二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.44 )
- 日時: 2010/02/19 22:36
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: 3L0NyJ0C)
- 参照: スキ、ッテコトニ、イミハナイトオモウンダ。ギンカハネ??
*+百四十話+*『Happy Birthday 裕太』
ども、暁野宮 輪廻です。
今日、2月18日は裕太の誕生日。まぁ、1年先輩なんだけど。
そんなコトはどーでもよくて。只今、バースデーケーキを作ってます。
ちょっと、『好意があるんじゃないの??』とか思った人。
手を挙げなさい。
後で、ぶっ飛ばしに行ってあげるから。心を決めておくように。
にしても、「甘…」誰も居ないキッチンで呟けば、若干、虚しさが溢れる。
「ったく、甘党過ぎ。作るの大変、バカ裕太」
味見をしてみるものの、味見になってないことに気が付く。
「じゃぁ、行こうっと」
ケーキを箱に詰めて、コートを着れば、玄関にそれを持って向かう。
***[聖ルドルフにてー]
「裕太くん、客人ですよ」
観月が裕太を呼べば、裕太は不思議そうな表情。
何も分からないまま目的地に到着。
「久し振りー」
そう言って、手を振るのは裕太の『友達』。
「輪廻。どうしたんだよ」
相手に問えば、輪廻はケーキの箱を差し出す。
「頑張ったんだからねー?? 結構、美味しいと思うよ」
ニコッと言えば、裕太は嬉しそうに受け取る。
「先輩たちに全部食べられないようにね。あ、後」
輪廻は急に真面目な表情になった。
「絶対に、アンタのお兄さんには言わないでね。知られたくないから」
その表情に思わず裕太は「あぁ」と頷き。
「んじゃぁ、裕太の誕生日だしー、食べさせてあげよっか??」
笑いながら言えば、「バカじゃねーの!!」と反論されて。
「赤面表情で言われてもなー… 説得力ないしー」
輪廻はクスクス笑いながら言う。
「お前、余計に黒くなったな」
ボソッと相手が言うものの、輪廻には聞こえていない。
「でも、良かった」
安心したように言えば、裕太は少し驚く。
「1年に負けて、ヘコんでると思ってたから。ちょっと安心」
ニコッと笑うと、裕太は顔をフイッと逸らし。
「何々ー?? 少しだけ嬉しかったりするの??」
聞いてみれば裕太は「んなわけ、ねーだろ」と言う。
「ツンデレー。あ、でも、裕太にはデレがないかー」
笑いながら輪廻は言うものの、相手は視線をずらしてるため、表情が見えない。
すると、輪廻は鞄からクッキーを取り出す。
「ね、こっち向いてよ。それと、口、開けて」
輪廻が若干、キツイ表情で言えば、裕太は渋々輪廻の方を見る。
「早く、口、開けてよ」
輪廻の無表情を見れば、裕太は口を開けた。
「良い子」
ニコッと笑えば、輪廻はクッキーを裕太の口の中に入れた。
言わば、バカップル… いや、彼氏彼女がやる『あーん』とか言うやつ。
「おまッ!!」
裕太は赤面状態でその場を少し離れた。
その代わり、輪廻は笑いを堪えている。
「慌てすぎだよ。それとも、嬉しかったとか??」
ニヤリとからかいの笑みで輪廻は問う。
「よく平気で、あんなこと出来るよな」
裕太が言えば、「たまに唖李栖にやってるから」と輪廻は笑った。
「ちゃんと食べてね。じゃぁ、私は帰らないと」
そう言って輪廻は、ニコッと裕太に笑う。
「あぁ、じゃぁな」
裕太が軽く手を振れば、輪廻も手を振る。
***
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!! 恥ずかしすぎだぁぁぁぁ」
輪廻はその場を離れると、大声で叫んだ。
「唖李栖にもやったことないし!! んなわけ、あるかっての!!」
自分で言ったことは忘れたのだろうか。
「恥ずかしい… ちょっと、生きていけない」
自分でやって何を言ってるんだろうか。
「おい、お前、そこで何やってやがる」
人生最大の危機である。
「煩いな。ちょっと今、苛々して… げ」
輪廻は睨み付けたときに、相手が誰だか知った。
そして、何人にも居ることに。
「輪廻?? こんなトコで何、してるの??」
まず一人目。
「にしても、自分、此処が外だって知っとるんか??」
二人目の眼鏡。
「ダメだぜ、侑士。コイツ、ぜってー分かってない」
三人目。
「激ダサだな!!」
四人目。
「それにしても、どうしたの??」
優しく声をかける五人目。
「フッ。今こそ、下克上のチャンス」
六人目。
「ウス」
七人目。
「おい、道で叫ばれると迷惑なんだよ」
八人目。輪廻が嫌っている相手。
「うっさい!! ちょっと、自分でショック受けてただけ!!」
そう言えば、相手はフッと笑う。
「ほぅ。自分でやったことにショックを受けたのか。バカ、だな」
輪廻は悔しそうに相手を睨みつけた。
「だから、煩いっての!! そんなに言うと、ぶっ飛ばしますよ??」
忠告。
今の輪廻の怒りは。
頂点を越している。
「お前にぶっ飛ばされるほど弱かねーよ」
跡部はそういうと、相手を笑いながら見る。
『紅蓮とは別れたよ。もともと、憧れだったから。輪廻、悲しそうな顔しないで??』
銀花の泣きそうな表情が、声が、仕草が、頭から離れないんだ。
自分のせいってのが、分かってるから。余計に。
『ユウタ。ワタシネ?? ユウタノテニススキ、ダナ』
深い意味はなかった。
ないはずだった———————