二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.376 )
日時: 2010/03/27 16:15
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: ワラワセナイデ。ゼッタイニ、ワタシハカチツヅケルンダカラ。

*+第百七十話+*


「6-0.win rinne akinomiya」

審判の声とともに、歓声が響く。
だけど、輪廻は無表情。

「輪廻ー、おめでとー!! これで、3回戦通過だよー」
唖李栖が笑顔で輪廻に近づく。
その時、初めて輪廻の顔に笑顔が宿る。

「ふぁぁぁ… 凄く、眠い。時差がまだ直らないんだよね」
輪廻が欠伸をすると、唖李栖はクスッと笑う。
「輪廻ったら。それより、青学は城成湘南ってトコに勝ったみたいよ」
唖李栖の報告を聞けば、「ふ〜ん」と輪廻は呟く。

「手塚部長抜きって聞いたときは驚いたけど、結構行けるんだね」
ニィと輪廻は笑った。
「5回戦になったら、日本に帰れるよ。頑張らなきゃね!!」
唖李栖はいつもの笑顔で言う。

「当たり前よ。絶対に、勝ち続ける」

***

「もしもし、桜乃?? どうかした??」
ホテルに居ると、携帯の着信が鳴り響いた。
電話の相手は『竜崎 桜乃』。
こっちが夜中だから、向こうは昼間??
あー… 時差、わからない。
でも、日本とアメリカの時差は、確か… 17時間??

『ご、ごめんね。遅くに電話しちゃって!!』
行き成り謝罪の言葉を述べられて、少し驚いちゃったんだけど。
「気にしないで。それより、どうしたの??」
私は極力小声で。隣に居る唖李栖を起こさないようにした。

『不動峰の神尾さんが、山吹の千石さんに勝ったんだよ!!』
どこからその情報を入手したのか気になるけど、まぁいいや。
「へぇー… 杏も喜んでるだろうね」
そういえば、桜乃は『喜んでたよ!!』と答えて。

『桜乃ー!! 私にも代わりなさいよー!!』
朋香の声が後ろから聞こえる。
みんな、元気だなァ。
「ふぁぁぁぁ」
大きな欠伸をしたのがバレたのか、桜乃は『あ、もう切るね!!』と慌てて言う。

「ん。おやすみ」
向こうからは、ツー、ツー、ツー。と虚しい音が耳に入る。
「ふぅぁぁあ」
何度目の欠伸だろうか。でも、空が明るくなってきた。

「また、寝れなかった」
カーテンを開ければ、差し込む光が私を照らし出す。
「大丈夫、かな。また、唖李栖に心配、かけちゃう」
瞼が重い。駄目だ。今日も、試合があるんだから。

「輪廻、平気??」
隣から眠そうな声で唖李栖が私に聞く。
「ん?? 大丈夫だよ。全然、平気」
ニィと笑って見せるものの、唖李栖は心配そうな顔。

「寝不足なんでしょ?? 試合中に寝ちゃったらどうするの??」
唖李栖に言われれば、少し不安が出るけど仕方ない。
「へい、き」
あ、あれ?? ありすの顔が、歪んで、みえ、る。


***


「もしもし、銀花??」
僕は輪廻の携帯を取ると、輪廻のトーンで喋る。
『……… ありす、ね。輪廻はどうしたの』
あれれ、ちょっと口調が怖いよ。

「寝てる。こっちに来てから、全然眠れてなかったみたいでさ。倒れた」
僕が言えば、銀花は『そう』と呟き。
「何、僕が襲ったかと思った??」
ククッと笑いながら言う。

『唖李栖なら、するかもしれないでしょ??』
あぁ、酷い言われようだなァ。僕。
「否定はしないけどね。抑えるの、一苦労だし」
嘘、ではない。と思う。

『銀花も行けば良かったかな。唖李栖だけじゃ、心配』
うわぁ。僕でも、そんなコト言われたら傷つくよ??
「僕は試合に行かなきゃ。じゃぁね。銀花」
そう言って、携帯の電源ごと切る。

「行ってくるね、輪廻」
輪廻の額に軽く唇を落とせば、笑顔でホテルを出る。





















































風に舞う、





























































鬘の長い黒髪、



































































着ているパーカー。






































































『輪廻、僕が君を守り続けるんだ』