちゃうじゃんか「何が?」・・・へ?」(葵)

独り言を呟いたつもりが、いつの間にか現れたこの人。

「不二先輩!」(蜜柑)
「おはよう、蜜柑ちゃん」(不二)

突然現れた不二を前にして、目をぱっちり開ける蜜柑。

「いつからいたの、不二」(葵)
「うーん、結構前かな?」(不二)

相変わらず、侮れない人だと思う。
気配がまるでない。

「ちょっと蜜柑ちゃんにようがあったんだ」(不二)

そしてニコッと笑う。

「この雑誌、貸してくれてありがとう。 アルバム作りの参考になったよ」(不二)
「あ、いえ。 私は、そんな・・・」(蜜柑)
「お礼がしたいから、昼休みに写真室に来てくれるかな?」(不二)

不二が笑顔で一言そう言うと、蜜柑の笑顔もいっそう可愛くなる。
皆、一生懸命恋愛してる。

「はいッ」(蜜柑)


キーンコーンカーンコーン・・・


「あ、予鈴・・・ それじゃ、先輩も頑張って下さいね♪」(蜜柑)
「え、ちょ・・・ 蜜柑!?」(葵)

蜜柑は耳元で呟いて、テニス部の部室から出てきた桃と合流して校舎へ向かう。
校門前に残されたのは、手塚と葵のみだ。
生徒会と入れ替わるように、風紀委員がやって来て遅刻者の確認を始める。
話すこともあまりなくて、気まずくなって、いつも2人の間に微妙な距離が出来るのだけど。

今日は、少しだけ。 勇気を出してみようか?

「あのさ、手塚」(葵)
「ん?」(手塚)
「教室まで、一緒に行こ?」(葵)

勇気は、伝わる?

「・・・ああ。 行くぞ」(手塚)

伝わった。

「うんッ」(葵)

嬉しくて、先に歩いていく手塚を小走りで追いかけた。