二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.18 )
日時: 2010/02/03 23:59
名前: うっさー ◆/bzwarKBcE (ID: 3L0NyJ0C)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.php?mode


*+百三十五話+*


「15-30」

あれからどれくらい経ったのだろうか。
赤也は1セットも取れていない。
もちろんだが、輪廻も取ってはいない。
そして、輪廻が点を取らなくては、同点にはならない。





そんな時だった。





「おい、輪廻。もう15分だ」
跡部がコートに向かって叫べば、輪廻は頷く。
そして、ラケットを左手から右手に移す。

「右利き?!」
レギュラー陣は驚く。だが、一番驚いているのは赤也。

「これで、気は済んだでしょ??」
輪廻が呟く。もうスマッシュを打つためにジャンプをしていた。
そして、勢いよくボールは赤也のコートに入る。
だが、跳ね上がることはなかった。


「30-30」


「よくも、唖李栖の手やってくれたね。本当は、仕返しをしたいんだけど」
輪廻は足が地に付くと、赤也に向かって言う。
「弟の願いは私の願いだからね。アンタは唖李栖にやられれば良いよ」
と、言って歩き出そうとした時だ。


「っ!!」


赤也がサーブしたボールは、輪廻の左手首に直撃した。
その反動で、ラケットは輪廻の前の方に飛んでいく。
さっき取り替えたのだ。右から左に。



「アンタ、逃げるんだ??」





相手の言葉に輪廻は振り返る。


そして、少しだけ拙そうな表情に変えた。





「赤い、目」





ボソッと相手を見ると、呟く。



「40-30」


審判のコールで輪廻は無表情に変わった。



「アンタさァ、同点で終わらすんじゃなかった?? カワイイ弟のために」
赤也の言葉に輪廻は舌打ちをする。
「そんなにやりたいんだ。なら、その願い叶えてあげようか??」
輪廻が言うと、唖李栖は「ダメだよ!!」と叫ぶ。

「最初からそーすれば、良いんだよ。まぁ、お前は負けるんだけどな」
赤也は赤目の状態で笑う。輪廻はラケットを取ると、右手に持ち替えた。




「ただし」





透き通るような声で言えば、周りは静まる。









「アンタの腕、壊れてもしらないから。後、負けないよ。ってか、私に勝つ気??」






レギュラー陣の後ろの木の上に男がいた。





立海の男子テニス部ジャージを着ながら、嬉しそうに笑う男。





この問題の張本人。



『柊 紅蓮』





『紅蓮、紅蓮ってば!! ちゃんと、聞いてるの?? な、何度も言わないんだからね!!』





記憶の1ページ。





長い銀色の少女が恥ずかしそうに話す。





「輪廻、銀花に似てきたよな。でも、テニスの腕はアイツの方が上か」