二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.516 )
- 日時: 2010/04/01 12:57
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ボクハシンジテル。リョーマガ、ユウショウヲキメテクレルッテ。
*+第百八十二話+*
しばらくして、真田とリョーマの試合が始まった。
二人とも、本気モード。
「面白い、試合になりそうだね」
少し辛そうにしながら、零は起き上がる。
「でも、“今”のリョーマじゃ、絶対的に真田さんには勝てない」
不吉なコトを言うものだから、少し周りは驚いて。
「スイングが速いからって、打てないなんてまだまだだよ、リョーマ」
無表情のまま、真剣そのものと言う感じで試合を見ている。
「打点を見てちゃダメなんだ。風を感じないと。それに、ああいうのは経験だよ」
零は試合のボールにしか、目が入ってない。
「どんな技だって効かない相手に、どう答えるかな。リョーマ」
零は呟くと、パーカーの帽子を脱ぐ。
2-0になって、3ゲーム目のときだった。
リョーマが真田のボールを打ち返したのだ。アウトだったが。
「ねェ、銀花。どう思う、あの“王子様”は」
少し笑いながら零は銀花に問う。
「分からない。だって、真田先輩は2年の時も凄かったもん。だから————————」
銀花は途中で区切る。最悪な予想しか出てこない。
「負ける、ね。今の状態じゃ、確実に。でも、目が光ってるよ、アイツ」
クスクスと笑って零は言う。
「開けられるかもしれないね。全部の“扉”を。僕、みたいにさ」
零はリョーマを見ると、小さく呟く。
「結局、開けられたんだ。誰と試合やってたの??」
銀花が聞けば、零は「う〜ん」と唸る。
「ありすとやってた時だよ。昔の感覚思い出した。ま、思い出さなくても良いんだけど」
零は言うと、ポッケから棒のキャンデーを出して、それを舐める。
「れい…」
銀花は小さく呟く。
「ん?? 何??」
零が不思議そうに相手に問えば、「何でもない」と銀花は言う。
***[銀花視点]
何でもない一言なのに。
さり気無い言葉なのに。
零が言うと、凄く重く感じる。
ずっと笑っていてほしいだけなのに。
なのに、この子は。
“復讐”と言う名の荊に縛られたまま。
だけど、それは銀花のためでもあって。
でも、誰にも傷ついてほしくない。
自分勝手でも良い、我儘でもかまわない。
銀花が「やめて」って言えば、止まるかもしれない。
でも、目的がなくなったこの子はどうなってしまうのだろう。
“テニス”を“復讐”でしか見れない少女になんて話しかければ良い??
荊の棘に刺されながら少女は悪魔の笑みで微笑む。
自分のコトは分からないくせに、人を導くのがとても凄い。
それに、凄くお人よし。
弟が心配するのが分かるくらいに。
だから、余計に心配なんだ。
ねェ、輪廻。銀花は輪廻のコトも唖李栖のコトも大好きなんだよ。
だから、お願い。
もう、自分を責めないで??