二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.431 )
- 日時: 2010/03/28 00:33
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ンジャァ、イクヨ!! コレガ、ワタシノシアイダ!!
*+第百七十四話+*
「ねぇねぇ、竜崎先生ー。私って、試合しちゃいけないの??」
輪廻は欠伸をしながら、めんどくさそうに試合を見ている。
「自分、誰としたいん??」
忍足が聞くと、「う〜ん」と輪廻は考えて。
「やっぱ、ありすと、かなァ。一番、手応えがありますからねー」
ニコニコと笑いながら、引っかかることを言う輪廻。
「はぁ。仕方ない。暴れられても困るからな。唖李栖と試合をして良いぞ」
竜崎先生の言葉に凄い笑顔で輪廻は笑った。
「じゃぁ、ありす。行くよ、コートに」
輪廻の笑顔とは対照的に、唖李栖は溜息。
「はいはい」
***
「on set match. 氷帝、サーブ」
おかしいですが、気にせずに。
「ありすー。手、抜かないでよねー」
唖李栖がサーブをする際、輪廻が笑顔で言う。
「出来たら、ねっ!!」
綺麗な音を出して、ボールは輪廻の方へ行く。
「まだまだ、甘い!!」
一瞬で、輪廻はボールの場所へと移動する。
「っ!!」
唖李栖は顔を歪ませたまま、輪廻に返す。
「貰った!!」
***[唖李栖視点]
「貰った!!」
ジャンプした時の、彼女の不適な笑い。
さっきの出来事を忘れるかのように。
いや、忘れたいかのような、不適な笑み。
「15-0」
審判の声が、試合を盛り上げていく。
「今のは、ダンクスマッシュ」
不二さんが小さく言う。
「桃の必殺技」
大石さんも驚きながら、輪廻を見つめる。
「悪いけど、僕の言った“賭け”はこの試合じゃ、通じないよ」
悪あがき。そんなの分かってるさ。
「そうだね。でも、私、負けるの好きじゃないんだよ」
嘘だ。嘘つき輪廻。
「僕、勝つつもりなんてないんだけど??」
言葉通りの意味。だけど、輪廻は不敵に笑う。
「そっちの方が面白い。それに、私が本気にさせてあげるよ」
僕は、頑固だよ。すっごく、超が付くくらい。
「それは」
ぎゅっと、ラケットを握る。
「気を引き締めて行かないとね」
***
「つっかれたァ」
輪廻は笑顔で竜崎先生に笑いかける。
「そりゃそうだろうよ。ずっと、試合をやっていたんだからな」
若干、呆れ顔の竜崎先生。
「だって、唖李栖が本気にならないからさァ。結局、最後まで本気にならなかったけど」
そう言って、輪廻は唖李栖を横目で見る。
「僕のせいじゃないよ」
唖李栖は涼しい笑顔で。
「竜崎先生。さっきのお願い宜しくお願いします」
ペコッと輪廻はお辞儀をする。
「あぁ。わかっとる」
竜崎先生が渋々と言う顔で言う。
「絶対に、許さない」
輪廻は小さく呟くと、ぎゅっとタオルを握り締めた。
『僕は知ってるよ。君が強いことを。
それなのに、君はいつも悲しそうなんだ。
僕はずっと傍に居る。
君が世界中を敵に回しても、
僕だけは、君の見方だから——————————』