二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.55 )
日時: 2010/02/21 23:16
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: 3L0NyJ0C)
参照: ワカッテル。ワカッテルヨ!! ダケド、アシガウゴカナインダヨ。


*+第百四十七話+*


携帯が零の鞄の中から鳴り響く。

「はい、篠鞍です」
零が出れば、半ば相手は慌てていた。
『篠鞍!! お前、今、何処に居る?!』
竜崎先生だ。零は不思議そうな顔。

「えっと、産婦人科の近くですよ」
周りを見渡して、目印を言う。
『そこに、大石が居るはずじゃ!! 直ぐ、行ってくれ』
そう頼まれれば、「りょーかいです」と言って、零は電話を切る。

***

「大石先輩」
ガチャと音を立てて、零は病室に来た。
「僕が此処で、家族の人達を待ってますから。先輩は会場に」
歩みながら、零は大石に言う。

だけど、大石は自分の右腕を掴んで、眉に皺を寄せている。
「まさか、大石先輩… 腕を、痛めたんじゃ…??」
零は驚きながら、小さく呟く。
「あぁ、助けたときに打っちゃったらしい」
大石が言うと、ベッドに寝ている女の人がこっちを見る。

「本当に、ごめん、なさいっ。わたしの、せい、でっ」
途切れ途切れになりながら、女の人は言う。
「いえ、良いんですよ」
大石は相変わらず、優しい笑みで言った。

「篠鞍。レギュラージャージは今、持ってるよな」
大石の言葉で、零は「え??」と声を漏らす。
「青学を頼んだぞ」
だけど、零は左右に首を振る。

「無理、です。着れないです。僕は正式なメンバーじゃない」
零が言うと、大石も何時になく、真剣で。
「今の俺が行っても、みんなに迷惑がかかるだけだろ」
大石が言い終わると、零は「でも」と呟く。

「腕のコトは心配するな。2週間もすれば、完治するそうだから」
大石が言うものの、零は納得のいかない表情。
「あぁ、竜崎先生がな『暴れてこい!!』と言ってたな」
すると、零は一瞬、考える。そして、フッと笑った。

「先輩。約束ですよ、2週間後に必ず、完治してください」
そう言えば、「当たり前だ」と大石は笑う。
「俺を、引退させるなよ」
少し笑って言う大石に、零は力強く頷いた。

***[試合会場]

「篠鞍ー!! 早くしないと、間に合わないぞー」
手を振りながら、英二は走っている零に叫ぶ。
「ウォーミングアップはもう出来たようだな」
手塚が言えば、零は肩で息をしている。

***[試合開始]

「うわぁー… 周り、煩いんですけど」
零は嫌そうに、周りを見渡す。
周りは氷帝学園のテニス部員ばかり居る。
零はチャックをちゃんと閉めて、パーカーの帽子を被っている。
いつものスタイルだ。

「嫌だなぁ、この雰囲気」
菊丸が嫌そうな表情をしながら、呟く。
「あはは。僕も同感ですよ」
零は苦笑いでその意見に賛同した。

「勝つんは、氷帝」
「負けるの青学」
忍足、向日の順で相手に向かって言う。

「1年がレギュラーかいな。驚きやわ」
忍足は零を見ながら言った。
「おい、侑士。こっちの奴はアクロバティックで有名な菊丸だぜ??」
向日は菊丸を指差す。

「上には上が居ることを教えてやるよ」
向日は意味ありげな笑みで笑う。
(上には、上??)
零はその発言に少し、引っかかりを覚えた。

「one set mach. 篠鞍 to save.」

審判の声がコートに響く。

「っ!!」
スピンサーブでは無いが、零のサーブは忍足の方へ向かった。
「ええサーブや。けど、返せるで!!」
と言って返される。だけど、菊丸先輩が前に居て。

***

「いいコンビだね」
不二は笑顔で乾に言う。
「あぁ。それに、篠鞍は試合慣れをしている」
ノートに書きながら、乾は不二に言った。

***

「そんな…!! まさか、零が出るなんて!!」
唖李栖は絶望的な表情で試合を見る。
応援はもちろん、氷帝学園。まぁ、準レギュラーなんで。

「菊丸さんもアクロバティックをやる人なんて」
唖李栖はもう、この試合の結果を気にしてる暇なんてなかった。

***

英二先輩が、ボールを返す。
すると、向日が地上にいなくて。
「出た!! 向日先輩のムーンサルト!!」
氷帝の誰かが叫ぶ。

向日がボールを返し、そのボールを英二がアクロバティックで取る。
そのボールは忍足の方へ行く。
だけど、零の足は止まったまま。

「0-15」

審判のコールが虚しく響いていく。


「ドンマイ。……… 篠鞍??」
英二が近くに行って言うものの、零は無反応。
「あ、いや。スイマセン」
と言ってるが、目は左右に揺らいでいて。

「しまった!! 桃城を出させるべきだったか」
竜崎先生が思わず言葉にしてしまう。
そのおかげで、青学のレギュラーや桜乃、1年トリオは竜崎先生を見る。













『頭の中で、紅蓮の声がする。止めて、此処で暴れたら、相手が怪我をする!!』