二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.53 )
日時: 2010/02/21 15:34
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: 3L0NyJ0C)
参照: ジブンノ、イキタイミチヲイケバイイ。ワタシハアナタノミカタ



*+百四十五話+*


『輪廻、賭けをしない?? 僕と、零の賭け。この提案、呑むよね』


そう言った時の、貴方の表情は何時になく、真剣そのものだった。

***[先日行った、アメリカでの出来事]



「唖李栖は相変わらず??」
ベリーが聞けば、輪廻は「えぇ」と言う。
「そう。忠告、しておいたハズなのにね」
ベリーは輪廻に聞こえないように呟いた。

「それより。少しは巧くなったの??」
ベリーは話しを変えると、輪廻を見る。
輪廻は相変わらず、コーラをゴクゴクと飲んでいた。

「さぁ?? 男装して手を抜いてるから、分からない」
ニヤリと含みのある笑みを輪廻は浮かべる。
「じゃぁ、お相手してあげるわ」
ベリーの言葉に、輪廻は「今度こそ、潰す」と呟いた。

***[テニスコート]


「はぁ、はぁ」
輪廻は汗だく。肩で息をしていた。
「もう終わり?? 弱くなったんじゃないの」
ベリーは涼しい顔で輪廻を見る。

「まだまだ!! 試合は終わってないんだからッ!!」
輪廻が叫べば、ベリーは驚きながら笑った。
(竜崎先生の案に乗って、正解だったわ)
なんて、思ってることは内緒。

サーブを打てば、輪廻は自分の技じゃないので返してくる。

「悪いけど、そんなコピーの技じゃ、効かないわよ」
ベリーは返しながら、言う。
「知ってる。だけど、これは… 私の賭け」
輪廻は静かに言うと、ボールを上げる。

「貰った」
後1点。それでこの試合は終わり。
それを承知してか、ベリーは高くジャンプする。
そして、スマッシュを放った。

「掛かった!!」
輪廻は笑うと、その場所に一瞬にして移動する。
その後、輪廻の身体がパァーと光に飲み込まれた。

「もしかして、輪廻… 貴方!!」
ベリーが驚いている間に、輪廻は点を入れる。
「さぁ、ここから巻き返すよ」
少女はさっきまでとは違う笑顔で笑った。


















「始めようか。『楽しむテニス』を」

















***


「やっぱ、敵わない、か」
コートで上向けになりながら、輪廻は呟く。
「それは、違うわよ」
ベリーはタオルで顔を拭きながら、輪廻の元に歩み寄る。

「『あれ』を出す前に『無我の境地』や『百錬自得の極み』を出したから体力が持たなかっただけ」
ベリーが言い終わると、輪廻は笑う。
「ねぇ、さっきので勝てるかな」
淋しそうに空を見ながら、輪廻はベリーに聞く。

「分からないわね。でも、輪廻なら大丈夫」
彼女の言葉に、輪廻はホッとする。
「そんな保証、ないくせに」
優しく、そして、泣きそうになりながら、輪廻は笑う。

「本当はもう、どうでも良いかも、しれないんだ」
ボソッと輪廻は呟く。
「何かさ、一緒に居る人達を見てると、そんな風に思えてきて」
空を見上げているのは、日本に居る仲間を思い浮かべてか。

「だけど、騙してるんだよね。本当は居ないんだ。『篠鞍 零』なんて人は」
輪廻は自分の手を空に掲げてみる。
ベリーは何も言わずに、輪廻を見ていた。

「みんなが笑うたびに、罪悪感が溜まるんだ。『仲間』って言ってくれるたびに。
 あぁ、私はこの人達を騙してるんだ。って言うコトが分かるんだ。
 私は男じゃない。やっぱり、失敗だったよ。女として、転校すれば良かった」
そこで、輪廻は口を閉ざした。

「輪廻。貴方ってそんなに、消極的だったかしら??」
相手の言葉に輪廻は驚く。
「もっと、『我が道を行く』ってタイプだったと思うけど」
それを聞くと、輪廻は「褒めてんの??」と呟いて。

「遠慮なんかしなくて良いのよ。どうせ、バラすんだから」
その言葉に、輪廻の心に何かが刺さった。
「バラすまで、楽しんだら。自分は『篠鞍 零』だってコトを信じて」
ベリーの言葉で、輪廻はフッと笑う。

「そうだね。ったく、余計な時間を過ごしちゃったよ!! んじゃぁ、登録行って来るね!!」
手を振って、輪廻は先に走っていく。
「コロコロ変わるんだから。でも、きっとまだ、気にしてるのね」
相手の背中を見ながら、少し淋しそうに言う。















『なん、で?? ねぇ、何でよ!! 理由を言って!! 銀花!!』