二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.563 )
- 日時: 2010/04/04 22:46
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: ナイチャ、ダメナノ。ワタシガ、オネエサンダカラ。ダカラッ……
*+第百八十八話+*
「で、結局、1日試合ナシ、かぁ」
輪廻はジュースを飲むと、机に突っ伏す。
此処は、休憩所。みたいなところ。
そこには、輪廻にしか居ない。
「ほなら、俺と“打ち合い”せえへん??」
それは、先輩からのお誘い。
「とか言いつつ、試合になりませんか?? 忍足さん」
クスッと輪廻は笑う。忍足は、輪廻の隣の椅子に座る。
「“打ち合い”なら、コーチに許可取らなくてもええんやろ??」
悪戯っぽい笑みで問われれば、輪廻はテニスラケットを取り出す。
「ズル賢いんですね」
クスッと笑うと、飲んでいたジュースを飲み干し、ゴミ箱へ入れた。
そして、忍足を置いてスタスタと先に行ってしまう。
「それは、自分もやろ??」
***
静寂の夜に、ボールを打つ音が響いている。
そこには、2つの影。
「みんな、練習しないんですかっ?? 自主練っ!!」
輪廻は打ちながら、忍足に聞く。
ラケットを持っているのは、左手。
「どうやろ。トレーニングとかはしてるんちゃう??」
忍足は軽々と打ち返す。
「っ!!」
反対に、輪廻は少し表情を歪めて。
「うおっ?!」
忍足は驚いて右側に避ける。
ボールが行き成り、違う方向に、自分の顔面目掛けて跳ねてきたのだ。
「自分、打ち合いじゃなかったんか??」
その声は怒っているのではなく、クスクス笑っていて。
「手が滑っちゃって…。すいません」
ペコッと輪廻は腰を曲げる。そして、右手を少し触っていた。
「んじゃぁ、行くでっ」
バコンと音を立てて、ボールは輪廻の方に来る。
「っと!! あれ、“打ち合い”でしょ??」
悪戯っぽく輪廻は笑う。
「ん?? そのつもり、やけどっ!!」
輪廻は左に行って、普通に打ち返す。
その後、忍足が後ろに打ったときだった。
「え?? っ!! うわっ」
輪廻は一瞬、驚いた表情をすると表情を歪める。
そして、その後は尻餅。
「やっちゃった…」
苦笑いで輪廻は言う。
だけど、少し表情は悲しそうで。
「もう終わりにしよか。ほら、手」
忍足は立たせるために、左手を差し出す。
それは、輪廻は右利きだから。
「……」
輪廻は何も言わずに下を見る。
「??」
相手は不思議そうな顔。
「自分、もしかして!!」
忍足が言った瞬間だった。輪廻は顔を上げる。
グイッ。
輪廻は行き成り、忍足の髪の毛を自分の方に引き寄せた。
「おい、輪廻。近いんやけど??」
忍足と輪廻との距離は、ほんの何cmか。
「誰にも、言わないで」
じっと、輪廻は忍足を見る。
「自分の腕と、足。まだ、治ってへんのか??」
忍足の問いには輪廻は何も言わない。
「煩い。兎に角、唖李栖と銀花には絶対に。それと、裕太、にも」
輪廻は少し下を見ると、一人で表情を歪めながら立ち上がる。
「何で、不二の弟にも??」
忍足が不思議そうに聞いた時に、輪廻は後ろを向いて居て。
「どないしたん??」
忍足が聞けば、輪廻は少し難しい顔。
「誰かに、見られてる気がして。何だろう。凄く、嫌な予感がする」
輪廻は直ぐに、ニコッと笑った。
「で、約束ですよ。忍足さん」
そう言えば、先に走り去ってしまう。
自分を見ていた人にも気づかずに。