二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+テニスの王子様+* 流れ星★と恋心 オリキャラ募集中! ( No.161 )
- 日時: 2010/03/16 19:04
- 名前: 睡蓮華 ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ソラガ、トオイ。ナンデダロウ。コンナニトオクカンジル。
*+第19話+*『正体』
「one set mach 1 game」
審判の声が響き渡る。
サーブは赤茶の男の子だ。
***
「1年生って、あんなに凄いの??」
棗が驚きながら言えば、「まさか」と瑞生は笑う。
「篠鞍 零。青春学園1年のテニス部、準レギュラー」
銀花が詳細を言えば、「凄い。1年で準なんて」と棗は驚きを隠せない。
「おいおい、氷帝にも居るだろ?? 唖李栖が」
佳月は笑いながら棗に言う。
「そうだけど。プロなんでしょ?? そしたら、あの子の方が凄いじゃん」
棗が試合を見ながら言えば、「そうでもないかなー」と捺が呟く。
「実はさ、篠鞍 零ってのは偽名で、暁野宮 輪廻ってのが本名なんだよ」
礼奈が言うと、さすがに驚いたらしく、「えー?!」と叫んだ。
***
「きっと、先輩たちが僕の正体を明かしてるんだろうなァ」
零はみんなを横目で見ながら、ラリーをしていた。
「余所見してると、足元すくわれるで??」
忍足のスマッシュがきれいに入る。
「ざぁんねん」
入ったと思ったら、その場に零が居た。
「片足のスプリットステップ。そういや、持ってたなァ、自分」
忍足の呟きを聞くと、ニコッと笑う。
「そういや、今日、当番だった」
ボソッと零は呟く。
「忍足さーん!! 1点入れ方が勝ちで良いですかー??」
零が手を振りながら言えば、忍足は「了解や」と言う。
「んじゃぁ、そっこーやっちゃいますね??」
零は忍足に回転ボールを渡す。
「っ」
忍足の打ったボールは空高く跳ね上がる。
「今日は、当番なんです。悪く、思わないで下さいね??」
にこっと笑う顔は、小悪魔のようで。
(さすが、双子やなぁ)
なんて、感心している忍足。
***
「ありすー、今日は何が食べたい??」
試合が終わると、鬘を取りながら輪廻はやってくる。
「輪廻が作ってくれるものなら何でも。でも、良いの?? それ、着たままで」
唖李栖が指差したのは、輪廻が着ているレギュラージャージ。
「あ。まぁ、良いか。でも、似合うでしょ??」
輪廻は悪戯っぽく笑う。
「うん。すっごく可愛いよ」
ニコッと唖李栖が答えるので、輪廻は一気に顔が赤くなって。
「そ、そんな答えを言われるとは思わなかった…」
輪廻は両手で顔を隠す。
「輪廻は誰のことを思って、僕に聞いたのかなー??」
唖李栖の問いかけに、輪廻はフィっと顔を横に向ける。
「うっさい!!」
と一言、呟いて。
***
「じゃぁ、先輩方。また今度」
輪廻は左右に手を振りながら、棗たちに笑顔を向ける。
「じゃぁ、棗も帰るね。禮兄ぃと約束したからっ!!」
棗は走りながら言うと、「バイバイ!!」と手を振った。
少女はウキウキ気分で、兄の教室へ向かう。
自分のココロに、ポッカリと空いてしまうことも知らずに。